宮本常一のレビュー一覧
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あとがきより
「一つの時代にあっても、地域によっていろいろの差があり、それをまた先進と後進という形で簡単に割り切ってはいけないのではなかろうか。」
「私の一ばん知りたいことは今日の文化をきずきあげて来た生産者のエネルギーというものが、どういう人間関係や環境の中から生れ出て来たかということである。」Posted by ブクログ -
私の中でサンカブームがやってきたときに購入。
定住せずにあちこちに居を移し、竹細工をして、川魚を食べ暮らしていた彼らの生活に思いを馳せながら読みました。
人間は結構自由な動物だなと思いなおした本。Posted by ブクログ -
イザベラバードの紀行の原文を読もうと思ったことがあるが、なかなか難しくて理解出来なかった。
本著はそれをバードが感じた当時の日本文化や習俗について解説をおりまぜて触れているため、とてもわかりやすかった。
日本人がある種醜い人種とされている一方で、アイヌ民族にバードが共感を得ているところが驚きだっ...続きを読むPosted by ブクログ -
すべてを手放しに称賛することはできないけど、善悪で判断しない、法律で線引きしない世界には、現代にはない豊かさがあると思った。教育や開墾が何をもたらし、何を失くしてしまったのか、考えるきっかけになる本。Posted by ブクログ
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私の好きな池澤夏樹が企画し編集したこの文学全集の中でも、取り上げる対象が南方熊楠、柳田國男、そして宮本常一というこの表紙だけで、購読を決めた。
宮本常一という人の、日本にかつてあった人々の普通の暮らしを描きとり、描写のみならずそこから俯瞰して、その後の発展との関係を導く巧みさ。Posted by ブクログ -
バードの『日本奥地紀行』を、つっかえながら、しかしもう半年以上、読み終えられず。
今、青森あたりを、バードとともにうろうろしている(苦笑)。
いや、読みはじめたら面白いと思うところもあるのだが、なかなか手が伸びない。
これを打開するには、優れた先達あれ、と思い、本書を手にする。
この本を読むと、バ...続きを読むPosted by ブクログ -
81年の本をまとめ直して05年に出版。小さく読みやすい。
稲作は東南アジア・南方から伝わってきた。
日本に稲作が伝わってきた時代、朝鮮半島ではまだ行われていなかった。
「旧唐書」日本は倭国を併した→倭国と邪馬台国は別。Posted by ブクログ -
柳田に続く民俗学者として、名前だけはよくよく知っていた人。
でも、実は何も知らなかった人。
勝手に、流浪の人のイメージだったけど、そうではなかった。
聞き書きの部分も多いのに、客観的なきちんとした印象の文体だった。それでいて、対象を突き放しているわけではない。
地に足がついているというか、民を深く理...続きを読むPosted by ブクログ -
「忘れられた土地」という副題のとおり、離島、山間部、北海道開拓地の人々の明治から終戦直後の苦労を聞き取ってまとめた話。書かれたのは昭和35年。
北海道のクマ、蚊、霜、冷害の話は壮絶。Posted by ブクログ -
むかしの人がどのように働いて、どのように生きてきたか、働き方の移りかわりと生活の移りかわりを紐づけながら追いかけた宮本常一の本です。
それぞれの時代、それぞれの地域の人々が、その時代その地域に合わせてなんとか食いぶちを作ってしぶとく生きてきたのだというのが印象的でした。昔からそうであったようにこれか...続きを読むPosted by ブクログ