深沢七郎のレビュー一覧

  • 庶民烈伝

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    面白い。
    序は、まるで『果てしない物語』のよう。

    カフェに置いてあって、まだ少ししか読めていないけど、手元に置いておきたい本。

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    2021年08月13日
  • 甲州子守唄

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    母の想い、子の想いと考え。
    生活していくために、誠実さを無くしていく時代。

    スッキリしない読後感であるが、そういう時代が確実にあったのだと、気付かされる。

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    2020年07月28日
  • 笛吹川

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    戦国時代。江戸の士農工商というカースト制度が、各身分を分離する以前、このころは、農民が領主のためにいくさに参戦し、死に、あるいは手柄を立てて褒美をもらったものらしい。
     この小説に出てくる農民の一族は、武田信玄の一族のために戦い、死ぬ。あるいは富裕になりすぎて妬まれ殺されたり。やがては武田氏の敗退とともに、追い詰められることになる。
     それでも彼ら農民は領主にさからうでもない。黙々と肉体を捧げ、黙々と死んでゆく。この無限の繰り返しが、妙に日本人的であるとともに、不気味な生の成り立ちをイメージさせる。
     最後の方で末子が
    「この土地の者は、みんなお屋形様のおかげだ」
     と言いだし、周囲の者たちは

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    2012年09月18日
  • みちのくの人形たち

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    【みちのくの人形たち(表題)】
    東北の山村の人たちの丁寧な物腰がすごく怖かった。巻末の解説では、このていねいな人々の描写をものすごくポジティブにとらえているので、僕の読み方がおかしいのか。
    ラスト、人形の意味に気づくシーンは怖さよりも思い浮かぶ情景の迫力に圧倒された。そのくらい、すごい描写。

    【アラビア狂奏曲】
    戯曲のような雰囲気がおもしろい。
    キリストの処刑から復活をまったく関係のないところで伝聞している(しかも登場人物はとくに関心をはらっていない)のがユニーク。

    その他の話も意外と読みやすく、不思議な魅力。

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    2012年07月02日