荒このみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2度目の結婚の理由がお金のためということには驚かされた。しかも相手は妹の婚約者。そこまでしてでも守りたいものを守ろうとする必死さは、いかにもスカーレット。
南北戦争が終わり、南部側から見た北部の人々の様子が描かれている点も印象的だった。歴史の授業では「北軍が勝利し、奴隷解放が実現した」という流れで学んだが、解放後も北部の人々が黒人を見下していたり、自分たちの都合のよいように利用しようとしていたりする姿が描かれ、単純に「よかった」とは言い切れない。さまざまなことを考えさせられる。
戦争によって飢えや貧困を経験し、「もう二度とあんな思いはしたくない」という強い思いを原動力に生きるスカーレット。そのエネルギーが、スカーレットを突き動かしている。
物語を通して改めて感じたのは、やはり戦争は決して良いものではないと思う。
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Posted by ブクログ
(全6巻あわせての感想です)
とにかく自由奔放なスカーレットがかっこよかったです。アメリカ南北戦争前後に起こった価値観の変化の中で、女性であることをハンディキャップにせず、激動の時代をたくましく生き抜いていく彼女の半生は読んでいて楽しかったです。後に奴隷制度を肯定しているような記述が問題になったらしいですが、そういう時代だったんだから仕方ないと思います。
訳に関しては読んでいて特に気になるところはありませんでした。旧訳も新潮文庫版の訳も、もちろん原文も読んだわけではないので大したことは言えないのですが、自分にとってはこの程度の読み易さであれば十分満足です。
むしろ気になったのは本文以外の編集で、全体で第一部から第五部の構成なのになぜか全六巻になっている点はまだいいにせよ、各巻の冒頭にあるネタバレ満載の主要登場人物紹介は何とかならなかったのでしょうか。話の流れに合わせて各巻で記載を変えるくらいの配慮はあってもよかったのにと思いました。また巻末の訳者解説も、力作ではあるのですがさすがにちょっと長すぎる気がします。そういう意味ではこの岩波文庫版は、初読の人が純粋に物語を楽しむためのものというよりは、原作の背景などをより深く調べたい人向けの研究本・資料本といった位置付けなのかなあという気がしました。 -
Posted by ブクログ
出色のヒロイン、スカーレットの物語は、過去に読んだアイン・ランドの「肩をすくめるアトラス」にあった次の一文を思い起こさせる。
「円は自然にかなう運動であり、私たちの周囲の無生物界にあるのは円運動だけだと人は言うけれど、直線が人間の記章なのだ、と彼女はおもった」
スカーレットは行動する。摂理にかなう円運動ではなく直線を引こうとする。彼女の直線運動はたいていの場合、惨めで呪わしい結果を生む。愚かなのだが愛さずにいられないのは、愚かさゆえ。
よりどころ、たよるべき人を貪欲に求めて鞍替えしていく姿は、浅ましい。だが悪徳も魅力と思わせる描き方がされている。彼女の生き方が呼ぶ波紋を通して、南北戦争前後のアメリカ社会を知ることができる。
また一方で2つの比較、豊かなタラ農場の土の匂いと、興っては滅びそしてまた復興する人工的なアトランタの街との、対照が鮮やか。たしかなものは大地のみであり、スカーレットの生きた証である直線運動も、俯瞰してみれば円運動なのだという気がしてくる。
本書は荒このみさんの訳が小気味良い。また各巻の解説が充実しており、これを読むためだけでも、岩波文庫を選択する価値があると思う。 -
Posted by ブクログ
名作と言われる小説で手をつけようとしたのは外国小説を読みたかったから。
スカーレットの性格と私自身の母の性格が瓜二つだと察知。読んでいて、恥ずかしくなるような、嫌になるような感じでした。母、娘の関係性というものは難しく、私は利己的で勝気な性格の母が昔から嫌いでした。
今や母は認知症で施設にいますが、
束縛を嫌がり、外に出たがる所はスカーレットそのもので、思い通りにならないと怒ります。
花瓶を投げてしまう様なところでレッドバトラーが惹かれるシーンは、ただの短気な女性としか見えませんが。どこが良いのでしょうか。
私にもその血が流れていると思うと、
似ているからこそ目を背けたくなるのかもしれません。
物語としてはアメリカの歴史に触れられるので
これからに期待して星3にします。 -
Posted by ブクログ
自分の子どもをまったく愛せず、夫が亡くなっても少しも悼むことのないスカーレットがすごいなと思う。まだまだ遊びたい、ちやほやされたいという虚栄心の強さが際立っており、そもそもなぜ結婚したのだろう、と普通に疑問に思ってしまった。
それもスカーレットの良さなのか。
また、この巻では南北戦争の犠牲の大きさも描かれている。アシュリーやレットは南部の敗北を感じ取っているが、残された人々は南部が勝つと信じ続けている。この対比に、戦争の恐ろしさを感じた。前線にいる兵士たちは、日々の戦いの中で戦況を肌で感じ取ることができる一方、後方に残された人々は新聞の情報を信じるしかなく、意識が方向づけられていく。
この巻は、スカーレットの話だが、戦争そのものについても深く考えさせられる内容だった。 -
Posted by ブクログ
まだ物語は始まったばかり。
スカーレットの性格は極端だ。女からは嫌われるのは当然だが、周りの男も本来の姿を知らずにいるのは馬鹿だろう。
どうなるのかわからないけど、この性格が良い方向へ転べば、現代的な女性の価値観を持って共感できそうだが。
とにかく、この巻ではスカーレットは馬鹿女だった。子供だった。
この歳まで、風と共に去りぬは、小説も映画も観たことがない!
知っていることといえば、映画のジャケットのヴィヴィアン・リーと、黒髪黒ひげの男性、そして「明日は明日の風が吹く」。
現在は「明日というのが日がある」と訳すらしいが。
クラーク・ゲーブルがにやけた濃いおじさんで映画を観る気がしなくて。
でも、読み終えたら、鑑賞する。
まず、翻訳選びで迷う。新潮文庫か岩波文庫か。
検索していくつかの意見を読んだり、文章の出だしで、なんとなく岩波文庫の方が合ってるかなというのと、簡単な登場人物紹介、地図、解説、年表、注釈と、付属がたくさんついているので選んだ。
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Posted by ブクログ
アフリカから奴隷としてアメリカに連れてこられた黒人が、アメリカという国家の中にあるが、白人と同等の権利を得られないことでアメリカ人になることができず、「アメリカの黒人」として存在せざるを得ない、ということについて、「アメリカの黒人」の誕生の様子を南北戦争前後の時代の文学作品から分析したもの。ストウ夫人の『アンクル・トムの小屋』や、ヘイルの『リベリア・またはペイトン氏の実験』などが取り上げられている。
奴隷解放論者は、奴隷を解放することには賛成だが、「アマルガメイション」は望んでいない、という事実が驚きだった。「奴隷を解放すること=黒人と共生すること」とは絶対になっていなかったということがよく分かった。リベリアという国がアメリカの黒人移住計画の地であったことを知ったのも驚きだった。さらに、『ブレイク・またはアメリカの小屋』を書いたディレイニーが、現実の状況に直面しながら活動の方向転換をしていったことや、白人の黒人に対する心理など、興味深い部分がたくさんあった。(10/08/04)