荒このみのレビュー一覧

  • 風と共に去りぬ (一)

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    (全6巻あわせての感想です)

    とにかく自由奔放なスカーレットがかっこよかったです。アメリカ南北戦争前後に起こった価値観の変化の中で、女性であることをハンディキャップにせず、激動の時代をたくましく生き抜いていく彼女の半生は読んでいて楽しかったです。後に奴隷制度を肯定しているような記述が問題になったらしいですが、そういう時代だったんだから仕方ないと思います。
    訳に関しては読んでいて特に気になるところはありませんでした。旧訳も新潮文庫版の訳も、もちろん原文も読んだわけではないので大したことは言えないのですが、自分にとってはこの程度の読み易さであれば十分満足です。
    むしろ気になったのは本文以外の編集

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    2021年04月17日
  • 風と共に去りぬ (六)

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    出色のヒロイン、スカーレットの物語は、過去に読んだアイン・ランドの「肩をすくめるアトラス」にあった次の一文を思い起こさせる。

    「円は自然にかなう運動であり、私たちの周囲の無生物界にあるのは円運動だけだと人は言うけれど、直線が人間の記章なのだ、と彼女はおもった」

    スカーレットは行動する。摂理にかなう円運動ではなく直線を引こうとする。彼女の直線運動はたいていの場合、惨めで呪わしい結果を生む。愚かなのだが愛さずにいられないのは、愚かさゆえ。

    よりどころ、たよるべき人を貪欲に求めて鞍替えしていく姿は、浅ましい。だが悪徳も魅力と思わせる描き方がされている。彼女の生き方が呼ぶ波紋を通して、南北戦争前

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    2016年04月29日
  • 風と共に去りぬ (六)

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    映画が有名なので読んでみました。
    アメリカの南北戦争が起こっているときに、南側に住むスカーレットが古い風習に縛られず心のままに自由に生きようとする話。恋愛に関してはめちゃめちゃにすれ違ってしまう。最後はすれ違いが戻ることなく別れてしまったけれどそれもリアル。

    話が丁寧な分、長いのでそのあたりがちょっとだれるかなという感想です。でも面白かった。映画はたぶんだれる部分をカットして面白いところを抜粋したんだろうなと思います。

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    2022年09月24日
  • 風と共に去りぬ (一)

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    父のアイルランド気質を強く受け継いだスカーレットが、動乱の時代を強く逞しく生き抜く物語。映画では本当に短くしか取り扱われていない箇所だが、父や母の出自まで細かい描写があり、時代背景を知ることでより理解を深められるような気がした。
    p254「われわれ南部人の問題は、旅行をあまりしないこと、旅行をしてもその経験を十分に生かさないことです」という言葉が心に刺さる。何を見て何を学ぶかを大切にしたい。

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    2021年04月28日
  • 風と共に去りぬ (二)

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    相変わらず、メアリーの聡明さと比較すると、スカーレットは…
    ただ、年齢を考えると仕方ないかもしれない。
    まだ、10代だもんね。

    アンナ・カレーニナを読んだ時のような苛立たしさがある。
    この後の展開に期待する。

    簡単な登場人物紹介、地図、解説、年表、注釈付き。

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    2017年10月28日
  • 風と共に去りぬ (一)

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    まだ物語は始まったばかり。
    スカーレットの性格は極端だ。女からは嫌われるのは当然だが、周りの男も本来の姿を知らずにいるのは馬鹿だろう。
    どうなるのかわからないけど、この性格が良い方向へ転べば、現代的な女性の価値観を持って共感できそうだが。
    とにかく、この巻ではスカーレットは馬鹿女だった。子供だった。

    この歳まで、風と共に去りぬは、小説も映画も観たことがない!
    知っていることといえば、映画のジャケットのヴィヴィアン・リーと、黒髪黒ひげの男性、そして「明日は明日の風が吹く」。
    現在は「明日というのが日がある」と訳すらしいが。
    クラーク・ゲーブルがにやけた濃いおじさんで映画を観る気がしなくて。

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    2017年10月28日
  • 黒人のアメリカ ――誕生の物語

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     アフリカから奴隷としてアメリカに連れてこられた黒人が、アメリカという国家の中にあるが、白人と同等の権利を得られないことでアメリカ人になることができず、「アメリカの黒人」として存在せざるを得ない、ということについて、「アメリカの黒人」の誕生の様子を南北戦争前後の時代の文学作品から分析したもの。ストウ夫人の『アンクル・トムの小屋』や、ヘイルの『リベリア・またはペイトン氏の実験』などが取り上げられている。
     奴隷解放論者は、奴隷を解放することには賛成だが、「アマルガメイション」は望んでいない、という事実が驚きだった。「奴隷を解放すること=黒人と共生すること」とは絶対になっていなかったということがよ

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    2010年08月06日