ロバート・B・チャルディーニのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小ネタ満載。自己啓発本感が前作よりも増している。
説得を科学的に行う術がたくさん書かれている。サービス業や営業で使えそうなものばかり。
説得だけでなく、リーダー論も展開されており、それがより一層自己啓発本の成分を高めている。
一方で、子育てや教育に使えそうなものも散見される。面白いと感じる読者層は非常に幅広いだろう。
60個の実例をあげつつも、根本の理論は共通していることも多い(一貫性の原理など)
根本の理論については、前著の「影響力の武器」をぜひ読んでいただきたい。
へたな恋愛テクニック本を読むよりも、普遍的に相手に好意を持ってもらう術が盛り込まれている本書を読み込む方が良いかもしれ -
Posted by ブクログ
返報性
相手に好意を示すと、相手も好意で返す。
付箋にメッセージを書き添えることで、返信を増やせる。
キャンディーを渡すとき、もう一回戻って渡す=特別感を出す、とチップが増える。
先に与える=すでに寄付をした、と言ってタオルの再利用を求める。
与える側は、だんだん与えた事実の価値が高まる、貰ったほうは、直後が一番高い。恩恵を与えた直後に、求める。
希少性
日付が違う土産物(誤植のもの)は価値が出る、と考える人が多い。
コカ・コーラが新しくなった時、オールドコークを求める声が多くなった=失いそうなものの価値が高かった。
ブラインドテストでは、ニューコークのほうが評判が良かったにもかかわらず。新 -
Posted by ブクログ
人間が物事を判断するときに影響されうる大きな要因を心理学からわかりやすく解説する。
恩義、整合性、社会的な証拠、好意、権威、希少性、これらの6つの状態を人は手早く判断することで時間を使って考え込まなくていいようになっている。行動経済学でいうヒューリスティックスなのだが、その単語はここでは出てこない。
これらを悪用したパターン。
恩義:まずプレゼントを渡してから要求する。無理なお願いをして、それを譲歩する形で貸しを作る。
整合性:言わせてからやると言わないでやるよりも有限実行しようとする。
社会的な証拠:他の人を見てからやる。チップの瓶に先に金を入れておく。TVの無駄な笑い声。
好意:友達の紹介 -
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Posted by ブクログ
「人はなぜ動かされるのか」を6つの視点から解説している。「返報制」「一貫性」「社会的証明」「好意」「権威」「希少性」など人間の自然の動きから読み取った行動パターンだ。気になるのは「社会的証明」という周囲の人が行動していると、自分も周囲の人と同じように感じ、口コミやレビューによって影響する心理的現象だ。現代は特にSNSの情報拡散で、フェイク情報でも一般的に広まると思い込みが生まれ、何故か同調、確信するようになることだ。また、皆と一緒という安心感と情報過多から生まれるめんどくさいという習慣が、つい手早く済ませたい一心で人は信じ動かされてしまうことが頻繁に起こる時代となった。それを防ぐ方法は自分の知
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Posted by ブクログ
人の心を動かし、承諾を得るためには、何をすればいいのか?説得に関する科学的研究をもとに、「イエス!」を引き出す秘訣の数々を、豊富な実例を挙げて解説した書籍。
説得の心理を理解し、科学的に有効な方法を使えば、人を説得できる。その方法とは、例えば、次のようなもの。
・商品について複数の選択肢を検討する時、消費者は「妥協の選択」を行い、最小限必要なものと最大限手に入れたいものの中間を選ぶ傾向がある。よって、高価な商品を先に提示すると、中間価格の商品の魅力が高まり、売れ出す。
・面接などの選考の場では、審査を受ける順番が結果に影響を及ぼすことがある。選考プロセスにおいては、始めの方よりも終わりの -
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Posted by ブクログ
革新的な指摘は殆どなかったと思いますが、当たり前と思っていることが丁寧に解説されていたので、かえって「なるほど」と思う箇所が多かったように感じます。
人に影響力を及ぼす場合に鍵となるポイントを、6つに分けて紹介されていました。
そのどれもが、判断を機械的に下すことで、省力化や時間短縮(自然界では瞬発力が生死を分ける場合もある)を図るという意味で、本来は有意義に機能していたもので、それを逆手に取って悪用する人たちに対抗するという目的を持って書かれているようでした。
6つのポイント――なにが人の意思決定に影響を与えるか
恩義(試食や試供品、賄賂)
整合性(振り上げた拳、約束、表明した意思)