梶谷懐のレビュー一覧

  • 幸福な監視国家・中国

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    冒頭の中国の監視システムの実情(出版から2年くらい経ってるので現在は進んでるだろうが)にズッコケるものの読み進めるとそれは逆に社会実装の速さの証左であり、中国の市民社会のルールの成り立ち方に裏付けされた現象であることだと分かる。

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    2021年05月09日
  • 幸福な監視国家・中国

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    この本に手を伸ばしたきっかけであり、読書前に抱いていた疑問でもある「中国国民は一体どのような価値観でもって、この監視社会化を受け入れているのか」という問いに対する答えが納得のいく形で得られた。

    ・儒教的価値観(一部の教養があり、徳を積んだ者のみが天理に従って統治する資格をもつ)

    ・市民公共性が土台や受皿が無いこと(公権力や大企業によるデータの収集や活用方法に対して開示を求めたり、監視する力が働きにくい)

    以上が印象に残ったのと、キーワードなのかなと思った。

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    2020年12月18日
  • 幸福な監視国家・中国

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    梶谷懐(1970年~/現代中国経済論を専門とする経済学者/神戸大学大学院経済学研究科教授)と、高口康太(1976年~/中国の社会、ネット事情などに精通するライター、翻訳者、リサーチャー)による共著。
    私は仕事柄、何人かの中国人の友人を持っているが、彼らとの連絡にはLINEは使えず、Wechatを使用しているし、中国に出張した際に(専用のアプリがなければ)GoogleもFacebookも使えないことは経験しており、中国の情報・通信統制には以前より関心を持っていたが、今般の新型コロナウイルス感染が中国・武漢で確認された当初、街頭でTVのインタビューを受けた若い中国人女性が「中国では、人びとの行動を監視してくれているから安心だ」とコメントしていたことに改めて衝撃を受け、本書を手に取った。
    本書では、冒頭で、中国においては、現実世界でもインターネット上でもすべてが政府に筒抜けであるにもかかわらず、ほとんどの中国人がそれに不満を抱いていないどころか、現状を肯定的に見ていると書かれているのだが、実は、それは必ずしも、共産党独裁によって洗脳されているという理由だけではないとして、実際に中国で起こっている監視社会の実態が明らかにされ、更に、その監視社会は、今後日本を含む民主主義の国々でも直面する問題であると警鐘を鳴らしている。
    主旨は概ね以下である。
    ◆中国の人びとは、企業や政府に個人情報を提供し、それと引き換えに便利なサービスを得てきた。
    ◆統治のための様々なテクノロジー(監視カメラなど)や、社会的に望ましい行いに対する動機付けを提供する「信用スコア」システムなどの浸透により、近年の中国社会は「お行儀がよくて予測可能な社会」なりつつある。
    ◆現在中国では、政府や企業がビッグデータに基づいて、「このように振る舞えば幸福になりますよ」というナッジやアーキテクチャ(人間の行為を制約したりある方向へ誘導したりするようなウェブなどの構造)を提供し、その言論統制は不可視化され、多くの人びとはそれに気付かなくなり、また、一般市民が自発的に反政府的な発言を控えるような形のものに進化しつつある。
    ◆監視社会を受容する背景が、利便性・安全性と個人のプライバシーとのトレードオフにおいて、前者を後者より優先させるという姿勢にあるとすれば、それは「功利主義」にほかならず、中国と西欧諸国の間に明確に線を引くことはできない。
    ◆今後、功利主義に基づいて道徳的判断の根拠が人間によるものからAIによるものに置き換わっていくとすると、アルゴリズムによる統治(人間の支配)が進む可能性があり極めて危険である。人間による「市民社会」が、それらを監視・チェックしなくてはならない。
    ◆現代の監視社会について考えることは、進化を止めることなないAIなどの新しいテクノロジーを、私たちの社会においてどう使いこなすかを考えることにほかならない。テクノロジーに意味を与えるのは人間であり、社会なのである。
    中国の監視社会の現状分析を通して、進化するテクノロジーに対して我々はどう向き合うべきなのかを示唆する力作と思う。
    (2020年3月了)

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    2020年03月29日
  • 幸福な監視国家・中国

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    ある時期を境に中国、特に上海や深圳といった経済都市の犯罪は減少し中国人のマナーが劇的によくなった(たぶん今や日本人のマナーのほうが悪い)。テクノロジー&経済大国となった中国を「独裁国家」で紋切りしてしまうことに前々から違和感を感じていた。その理由が監視社会の「光」に焦点を当てた本書でクリアになった。

