宮本常一のレビュー一覧
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南方熊楠の論文は初めて読んだが、大変ロジカルであり、また先駆的な手法に基づいた内容であると感じた。さすが天才たる所以だと思う。
「死者の書」は、飛鳥時代を舞台にしながら素晴らしいリアリティ。文学作品として非常に質が高いと思う。
「土佐源氏」も同様。ノンフィクションとはとても思えない高度な短編小説とし...続きを読むPosted by ブクログ -
時代は循環しながら発展していくと言われるもので、高度経済成長時期を過ぎ、人口の減退期にある日本では、自然農やマクロビオテックといった動きが、昔ながらの地方の田舎の暮らしをモチーフとしたイメージ作りとともに、一部で力強いムーブメントとなっている。心理的な側面として、現代社会に対して多くの人が食や経済や...続きを読むPosted by ブクログ
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青春18切符で旅行中、移動の電車の中で読みました。
地域に生きた人の生業が地域をつくってきて、その軌跡を思い浮かべながらの電車旅。旅行に持っていってよかった。
企業に雇われ働くようになったのはたったここ1世紀の話。
常に貧困と隣り合わせの中で、必死に働き、仕事をつくり日本人は生きてきた。どのよう...続きを読むPosted by ブクログ -
塩が貴重だった時代、山に住む人にとっての塩。
その塩を活用するための日本人が編み出した暮らしに密着する知恵と工夫。
「日本人と食べもの」の内容に関心がありましたが、どの章をとっても、どの節をとっても、得るものが多かったです。Posted by ブクログ -
江戸時代以前は、藩や国の単位で往来が制限されていた、、というのは武家社会の話で、農民や商人といった一般層はかなり自由に行き来していました。街道とは別に赤線と呼ばれる山間の道を通って、博労や女衒といった人身売買も盛んに行なわれていました。
人身売買というと物騒な雰囲気ですが、戸籍制度が整備される以前...続きを読むPosted by ブクログ -
日本の村と町の様々な仕事の変遷を描いている。山、村、海辺、町での様々な職業をその起源から説き起こし、更に著者が各地を旅した時の見聞を散りばめているので説得力が有る。ちょっと前のほとんどの日本人が、色々な生業に携わり、ぎりぎりの生活をしていたというのに驚かされる。明治以降の新しい産業の担い手が、農村に...続きを読むPosted by ブクログ