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柳田国男・渋沢敬三の指導下に、生涯旅する人として、日本各地の民間伝承を克明に調査した著者(一九〇七―八一)が、文字を持つ人々の作る歴史から忘れ去られた日本人の暮しを掘り起し、「民話」を生み出し伝承する共同体の有様を愛情深く描きだす。「土佐源氏」「女の世間」等十三篇からなる宮本民俗学の代表作。 (解説 網野善彦)
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Posted by ブクログ
明治から戦後すぐのあたりまでの、農村の生活や庶民の暮らしぶりを伝える名著です。 舞台が四国、山陰、東北などということもあって、暮らしは質素で貧しい。 その中にあっても、素朴にして明るく、そしてたくましく生きてきた庶民の生活や営みが生き生きと描かれています。 当時の日本の地方部って、ある意味では民話の...続きを読む世界だったんだな。 興味をそそられたのは、夜這いや性にまつわる話が頻繁に出てくること。 性に宗教的タブーのなかった日本ならではの現象かもしれませんが、老人が昔の思い出として夜這いのことを語るさまや、農作業での女性の明るいエロ話など、性に対する疚しさは感じられず、むしろカラッとした解放感が見られるのが面白かったです。 タイトルは「忘れられた日本人」ですが、むしろ今の日本人が忘れているものは、本書で随所に見られる明るさやたくましさなのかもしれません。
匿名
何気なく読んでみた本であるが、非常に興味深い内容で、すぐに読み終えてしまった。現代の都会に住んでいると、決して知ることのない村の生活について知れて、視野が広がったように感じる。
#タメになる
大変面白く、そして貴重な本だと思う。 山あい、海っぺり、日本各地にあった貧しい集落で精一杯生きてきた民の記録。やれることに限りがある中で、日々の楽しみを見出し、やるべきことをやってきた人生。現代人にはなかなかないワイルドなエネルギーがぎっしり詰まった、まさに「忘れられた日本人」がいる。 何度か挫折...続きを読むした本だったが、10数年ぶりに手に取ったらスルスル読めた。どういう事かはわからないが、これが「機が熟す」ということなんだろうか。
日本の歴史のある時期のなかなか語られない部分が知れて面白かった。 未だに名残が残っていること、消えていったこと、自分の時代もこうして変わっていくのだろうなあ。この辺りの時代の小説を読むときにも想像の手助けにもなりそう。
記憶に残るようなニュース性のある大きな出来事だけが歴史ではない。そこで語られない大衆の生活も歴史の基本であり、それを研究するのが民俗学であり民俗史である。という事で、歴史関係の書籍から零れ落ちそうな真の日本人、忘れられた大衆に目を向けるのが本書、という内容で抜群に面白い。 ただ、非常にエロい。そう...続きを読むか日本人は性に開放的だったのかという事で、これは間違いでは無さそうだが、少し実体験に沿って考えてみる。 とある仕事の関係で、業界の会合の話を聞いた。そこは、同業他社が集結するため、いわゆる公正な取引に反しないよう「話してはいけない事」というルールが存在する。そうするとマーケットの話などは軽々しくできないので、自ずと仕事の話がしにくくなって、政治、芸能、スポーツなどの共通の話題を探さざるを得ない。しかし、いずれも好みがあるもので、贔屓のチームや政党と異なるリスクもあって、発言を慎重に選ぶ必要がある。そこで行き着くのが「猥談」なのだという。割と古い業界の会合では男性が多いので、共通の話題としてシモの方向に流れやすいのだ(それでも駄目だと思うが)。 つまり、同一化されぬ部外者への伝承に際しては、そのサービス精神からも話題として「猥談」が選ばれやすいという背景はないのだろうか、という話だ。祭事、習俗、農作業なども含めた文化が日常生活に占める割合は大きいが堅苦しい。だからと言って、何か客人が喜びそうな話と言っても、これといってない。同根のことかと思うが、結局、集団が同質化していく過程でのシモネタと、部外者への伝承過程において選ばれるシモネタは、いずれもある種の娯楽性とサービス性において選択されがちなものである。という事で、民俗学はエロ本化していく・・(個人的見解)。 イザベラバードの『日本紀行』のように、そうしたシモネタが排除されて習俗が伝わる書籍もある事を考えれば、やはりある種の偏りが生じる事は仕方ないのかもしれないし、しかし、その偏りこそが面白いのかもしれない。 一応、私が一番面白いと感じたのはこうしたシモネタの部分もそうだが、「寄りあい」(まじめなやつ)の話だったという事は書き残しておきたい。