    強力な一党体制と圧倒的な内需型経済を有す超巨大実験場の中華人民共和国は、アリババやテンセントが先導したIT革命によって一気に超先進国に躍り出た。リバタリアン・パターナリズムに基づくアルゴリズム的公共性は計画経済の進化系といえよう。そして功利主義のもと、『1984』的ディストピアではない、国民が幸福な社会が実現されるのであれば、民主主義の限界を叫ぶ我々がどうして批判出来よう。

    他方で新疆ウイグル自治区に対する中国政府のパターナリズムという従来懸念された動きも見せる。右傾化する世界経済のなかこうした動きは緩慢な迫害をもたらす危険な動きといえる。何を「功利」とするか、誰が基準で、どう判断するか。道徳の画一性が本当に幸せの答えなのか。中国は共産主義の新たなる形ではあるが、民主主義の新たなる形になるにはまだまだ課題が多そうだ。

    「イノベーションのジレンマ」の後発優位を生かし、いまやAI技術大国となった中国の光と影を描いた良書である。

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    2020年02月18日
  • 幸福な監視国家・中国

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    以前、中国に行ったとき、空港からホテルに向かったタクシーの中に財布を忘れてしまったことがあった。ホテルの人に伝えたところ、すぐにビデオをチェックすると言って確認をしてもらった。結局夜なのでナンバーが見えなかったということだったのだけれども。その後、警察に行ったとき、当たり前のようにテレビのモニタで空港の様子を見て探そうとしていた。結局、見つからなかったが、ビデオで見られているということが全く当然のことと認知されていることに少し驚いた。

    この本で書かれているように、現実世界では監視カメラやWeChat payやAlipayなどのスーパーアプリを通して行動を把握され、もちろんインターネットでもその行動が監視されている中国社会において、中国人はそのことに不満を抱いていないということなのである。国際的なアンケートによると、自国の進んでいる方向が正しい方向に向かっているかという質問に対して中国は94%がYESと答え、平均の58%を大きく上回り、またテクノロジーを信用するかどうかという質問に対して91%が信頼する(日本は66%)と答えている。「幸福な監視社国家」においては、人による監視社会よりもAIなどのテクノロジーによる管理社会の方が公平で望ましいと考えているのかもしれない。典型的な例を挙げると、芝麻信用の個人信用スコアが広く使われるようになることで、結果的に自発的に行儀のよい行動をするようになっているという。そして、それは情報を取られてはいるが、悪いことではないと考えつつあるのだ。

    ユヴァル・ノア・ハラリのベストセラー『ホモ・デウス』において、「人間至上主義」の世界が終わり、「データ至上主義」の世界が始まるのかもしれないと告げた。今の中国が進む道は奇妙にそのイメージに沿っている。ユヴァル・ノア・ハラリも、「データ至上主義」を語るときに、米国よりも中国をこそ想定していたとしても、それほどおかしい話ではない。これまでは情報を管理する上で分散機構が優位に働き、共産主義圏に対して自由主義圏が経済上圧倒的な勝利を収めることになったのだが、IT技術の進展によって情報の集中管理が分散管理に対して優位に立つことになり、独裁的集権国家(独裁者は人ではなく、AIによる判断であってもよい)に分がよくなりつつあるのかもしれない。

    「「監視社会」をめぐる対立は、じつは「現時点における気持ちの悪さ」を強調する立場と、将来における気持ちの悪さの消滅(=慣れ)」の蓋然性の高さを強調する立場との対立として理解できるのかもしれません」
    と著者は言う。そして、日本では後者が勝利をしてきた、とも。果たしてそうだろうか。日本という国において、人は流されやすいが、変化することにも及び腰であるように思う。

    中国と日本の違いとして、特に上海や北京などの都市部では、いまやどこでも現金は必要なく、WeChatなどのスーパーアプリだけですべて用が足りるようになっている。食事もアプリで頼んで配達してもらうことがとても当たり前になっている。それはとても便利な体験なのだ。そして、そのときわたしのデータはすべて取られているのだ。そして、さらに次の体験は向上する。

    中国が将来を先取りする超先進国家なのか、自由に逆行する国家なのか、その答えはそんなに遠くない将来に出るのかもしれない。

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    2019年12月22日
  • 幸福な監視国家・中国

