浦久俊彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルに「音楽史」とあるが、その前に「138億年」とある通り、宇宙規模の音楽史という、愉快な発想だ。
138億年前とは、ビッグバンが起こり、宇宙が誕生した時だ。
そこに音楽があった?
それは「宇宙背景放射」という魅力的な名前で呼ばれている「音楽」だ。
宇宙は、その誕生から「音楽」を響かせているのだ。
しかし、この理解は、本書が初めてではない。
1200年前、平安時代に、この理解を示していた日本人がいる。
それは空海だ。彼はそれを宇宙に響く声(言葉)と捉えた。
空海の到達した境地に、現代科学はようやく追いついたと言えるかもしれない。
音楽に関する「教養」の連打が楽しい。
例えば、
細胞が奏で -
Posted by ブクログ
中世から近世史に興味がある私。最近、再度ブーニンの世界に浸っている事もあって『天才の名をほしいままにした男』の象に迫る分析の旅はなかなか面白かった。
パガニーニの名は知っていても、具体的にはバイオリンの名手とだけ知るのみ。ドラクロアが彼の肖像を描いていたのは驚いたし、こういったデモーニッシュなイメージに包まれていたとは。
遺体が数十年に渡り、欧州を彷徨ったことは「狂えるスペインの王女」のエピソードが被った。
最後の章でストラディバリとそれを上回るグァルネリ・デル・ジュスの話がある。初めて知った名前ながら、ルネサンス期、職人の世界‥で如何にもの内容。
私が思う天才のイメージだし、カラヴァッ