宮本常一のレビュー一覧

  • 塩の道
    うらカバー
     宮本常一、最晩年の講演
      「塩の道」 「日本人と食べ物」 「暮らしの形と美」。
     日本人の生きる姿を庶民の中に求めて村から村へと歩きつづけた著者の膨大な見聞と体験が中心になっている。
     日本文化の基層にあるものは一色でなく、 いくつかの系譜を異にするものの複合と重なりであるという独自...続きを読む
  • 日本文化の形成
    宮本常一の未完の遺著である。柳田国男の『海上の道』とおなじくらい壮大な意図をもって書かれた書物と思われる。したがって柳田の同著と同様に、民俗学の通常のテリトリーを超え、むしろ歴史学に近づく。ただし宮本は柳田の仮説よりはもっと常識的な範疇で提言している。
    この本で説かれている、たとえば稲作・畑作の伝来...続きを読む
  • 民俗のふるさと
    この本はこれまで私が読んできた他の宮本常一の本たちと、ちょっと様子が違う。
    民俗学は民俗学なのだが、俯瞰的・通史的な観点が入って、歴史学的な著述となっているのだ。町や村の「なりたち」を問うということは、継起した事象の因果関係を追うことであり、それを体系化していくと民俗学とも人類学ともちょっと違う場所...続きを読む
  • 山に生きる人びと
    宮本常一の民俗学は、柳田国男のそれとちょっと似ているが、より庶民的な風景を描き出す点が異なる。
    柳田民俗学は学術的というよりしばしば随筆的で、文体は極めて文学性が高く、凝縮されたものだった。それに対し、宮本常一の本はずっと平易で、親しみやすい。その文体が、名もない庶民の民俗誌を描出しようとする彼の民...続きを読む
  • 塩の道
    『塩の道』は、
    Ⅰ 塩の道
    Ⅱ 日本人と食べもの
    Ⅲ 暮らしの形と美、
    初出は昭和54〜56年で、最晩年に行った講演だそう。
    とても読みやすい。

    そんなに昔でないはずなのに、
    知らないことがたくさん書いてあった。
  • 日本文化の形成
    なにかのきっかけで、この本であんなことが書いてあったな、
    と思い出せるように頭の引出しの中に入れておけたらいいな。

    古代の日本での、稲作の伝来ルートや、人の移動、農耕など、
    人々の生活のありようがどうであったかを記した本です。
    「秦氏」は侵略によって文化を運んできたのではなく、
    必要とされることで...続きを読む
  • 塩の道
    宮本常一の晩年の書である。「塩の道」、「日本人と食べ物」、「暮らしの形と美」からなる。「塩の道」は製塩・釜を作った製鉄・燃料を提供した木材・牛馬での移送などの産業ネットワークを論じている。「食べ物」では、ソバ・トウモロコシ・米・サツマイモ・魚食などを論じている。「形と美」では、家のデザインが舟から来...続きを読む
  • 日本文化の形成
    民俗学に関する本としては読みやすく、スラスラと読んでしまいました。内容に関してはどこまで真実なのかさっぱり分からず。