荒このみのレビュー一覧

  • 風と共に去りぬ (六)

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    レットが娘のボニーを溺愛し、甘やかしすぎてわがままになってしまったのは、スカーレットがレットと結婚した後もなお、アシュレーへの未練が残っていることが筒抜けだったことが原因であると思う。

    最終巻である本書は、スカーレットがレットとの過去を懐かしむ描写、「今までレットは自分を愛していなかったと思っていたが、実は愛していたのでは?」と思う瞬間、盲目的に肯定していたアシュレーへの不満が募るシーンが目立つ。

    また、スカーレットはここに来てようやくメラニーの大切さに気づくのが、グッとくる。メラニーが「もしかしたらスカーレットとアシュレーの関係性、気持ちに気づいていながら優しくしてくれていたら」と妄想し

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    2025年03月19日
  • 風と共に去りぬ (五)

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    アシュリーへの好感度が巻数を重ねるごとに下がっていく。そもそもメラニーと結婚した時、スカーレットが完全に諦めてくれるようにスカーレットを完全に拒むべきだったし、そうでなければスカーレットと結婚すべきだった。そして何より、メラニーほど優しい妻はいないのだから、メラニーを溺愛し、スカーレットを拒絶することだってできたはず。過去に囚われ前に進めないくせに男のプライドも完全に捨てられない、なよなよした性格に苛立ってしまう。そしてこのアシュリーに対する苛立ちはまた、レットの発言によってより強固にさせられるのである。

    もちろんスカーレットもアシュリーが自分のせいで苦しんでいるということになぜ気がつかない

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    2025年03月09日
  • 風と共に去りぬ (二)

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    前巻に引き続き、後書きや注釈が良い。マミーを固有名詞と捉えて読んでいたが、偶然黒人乳母の名前がマミーであったのではなく、普通名詞をあたかも固有名詞のように、「もの」のように扱っている当時の黒人に対する向き合い方が滲み出ていることに気づけなかった。アマルガメーションについてあえて触れていないのは、物語の本筋ではなかったからなのか、触れたくなかったからなのかはわからない。

    レット・バトラーが南部の人々を常に馬鹿にしたような振る舞いは、既に南北戦争の結末を知っている我々にとっては単にムカつく男だとは捉えにくい。むしろ、先見の明があるという魅力を感じてしまうので、彼を無意識に高く評価してしまう。

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    2025年02月17日
  • 風と共に去りぬ (六)

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    「風と共に去りぬ」が長い間愛され続けているのが分かります。 知らぬ間にこの物語に感情移入していたことが読み終わって気づきました。この一冊の中にたくさんの出来事があり、私自身がアトランタでスカーレットたちと暮らしているかのように感じました。読み終わった余韻もすばらしく、また苦みもあります。
    これで物語は完結ですが、これからのスカーレットの人生やレットとの関係がもっと読みたいです。
    これはほんとうに素晴らしい壮大なロマンス作品です!

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    2023年06月23日
  • 風と共に去りぬ (五)

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    ネタバレ

    この巻は父親 ジェラルドの死から始まり、スカーレットのアトランタでの暮らしに焦点を当てて描かれています。世間からの批判を気にせず、スカーレットは3度目の結婚をし、貧困や飢えからは遠い暮らしを始めます。しかし、莫大な富を得た果てにスカーレットの性格がこんなにも変わるなんて。
    でも、この人間臭さが読んでいて刺激的です。

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    2023年03月01日
  • 風と共に去りぬ (二)

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    戦争が激しくなり、風と共に去りぬ⑴とは人々の暮らしが大きく変わっていました。
    レディも豪華なドレスや帽子より勝利を望むようになり、南部の暮らしの大きな変化が描かれていました。
    スカーレットの情熱には今回も圧倒されました。素晴らしいレディだと私は思いました。

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    2022年12月26日
  • 風と共に去りぬ (六)

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    ネタバレ

    出産後、ウエスト20インチ(約50cm)で太いだなんて(笑)

    スカーレットは考えなければならないことでいっぱい。
    その場で感情で言葉を発すると相手を傷つけたり。
    「明日考えよう」今考えると潰れそうになるから。
    そして、ちゃんとその時その時で反省して考えなかったからこんなことに…感情に任せて突っ走りすぎた。

