荒このみのレビュー一覧

  • 風と共に去りぬ (三)

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    南部における白人の裕福な暮らしとは、黒人奴隷の過酷な強制労働の上に成り立っていた。裕福な家で育ったスカーレットは、南北戦争を経て奴隷を失ったタラ農園へと戻った。連合軍が大敗した戦争が終わりつつあるところでこの巻は終わる。南部の敗北により南部は北部の植民地となり連邦によって改革がなされていくのだが、リンカンが射殺された後に大統領となった人物は、南部に融和的で、南部から連邦は退き、その後、ジム・クロウ法などが制定され、それは1960年代の市民権獲得まで続く。

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    2025年12月17日
  • 風と共に去りぬ (一)

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    南北戦争時のアメリカを知ることが出来る。
    奴隷の中でも金持ちの家の屋敷奴隷は貧乏な白人を見下してるのを初めて知った。
    奴隷は酷使されていたと思っていたが、奴隷は大金をはたいて買った財産(奴隷から生まれる子供も)だから、病気にならないよう手当したりなど大切に扱われると書かれていて、衝撃的だった。このことから憶測で物事を考えるのは良くないと思った。

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    2025年11月03日
  • 風と共に去りぬ (六)

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    レットが娘のボニーを溺愛し、甘やかしすぎてわがままになってしまったのは、スカーレットがレットと結婚した後もなお、アシュレーへの未練が残っていることが筒抜けだったことが原因であると思う。

    最終巻である本書は、スカーレットがレットとの過去を懐かしむ描写、「今までレットは自分を愛していなかったと思っていたが、実は愛していたのでは?」と思う瞬間、盲目的に肯定していたアシュレーへの不満が募るシーンが目立つ。

    また、スカーレットはここに来てようやくメラニーの大切さに気づくのが、グッとくる。メラニーが「もしかしたらスカーレットとアシュレーの関係性、気持ちに気づいていながら優しくしてくれていたら」と妄想し

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    2025年03月19日
  • 風と共に去りぬ (五)

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    アシュリーへの好感度が巻数を重ねるごとに下がっていく。そもそもメラニーと結婚した時、スカーレットが完全に諦めてくれるようにスカーレットを完全に拒むべきだったし、そうでなければスカーレットと結婚すべきだった。そして何より、メラニーほど優しい妻はいないのだから、メラニーを溺愛し、スカーレットを拒絶することだってできたはず。過去に囚われ前に進めないくせに男のプライドも完全に捨てられない、なよなよした性格に苛立ってしまう。そしてこのアシュリーに対する苛立ちはまた、レットの発言によってより強固にさせられるのである。

    もちろんスカーレットもアシュリーが自分のせいで苦しんでいるということになぜ気がつかない

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    2025年03月09日
  • 風と共に去りぬ (四)

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    ようやく戦争が終わり、待ち焦がれたアシュリーが遂に帰ってきた。しかし、アシュリーは以前のアシュリーではなく、「この世の美しさを傍観する平和な人」だったのだが、今や「戦争を通じて世の中の醜い部分に身を投じざるを得なかったことで、自分も醜い世界に組み込まれてしまった」ことに苦しむ人となってしまった。

    現代でも起こっている、戦争神経症のようなものなのかもしれないが、とりわけアシュリーの悩みは違うベクトルで複雑な気がする。

    訳者解説にあった、女性の社会的地位の変化の話を見て思い出したのは、『赤毛のアン』にも確か数学が得意な女の子が登場していたということだ。スカーレットは読書が嫌いだが、数学は得意だ

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    2025年03月07日
  • 風と共に去りぬ (二)

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    前巻に引き続き、後書きや注釈が良い。マミーを固有名詞と捉えて読んでいたが、偶然黒人乳母の名前がマミーであったのではなく、普通名詞をあたかも固有名詞のように、「もの」のように扱っている当時の黒人に対する向き合い方が滲み出ていることに気づけなかった。アマルガメーションについてあえて触れていないのは、物語の本筋ではなかったからなのか、触れたくなかったからなのかはわからない。

