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幕末から明治にかけての日本人には「耳障り」だったクラシック音楽は、「軍事制度」の一環として社会に浸透し、ドイツ教養主義の風潮とともに「文化」として根付いていった。そして日本は、ベートーヴェンが「楽聖」となり、世界のどこよりも「第九」が演奏される国となっていく――。明治・大正のクラシック音楽受容の進展を描きながら、西欧文明と出会った日本の「文化的変容」を描き出す。
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Posted by ブクログ
タイトルから第九のことが中心に書かれているのかと予想したけれど、いい意味で裏切られた。日本で最初にベートーヴェンを聴いたり弾いたりした人たちのことなど想像したこともなく、苦労もあっただろうし、異文化体験が衝撃的だったのだろうと想像する。
こちらの本は日本人とベートーヴェンの関係 を主体に書かれています。 なぜ年末になると「第九」があちこちで演奏 と共に歌われるのか。これはいつ頃から定着 した風習なのか。 明治の開国から西洋の文化がドッと日本に入 ってきた時、そもそもクラッシック音楽とは どのような位置付けであったのか。 から始...続きを読むまり、その中でベートーヴェンの扱い について分かり易く解説されています。 あの、苦虫を噛み潰したような肖像画や、「 ベートーヴェン」という呼び方まで、日本人 にとっての共通認識の歴史を学べる一冊です。 森鴎外による「交響曲」という言葉が生まれ る明治12年に、初めてオペラ歌劇団が日本に 来日しているそうですが、日本人にとっては 「まるで鶏の首を絞めたように」聞こえたそ うです。
ベートーヴェンの第九が何故日本人に許容されたのだろうと言う問いには残念ながら到達していないよう。 もっと戦後のことに掘り込んで探るべきか。次回作に期待
ベートーヴェンが日本人に「楽聖」として定着していく過程を、明治以降の関東大震災と大東亜戦争を軸に考察している論考。明治時代の西洋音楽のとり入れ方や日本のプロオーケストラの始まりや職業指揮者としての山田耕筰と近衛秀麿トの確執などにも触れていて面白い面もあるが、既に多くの書籍に書かれていることを集約して...続きを読む的曲げた感があって、あまり目新しさが感じられなかったのが残念。 ベートーヴェンという表記や、彼の音楽が国民にどのように受け入れられてきたかと言うことを簡潔に調べ上げる資料としての役割は大きいかも知れない。
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ベートーヴェンと日本人(新潮新書)
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浦久俊彦
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