    自分のための行動だと行動力があるのに、周囲の人たちのことについては無視して行動しない。
    メアリーが感謝していることについても、表面は助けていたように見えるが、結局スカーレットは自分のためにしたことだ。
    (それでも大変な目にあってたのだからスカーレットはよく頑張った。メアリー以外の人にはわ

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    2017年10月28日
  • 風と共に去りぬ (五)

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    我が道を行く。
    スカーレットは行動力があり、やるべきことをやったのだけど、やり方がまずかった。

    スカーレットとレットの関係は変わっているけど、どうなるのか。

    実際にスカーレットみたいなのが近くにいたら、何なのこのひと!って思うかもしれない。
    だけど、メアリー目線だと、そんなことも言えない。
    でも、スカーレットは突き詰めれば自分のためにメアリーたちを助けていたのだけど…

    簡単な登場人物紹介、地図、解説、年表、注釈付き。

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    2017年10月28日
  • 風と共に去りぬ (六)

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    荒このみさんには時代背景の理解が必要で今の言葉で翻訳すべき作品を手掛けて欲しい、フォークナーやヘミングウェイやスタインベックや......

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    2016年04月03日
  • 風と共に去りぬ (五)

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    どの巻も同じだが巻末の訳者解説がすごい。この巻のマーガレットミッチェルの生涯を読むとスカーレットはまさに作者本人であることが分かる。面白い。

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    2016年02月20日
  • 風と共に去りぬ (六)

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    出色のヒロイン、スカーレットの物語は、過去に読んだアイン・ランドの「肩をすくめるアトラス」にあった次の一文を思い起こさせる。

    「円は自然にかなう運動であり、私たちの周囲の無生物界にあるのは円運動だけだと人は言うけれど、直線が人間の記章なのだ、と彼女はおもった」

    スカーレットは行動する。摂理にかなう円運動ではなく直線を引こうとする。彼女の直線運動はたいていの場合、惨めで呪わしい結果を生む。愚かなのだが愛さずにいられないのは、愚かさゆえ。

    よりどころ、たよるべき人を貪欲に求めて鞍替えしていく姿は、浅ましい。だが悪徳も魅力と思わせる描き方がされている。彼女の生き方が呼ぶ波紋を通して、南北戦争前

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    2016年04月29日
  • 風と共に去りぬ (六)

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    映画が有名なので読んでみました。
    アメリカの南北戦争が起こっているときに、南側に住むスカーレットが古い風習に縛られず心のままに自由に生きようとする話。恋愛に関してはめちゃめちゃにすれ違ってしまう。最後はすれ違いが戻ることなく別れてしまったけれどそれもリアル。

    話が丁寧な分、長いのでそのあたりがちょっとだれるかなという感想です。でも面白かった。映画はたぶんだれる部分をカットして面白いところを抜粋したんだろうなと思います。

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    2022年09月24日
  • 風と共に去りぬ (二)

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    相変わらず、メアリーの聡明さと比較すると、スカーレットは…
    ただ、年齢を考えると仕方ないかもしれない。
    まだ、10代だもんね。

    アンナ・カレーニナを読んだ時のような苛立たしさがある。
    この後の展開に期待する。

    簡単な登場人物紹介、地図、解説、年表、注釈付き。

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    2017年10月28日
  • 黒人のアメリカ ――誕生の物語

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     アフリカから奴隷としてアメリカに連れてこられた黒人が、アメリカという国家の中にあるが、白人と同等の権利を得られないことでアメリカ人になることができず、「アメリカの黒人」として存在せざるを得ない、ということについて、「アメリカの黒人」の誕生の様子を南北戦争前後の時代の文学作品から分析したもの。ストウ夫人の『アンクル・トムの小屋』や、ヘイルの『リベリア・またはペイトン氏の実験』などが取り上げられている。
     奴隷解放論者は、奴隷を解放することには賛成だが、「アマルガメイション」は望んでいない、という事実が驚きだった。「奴隷を解放すること=黒人と共生すること」とは絶対になっていなかったということがよ

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    2010年08月06日