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    中国の現状(もう、少し遅れているかもしれないが)を知るだけでなく、社会の中で、「監視」、「テクノロジー」をどう使うのか、それが、市民社会の中にどう位置づけるべきか。考えさせられる本。功利主義のための監視社会。日本には、スゴイ馴染んでしまいそうで、怖いなぁ。

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    2019年12月08日
  • 幸福な監視国家・中国

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    「監視社会」をめぐる対立
    ・「現時点における気持ちの悪さ」⇔「将来における気持ち悪さの消滅(=慣れ)」
    ・後者にしても、一定の時間や手続きといったものが必要だという事実と矛盾はしない
    ・「幸福な監視国家(社会)」の本質は、「最大多数の最大幸福」の実現のため、その手段として人々の監視を行う国家(社会)、ということになる。
    ・伝統中国:「公論としての法」、「徳」による社会秩序の形成

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    2019年11月20日
  • 幸福な監視国家・中国

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    引用で興味を惹かれた本:
    「1984」オーウェル・ジョージ
    「すばらしい新世界」ハクスリー・オルダス
    「ホモデウス」 ユヴァル・ノア・ハラリ
    「セレモニー」王力雄

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    2019年10月05日
  • 幸福な監視国家・中国

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    キャッシュレスが進んでいるとか、監視カメラがすごいとか、アネクドータルにはいろいろ聞く中国で進行する「監視国家」化の実像(もともとギグエコノミー的な働き方の人が多かったとか、意外とソフトな形をとる検閲とか)をわかりやすく伝える。それだけではなく、その動きをマクロな歴史や社会観の中に位置づけようとするなかなか野心的な新書。功利主義だなんて言葉、高校生の頃に倫理の授業で勉強して以来かも。中国で起きていることが他の国々とも無縁ではないことを語る一方で、中国の独自性も整理してくれる。

    あとウイグルのケースは正真正銘のディストピアで、その危険性は無視できない。

    ふとした思いつき。。。。
    見ようによっては、現代の都市における非常に匿名性の高い生活のほうが逆に歴史的には例外の時期であって、「監視国家」は規模こそ違えムラ社会のころの生活の先祖返り的な側面もあるのでは?

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    2019年09月12日
  • 幸福な監視国家・中国

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    ネタバレ

    「こういう本は今の日本では売れないだろうなぁ・・」と「こういう本が出版される間はまだ大丈夫かなぁ・・・」というのが、本書を読み進める時に感じた最初の感想だった。
    世の中に数多ある中国すげー本でもなければ、中国はもうすぐ破滅する的な本とも違う、中国で現在進行形の事象と、その現象を進めることが可能になる(ルールや主体ではない)原理を読み解こうという本書は決して多くのターゲットに刺さるものではないだろう。著者の一人である高口さんが担当されている部分では中国の最新事例を楽しむ読む人間はそれなりにいるだろうが、そういった人たちが梶谷先生の部分を噛み締めて読むというのは、あまり想像が出来ない。
    難しいし、目の前のビジネスにはあまり関係がないからだ。


    しかしながら、中国の為政者・・・というか、法的な対応を検討したり、政策を立案したりする国家と党のエリート層は、必ずこういった思想的な議論を行なっているであろうと、僕は確信している。権力という意味においてエリートである彼らは、同時に知的なエリートであり、どのようにして中国という国家を舵取りすべきかということに対して、常に高度な論理性と世界中の過去から学んだエッセンスを適用しているはずなのだ。こんな難しいこと考えているわけないよ・・・ともし感じるのであれば、あるいは日本の政治を見てそう思うのであれば、それは自らの劣った基準で物事を理解しようとしているからに他ならない。

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    2019年08月20日
  • 幸福な監視国家・中国

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    世界で最もデジタルテクノロジーのトライ&エラーを高速で繰り返し、それを経済成長の根底に据えることに成功している中国。昨今の”中国イノベーション論”に代表されるように、日本を始めとする先進国は中国に学ぶべき、という一面的な論説も多々見かけるようになってきた。

    一方で視線を大都市からウイグルに向ければ、そこには中国共産党による政治弾圧が行われ、デジタルテクノロジーが弾圧を容易にしているという暗部があるのも事実である。そしてその暗部は徐々に香港へと向けられようとしている。

    こうした二面性のある中国をどのように理解すればよいのか。本書では中国を長年研究してきた経済学者と、中国で今起こっているデジタルテクノロジーの動向に精通したジャーナリストの共著という形で、極めてバランス感に溢れた中国の実態を描き出すことに成功している。

