黒川祥子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
虐待を受けた子供達のその後がテーマということで気になり、読んでみました。
私自身祖父から中学1年生まで虐待を受けて育ち、未だに祖父の残影と戦いながら生きています。
本書を読んで1番最初に抱いた感想は、自分はまだマシな環境にいたんだなぁでした。自分自身がここまでの環境にいたらと思うととてもじゃないですが耐えられないだろうと。それと同時に、私自身の生きてきた境遇も誰かからしたら耐えられないものなのだろうと感じました。
虐待を受けると自分が受けてきた理不尽を理不尽だと思えない。だから全て諦めて受け入れてしまう。殴られるのも嫌なことを言われて苦しい思いをするのも、生まれてきてしまった自分が悪いのだか -
Posted by ブクログ
色々な家族がいるなぁ…と知れて興味深かったですねぇ…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
中年のひきこもりを抱えている家庭の共通項? と言えば親が金持ちなことですな…だからこそ、引きこもり一人抱えてもそんなに家計には響かないし、まあ、余裕があるってことですなぁ…。
しかし、金稼げて社会的な地位も高い親だからこそ、子供を自由自在にしたくなるのか、ああしろこうしろと口やかましく言うみたいですね…放置、ということができないんですな…。
それで子供は親の言いなりになって…しかし、心の中では反発心もあって…中年になっても家族の問題で頭を抱えている人らがたくさん居るようですな…。
まあ、そんなア -
ネタバレ 購入済み
面白いです
面白いといっては語弊がありますが、児相関連全て(虐待、ネグレクト等々)の書物の中で1番興味深かったです。
特に明日香ちゃんの章が養育親さんのやり切れなさか伝わってきてとても良かったです。
ただいくら愛されずに育ったとはいえ明日香ちゃんだけは生まれ持った気質かと思います。
他の養育子と比べるとですが。
漫画、ノンフィクションの児相書物で1番読み応えがありました。お勧めです。
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Posted by ブクログ
黒川祥子『心の除染 原発推進派の実験都市・福島県伊達市』集英社文庫。
まるで伊達市に住む人びとをモルモットとして扱うような行政のやり方に怒りがこみ上げてくるノンフィクション。
東日本大震災の福島第一原発事故の核爆発により(水素爆発というが、あれは明らかに核爆発だろう)、大量の放射性物質が降り注いだ福島県伊達市。当初は『除染先進都市』として先陣を切って市内の除染に着手したが、いつの間にか行政側は放射能汚染を過小評価し、市内の7割を占める地域の全面除染を放棄する。
明らかに放射能汚染が見られるのに、わざと放射線量を小さく見せて、住人の健康被害など無視するかのような行政に怒りを感じた。まさに今 -
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学校PTAに疲れた1人のお母さんのもやもやから、取材を重ねるうちにPTAの成り立ち、組織、そして知らないうちに全日本1700万人の親たちが巻き込まれている謎の組織の存在意義が明らかに…!
なんでやるのか理由もわからない、意味不明、非効率なPTA活動、そもそもPTAって必要なの?というところから、「実はPTA加入は任意」という、ほとんどの親が知らなかった驚愕の事実が発覚。
もともと敗戦後、GHQが日本に民主主義を根付かせるために導入したPTAだが、占領統治が終わった後は速やかに文科省配下の団体として教育行政の三位一体(国、学校、地域と家庭)の一角と位置付けられる。
民主的なプロセスと、国家 -
Posted by ブクログ
虐待・育児放棄・性暴力などの過去を持つ子供らのその後を載せたノンフィクション。
あなたが思うほど、虐待された子が抱える闇は深く、周りがサポートしても到底消せないぐらいに巨大だ。
まず、虐待は物理的な傷だけでなく、精神を蝕む傷を生む。
幼少期という発達の段階で虐待を受けた子供はその後、障害を抱えたり、一般人が行っている普通の社会生活を送れなくなる。
例えば、常に親からの罵倒や暴力を受けた子は24時間もの間緊張状態を維持する、辛い現実を忘れるために無意識に意識を飛ばす、根元的な損失を埋めようと自分に虐待を行使した親に愛を求め続けるなど。
体に一生消えない傷が残り、その傷が脳や精神の構造を大きく歪め