農業など前近代的な社会を私たちは下に見てしまう傾向があるように思えた。しかしその社会には知恵と工夫が張り巡らされていて、人々の繋がりも深い。 わたしも農業やりたい!この時代に生きてみたい!と思えるような本だった。
老人達の語りが印象的だった。自分でも、年長の人の言葉に耳を傾けようと思った。 当時の人々の感覚(の気配)が感じられた気がする。 当時の人々の感覚は、現代の我々の感覚とは隔絶している。この本がなければ知ることもなかっただろう。 肌触りのある本だった。旅に出たくなる。
とても興味深く読んだ。しばらく前に100分de名著で放送されており、その際に面白そうと思って購入していたが、読めずにいた。今回、機が熟して読んでみたが、想像以上、期待以上に面白みを感じた。 東日本で育ち、東日本を出たことのない身としては、違和感があったがそれも、東と西では違う、とのことで納得。伝承者...続きを読む、というにはあまりにおおらかな土地の人々の話は、つい笑顔になってしまうような話が多くあった。 油を売る、という言葉が当時当たり前だったけど、それを文字で説明することの意義。そんなところで、ふと、子供の頃、トマトに砂糖をかけて食べる、ということを職場で話した際の皆の反応が面白かったことを思い出した。私にでさえ、既に記憶の中だけの風習、習慣ってあるものだ。それを学問にするかどうかは別として、私たちと同じように一生懸命に生きて亡くなっていった人々がいて、今の私たちが存在するのだと当たり前のことだけども、感じた。 文字を知る人と知らない人とでは話し方、考え方が違うということも興味深かった。もはや、日本に住む私たちは文字を知らない人と話す機会はほぼない。ということは、文字を知らない人たちの思考も知らぬままに生きていくのだ。それは誇りでもあるし、私自身が書くこと、読むことで人生を豊かにしていることを考えると複雑な気持ちになるのだが、多様性といいつつも、つまらぬ時代だなと思う。 民俗学というと、柳田國男のイメージでほんわかとしていたが、もっと知りたいと思うようになったし、時代を書き記すことの意義を強く感じられた。
読んだと思い込んでたけど読んでなかったっぽい。 NHKの100分de名著はよいまとめ方だったんだなぁと改めて思ったけど、常一のお父さんが常一に伝えた旅をするときの注意点は別の本からの引用だったんだな。あれ、ちゃんと読み直したい。 それにしても、文字を知らない民は人を信じるしかなかったとか、歌で覚え伝...続きを読むえたとか、オングを思い起こさせられる。常一のおじいちゃんが動物や虫をいじめちゃいけないよ、と諭すありかたなど、愛おしくグッとくる。また、己の日々の生き方を考えさせられてしまうな。
村落自治に民主主義の祖型あり
司馬遼太郎「私の三冊」の一冊。主に江戸期から昭和30年頃までの西日本における村の暮らしを当事者インタビューで描く📝昔の村落の運営は、直接民主主義に基づき、皆対等な立場で様々な知識を持ち寄って熟議を凝らし、意見対立による禍根を未然に防いでいた。これは民主主義の本来のあり方を示唆する。令和の民主主義は、...続きを読む論破至上主義とSNS上の罵倒の連鎖から、著しい断絶を生んでいるが、民主主義自体を憂うのではなく、その劣化を憂わななければなるまい📝それにしても「土佐源氏」の後家ハンターぶりは凄い。男は女に対して、例え体目当てでも、心から寄り添って、存分に甘えさせれば、そこに偽りの愛ではなく真実の愛が生まれるようだ📝
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宮本常一
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