    本書では、中国における民主主義の意味合いとして、西欧社会で主に用いられる”政治的権利の平等”よりも、”経済的平等”の二種類が存在することが提示される。その上で、後者においては儒教的価値観から、強く正しい権力者に対してパターナリスティックな庇護を民衆が要請することが常であり、現在の中国の監視カメラやパーソナルデータの流通は、そうした観点から民衆にとって合理的なものとして映っているとされる。タイトルの「幸福な監視社会」とは、まさにそうした姿を明示している。

    政治・経済の歴史を踏まえて、現代の中国のデジタルテクノロジーの実態を理解できる一冊として、非常に面白く有益。

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    2019年08月17日
  • 中国経済講義 統計の信頼性から成長のゆくえまで

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    ネタバレ

    中国経済について興味を持っている人であれば断片的には聞いたことがあるであろう情報を一冊にまとめたという感じで、大学の授業でいうと理論的に整理された学問を学ぶというよりは、教養段階として様々なトピックを学ぶと行った趣の一冊。

    「中国すごい論」を語る人も、「中国ダメ論」を嘯く人も、どちらも本書を読むことはないだろうけど、そういった人たちこそ本書を読むべきであるし、本書を正しく理解できた人はそういった両極端な意見を冷静にやり過ごすことができるようになるだろう。

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    2019年07月18日
  • 中国経済講義 統計の信頼性から成長のゆくえまで

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    20190109〜0124 中国経済の現状と今後の見通しについて、オーソドックスに分析し平易に解説している良書だと思う。中国については、感情的な見方によって大分左右されるから、こう言う冷静な見方は貴重。欲を言えば政治情勢や国内における思想、民族宗教的統制の現状も踏まえて欲しかったが、それは本書の守備範囲を超えるものなのだろう。

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    2019年01月25日
  • 中国経済講義 統計の信頼性から成長のゆくえまで

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    知りたかった情報
    根拠なく
    中国万歳
    中国崩壊
    って声が大きい人が騒ぎすぎて見えにくくなっていたところに本物登場
    そうだよね計画経済から急に市場経済になったのだから市場経済のものさしの経済指標で正確に捉えられるわけもなく
    その観点を得ただけでも儲けもの

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    2018年12月23日
  • 中国経済講義 統計の信頼性から成長のゆくえまで

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     全体感として、正論としての経済学から見た足下の中国経済の解釈である。各章のテーマがほどよい分量でまとめられていて読みやすい。
     中国経済に関心を持って見ている人にとって、特別に新しい発見はないかもしれない。それでも整理はなるところが評価できる。
     参考文献も非常にわかりやすくまとめられており、それぞれのテーマに対してもう一歩も二歩も理解を深めていく窓口としての役割も果たしている。
     ここから先に進むとすれば、本書の内容について、中国に住む中国人の研究者であればどのように書くのか、そんなものがあれば比較研究を通して、本書が議論するところへの正解に近づけるかもしれない。中国の書店でそんな一冊を探してみたくなった。

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    2018年11月04日
  • 日本と中国経済 ──相互交流と衝突の100年

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    中国と日本の関係を経済面から歴史的にみている。
    戦前の日本企業の中国進出は学者の中では肯定的に捉えるものが多数。
    戦後日本の中国との接し方などいくつかの見方が提示されていて学びになる。
    中国と日本のものづくりは分野が異なり住み分けができている。
    日本のブランドでも中国で作られており、日本製品の非売運動は中国にもマイナス。

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    2017年01月30日
  • ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界

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    ネタバレ

    中国経済を悲観的でも楽観的でもない一歩引いた視点で書かれているのだなと感じました。

    各章の終わりの小括は、読者にわかりやすく書かれているのだろうと感じましたが、それでも私には難しかったです。

    不動産の合理的バブルが限界を迎えて中国経済は先行き真っ暗なのかと思っていましたが、まだ改善の余地があるのだとわかりました。

    「あなたがどれだけ中国のことが「嫌い」だったとしても、中国経済の行く末に無関心でいることはできない」と書かれていましたが、まさに私はそういう心境だと思いました。

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    2025年09月05日
  • ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界

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    不動産市場の低迷に喘ぐ中国経済の危機とEVをはじめとする中国の新興産業の快進撃と生産能力過剰という二面性のなか、いま中国に何が起こっているのか解説している。