    レット・バトラーが南部の人々を常に馬鹿にしたような振る舞いは、既に南北戦争の結末を知っている我々にとっては単にムカつく男だとは捉えにくい。むしろ、先見の明があるという魅力を感じてしまうので、彼を無意識に高く評価してしまう。

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    2025年02月17日
  • 風と共に去りぬ (一)

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    男子には好かれるが、女子からは嫌われる代表例のようなスカーレット・オハラ。スカーレットは、当時の女性の一番の目標は結婚であると言わんばかりに、男に好かれる振る舞いが自然に出来ていた。

    しかし実際のスカーレットは、レディの気質の下に隠しきれない、おしとやかではないアイルランド人の父親の性質を備えていた。だからこそアシュリーは、スカーレットを「自分とスカーレットは水と油のようなもので、愛だけでは結婚生活はうまくいかない」と冷静に拒否したのだ。

    ここで、スカーレットの父親ジェラルドと母親エレンが30歳ほど歳の差があり、アイルランド人とフランス系上流階級という奇跡のような結婚もまた、水と油のような

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    2025年02月10日
  • 風と共に去りぬ (六)

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    「風と共に去りぬ」が長い間愛され続けているのが分かります。 知らぬ間にこの物語に感情移入していたことが読み終わって気づきました。この一冊の中にたくさんの出来事があり、私自身がアトランタでスカーレットたちと暮らしているかのように感じました。読み終わった余韻もすばらしく、また苦みもあります。
    これで物語は完結ですが、これからのスカーレットの人生やレットとの関係がもっと読みたいです。
    これはほんとうに素晴らしい壮大なロマンス作品です!

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    2023年06月23日
  • 風と共に去りぬ (五)

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    ネタバレ

    この巻は父親 ジェラルドの死から始まり、スカーレットのアトランタでの暮らしに焦点を当てて描かれています。世間からの批判を気にせず、スカーレットは3度目の結婚をし、貧困や飢えからは遠い暮らしを始めます。しかし、莫大な富を得た果てにスカーレットの性格がこんなにも変わるなんて。
    でも、この人間臭さが読んでいて刺激的です。

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    2023年03月01日
  • 風と共に去りぬ (四)

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    4巻もレット・バトラーがカッコよすぎました。
    レットといる時のスカーレットも生き生きしていて読んでいて楽しいです。
    戦争が終わり、建築材料も食べ物もすべて不足していて厳しい世の中なのですが、そんな中でも周りの目を気にせず行動するスカーレットが読んでいて清々しいです。

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    2023年02月05日
  • 風と共に去りぬ (三)

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    ネタバレ

    タラ農園の主人になったスカーレット。
    母親の死や家を焼かれても決して諦めないスカーレットの力強さが印象的です。
    レット・バトラーの行方が気になります。

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    2023年01月10日
  • 風と共に去りぬ (二)

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    戦争が激しくなり、風と共に去りぬ⑴とは人々の暮らしが大きく変わっていました。
    レディも豪華なドレスや帽子より勝利を望むようになり、南部の暮らしの大きな変化が描かれていました。
    スカーレットの情熱には今回も圧倒されました。素晴らしいレディだと私は思いました。

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    2022年12月26日
  • 風と共に去りぬ (一)

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    スカーレットの激しい情熱や南北戦争禍のアメリカでの生活が読んでいて美しいと感じました。
    人種差別がまだ当たり前で身分制度も厳しい時代が、今の時代しか知らない私を当時のアメリカへ連れて行ってくれました。
    ⑵も読もうと思います

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    2022年12月14日
  • 風と共に去りぬ (六)

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    ネタバレ

    出産後、ウエスト20インチ(約50cm)で太いだなんて(笑)

    スカーレットは考えなければならないことでいっぱい。
    その場で感情で言葉を発すると相手を傷つけたり。
    「明日考えよう」今考えると潰れそうになるから。
    そして、ちゃんとその時その時で反省して考えなかったからこんなことに…感情に任せて突っ走りすