あらすじ
会員数約1000万人を誇るPTA。だがそれは「卒業してよかったと心から思える」組織だった……役員が決まるまで帰れない恐怖の保護者会。パート賃金以下のベルマーク活動。問答無用、平日昼間にかけられる招集。学校から検閲される広報紙作成。時代錯誤、理不尽のオンパレードだ。いつ、どこで始まり、なぜ続いているのか、そもそも何のためにあるのか――謎の日本最大規模組織・PTAの存在を根本的に問い直す。
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Posted by ブクログ
学校PTAに疲れた1人のお母さんのもやもやから、取材を重ねるうちにPTAの成り立ち、組織、そして知らないうちに全日本1700万人の親たちが巻き込まれている謎の組織の存在意義が明らかに…!
なんでやるのか理由もわからない、意味不明、非効率なPTA活動、そもそもPTAって必要なの?というところから、「実はPTA加入は任意」という、ほとんどの親が知らなかった驚愕の事実が発覚。
もともと敗戦後、GHQが日本に民主主義を根付かせるために導入したPTAだが、占領統治が終わった後は速やかに文科省配下の団体として教育行政の三位一体(国、学校、地域と家庭)の一角と位置付けられる。
民主的なプロセスと、国家や学校と対等な立ち位置という立て付けなのだが、内実は、国からの通達を受け取って遂行する下請け御用組織のような側面も。
そうなると、戦時中に国家統制の一環でお母さん達が駆り出された奉仕団的な容貌を帯びてくる。つまり、強制的な奉仕労働、上意下達の下部組織である。
著者はPTAにそういう名残を感じ、家庭が国家統制に巻き込まれるアクセス源のような存在に危険を感じている。
PTAについては諸論あると思うが、基本、活動自体にそんなに実質意味のあるものはそんなにないと思う。記念品を贈ったり、行事のサポートをするだけなら単体でお金やボランティアを募れば良い。
ただ、行政的にはないと困る。会議や行事に出席して地域の声や住民の立場を代表してくれる存在がいないとカタチが作れないから。そしてその人たちはいろいろ意見や文句を言う人たちではなく、シャンシャンで従ってくれる人が良い。慰労会や上りポストも用意している。
だから戦後PTAが続いているのだ。
著者が言う、純粋任意で参加自由が良いというご意見だが、これに関しては△である。
それだと、PTA自体がアッサリ消滅する学校もたくさんできると思う。で、何か必要がある事案に応じてゼロベースで団体や組織を立ち上げることになるのだろうが、それをいち父兄や少数の有志でやるのは結構大変である。
あとは、会員が激減したPTAを少数の有志が回すということだが、そうすると残った人たちの負担がアップするし、フリーライダー(会費も会運営の負担も担わず、楽しいイベントの参加や記念品だけはもらう人など)にモヤモヤするはめになる。
インター校では自由参加PTAだが、それこそ全校生徒の1割くらいの父兄でかつかつ回っている状態。
卒業式のコサージュを貰えるかもらえないかなんて、あー煩わしい。寂しくっても、記念品やイベントを減らしてみんながリラックスして関われないものか?
Posted by ブクログ
一言でいうと日本PTA全国協議会で専務理事した高尾展明さんがクソみたいなやつだと指摘している本。そして進化をやめたPTAはいらないのが共通認識みたいね