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    2025年08月01日
  • 不平等・所得格差の経済学――ケネー、アダム・スミスからピケティまで

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    すげー面白そうなタイトル。
    目次を見ても、
    取り上げられる経済学者はケネー、アダム・スミス、リカード、マルクス、パレート、クズネッツ。
    一応経済学部卒の私は知ってなきゃいけない古典経済学の学者たち、
    そしてフリードマンやピケティの名前も出てくる。

    自分の問題意識からして、この400ページの分厚い本、何とか食い下がれるかと思ったが、、、
    手も足も出なかった。

    せいぜいわかったのは、
    古典経済学者の人たちは、階級による格差はあまり気にしてない、ってことか。
    階級は前提。経済学者はみな恵まれた立場にいるのだ。

    でもそれだけじゃねえ、、、

    まあ私の持論は、、、
    所得格差は実力だけじゃなく運によるところが大きい。
    自分の力で得た所得は自分のものと欲張らず分配するのがいい。
    ただし、政府の恣意的な分配ではろくなことにならない。
    今の日本の補助金政策を見てもわかる。
    となると、フリードマンの「負の所得税」など、
    ルールに基づいて自動的に再配分される方式がいい。
    そのルールの調整は時代時代によって変わり、
    困難を伴うだろうが、それをやるのが政治。

    てなとこかなあ。
    こんな底辺の理論はこの本には登場しなかった。
    完敗。


     プロローグ

    第1章 フランソワ・ケネー――「豊かな農業王国」の社会階級
     ケネーの時代のフランスの不平等
     社会階級とその収入源
     剰余の重要性

    第2章 アダム・スミス――「豊かさへの道筋」と暗示的な所得分配理論
     アダム・スミスの時代のイングランドおよびスコットランドの不平等
     スミス、リカード、マルクスにおける社会階級
     繁栄する社会とは
     『道徳感情論』と『国富論』での富裕層への態度
     富者の所得の正当性を疑う
     社会が発展するなかでの賃金、地代、資本収益
     進歩した社会の実質賃金と相対賃金
     暗示的な所得分配理論と資本家への不信
     結論

    第3章 デヴィッド・リカード――平等と効率のトレードオフは存在しない
     ナポレオン戦争時のイングランドの所得不平等
     所得分配と経済成長
     賃金、利潤、地代の進化
     階級闘争
     リカードの「思わぬプレゼント」

    第4章 カール・マルクス――利潤率は下がっても労働所得への圧力は変わらない
     カール・マルクスの時代のイギリスおよびドイツの富と所得の不平等
     下準備――マルクス主義の鍵となる概念を整理する
     階級構造
     労働と賃金
     資本と利潤率の傾向的低下
     不平等の進化についてのマルクスの大局的な見方――ふつうに思われているより明るい
     パレートへ、そして個人間の所得不平等へ
     補論――グラッドストーン引用騒動

    第5章 ヴィルフレド・パレート――階級から個人へ
     20世紀初め頃のフランスの不平等
     パレートの法則と社会主義に適用された「エリートの周流」
     パレートの法則か、パレートの「法則」か、それともそもそも法則ではないのか
     パレートの貢献

    第6章 サイモン・クズネッツ――近代化の時期の不平等
     20世紀半ばのアメリカ合衆国の不平等
     クズネッツ仮説の定義
     曲線の定義は早すぎたのか
     復活の可能性
     クズネッツの貢献
     この本で検討した著者全員の地域性と普遍性

    第7章 冷戦期――不平等研究の暗黒時代
     資本の私的所有のない体制――社会主義市場経済での不平等
     資本の国家所有という体制――計画経済での不平等
     社会主義での所得不平等研究の少なさ
     進んだ資本主義の下での所得不平等の研究
     崩壊の理由
     所得分配への新古典派的アプローチの批判
     資本主義の下での不平等研究の3タイプ
     国家間の不平等と国内不平等を結びつける

     エピローグ――新しい始まり

     謝辞
     解説[梶谷懐]
     索引

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    2025年05月12日
  • 所有とは何か ヒト・社会・資本主義の根源

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    戦時・戦後沖縄の極限状態で所有という規範が解体されたとき、タンザニアの不安定な社会で物のやりとりは恩を売る、つまり人同士のつながりをつくる行為である、といった内容から、コンベンションとしての所有権、ゲーム理論や社会システム論からみた所有まで、所有権について様々な議論を集成。

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    2025年04月12日