宮本常一のレビュー一覧

  • 忘れられた日本人
    あとがきより
    「一つの時代にあっても、地域によっていろいろの差があり、それをまた先進と後進という形で簡単に割り切ってはいけないのではなかろうか。」
    「私の一ばん知りたいことは今日の文化をきずきあげて来た生産者のエネルギーというものが、どういう人間関係や環境の中から生れ出て来たかということである。」
  • 日本文化の形成
    稲作の伝播、海洋の民と床住居等々。さまざまな観点から日本の起源を知る試み。言葉、語感というものも大切だと改めて思った。
  • 忘れられた日本人
    こういう民俗学的な話はやはり「エロばなし」が面白い。ある地方では男女共に誰と寝ても良かった!めちゃオープン。
  • 忘れられた日本人
    ほんの100年前の日本人の暮らしが垣間見れる、とても貴重な本だった。

    改めて現代の移り変わりの速さに愕然とする。
  • 塩の道
    元々内陸ではほとんど塩の取れない日本では、山で伐採した木を川に流し、海の河口で回収して薪に使い、海水を煮て得た塩を内陸に持ち帰ったという。生きるための知恵と
    労力を惜しまぬ力技に感動。
    また、そもそも塩魚というのは大量流通によって安くなった塩に付加価値をつけたもので、魚よりも塩を摂取することが本来の...続きを読む
  • 山に生きる人びと
    私の中でサンカブームがやってきたときに購入。

    定住せずにあちこちに居を移し、竹細工をして、川魚を食べ暮らしていた彼らの生活に思いを馳せながら読みました。

    人間は結構自由な動物だなと思いなおした本。
  • 忘れられた日本人
    難しい…
    文字の読める人と読めない人とで伝承に差が出てくるって所はさすが、民俗学の権威だなと思った
    話が本物であろうがなかろうが、その話から文化を見出すだけでなく、地域、日本とファイリングすることによって見えてくるものもある
    それは全国を渡り歩いた宮本常一だからこそのことだし、具体にとらわれていない...続きを読む
  • 忘れられた日本人
    民俗学者である宮本常一の著作。民俗学に触れるのは初めてだったが、本書で江戸時代末期から昭和にかけての地方での生活を知ることができた。当然ではあるが自分の生きている時代との違いが大きく衝撃を受けた。現在の方が桁違いに便利で豊かではあるが、精神面では昔と比べてむしろ乏しくなっているんじゃないかと感じたし...続きを読む
  • イザベラ・バードの旅 『日本奥地紀行』を読む
    イザベラバードの紀行の原文を読もうと思ったことがあるが、なかなか難しくて理解出来なかった。

    本著はそれをバードが感じた当時の日本文化や習俗について解説をおりまぜて触れているため、とてもわかりやすかった。

    日本人がある種醜い人種とされている一方で、アイヌ民族にバードが共感を得ているところが驚きだっ...続きを読む
  • 忘れられた日本人
    すべてを手放しに称賛することはできないけど、善悪で判断しない、法律で線引きしない世界には、現代にはない豊かさがあると思った。教育や開墾が何をもたらし、何を失くしてしまったのか、考えるきっかけになる本。
  • 忘れられた日本人
    昔の日本人の庶民の生活を垣間見る事が出来る。昔の人は真面目で慎ましくしているイメージがあったがひっくり返された。特に性に関するあけっぴろげなところはイメージが全然違った。貧しくも幸せに足る事を知っていた日本人。時間も緩やかであったろうと思う。現代のギスギスとした時間に追われる生活は人間らしい生き方な...続きを読む
  • 南方熊楠/柳田國男/折口信夫/宮本常一
    私の好きな池澤夏樹が企画し編集したこの文学全集の中でも、取り上げる対象が南方熊楠、柳田國男、そして宮本常一というこの表紙だけで、購読を決めた。


    宮本常一という人の、日本にかつてあった人々の普通の暮らしを描きとり、描写のみならずそこから俯瞰して、その後の発展との関係を導く巧みさ。
  • イザベラ・バードの旅 『日本奥地紀行』を読む
    バードの『日本奥地紀行』を、つっかえながら、しかしもう半年以上、読み終えられず。
    今、青森あたりを、バードとともにうろうろしている(苦笑)。
    いや、読みはじめたら面白いと思うところもあるのだが、なかなか手が伸びない。
    これを打開するには、優れた先達あれ、と思い、本書を手にする。

    この本を読むと、バ...続きを読む
  • 日本文化の形成
    81年の本をまとめ直して05年に出版。小さく読みやすい。
    稲作は東南アジア・南方から伝わってきた。
    日本に稲作が伝わってきた時代、朝鮮半島ではまだ行われていなかった。
    「旧唐書」日本は倭国を併した→倭国と邪馬台国は別。
  • 宮本常一 伝書鳩のように
    柳田に続く民俗学者として、名前だけはよくよく知っていた人。
    でも、実は何も知らなかった人。
    勝手に、流浪の人のイメージだったけど、そうではなかった。
    聞き書きの部分も多いのに、客観的なきちんとした印象の文体だった。それでいて、対象を突き放しているわけではない。
    地に足がついているというか、民を深く理...続きを読む
  • 日本残酷物語 2
    「忘れられた土地」という副題のとおり、離島、山間部、北海道開拓地の人々の明治から終戦直後の苦労を聞き取ってまとめた話。書かれたのは昭和35年。
    北海道のクマ、蚊、霜、冷害の話は壮絶。
  • 生きていく民俗 生業の推移
    むかしの人がどのように働いて、どのように生きてきたか、働き方の移りかわりと生活の移りかわりを紐づけながら追いかけた宮本常一の本です。
    それぞれの時代、それぞれの地域の人々が、その時代その地域に合わせてなんとか食いぶちを作ってしぶとく生きてきたのだというのが印象的でした。昔からそうであったようにこれか...続きを読む
  • 塩の道
    宮本民俗学なるものを一度くらい読んでみようと思って。話し口調で説明もわかりやすく、たいへん読みやすかった。

    塩水をそのまま煮詰める方法から揚浜式へ、石釜方式へ。
    山から材木を流してそれを海に行って焼く。材木と塩の物々交換。麻をさらすための軽い灰を売って塩を焼く。牛で塩を運ぶ。細い道の道草を食わせる...続きを読む
  • 塩の道
    2014.9記。

    生きるために欠かせない「塩」と、人々はどう関わり合ってきたか。
    著者はまず、「八百万の神」を祀る習俗の日本において「塩」そのものを祭った神社がない、という事実に着眼して筆を起こす。

    容易に塩を得ることのできなかった古い時代。山奥の人は薪を川に流す、川下の人はそれを拾って海水を茹...続きを読む
  • 塩の道
    最晩年の講演3編を収録。語り口からして良いです。

    「塩の道」
    製塩法や塩の交易の移りかわり。
    日本では塩は基本的に海水から作る(外国では塩井、岩塩の利用も多い)。単純に海水を煮詰める方法から、揚浜・入浜といった効率的な生産方法がおこり、瀬戸内などで大量生産されるようになる。原始的な少量生産をしてい...続きを読む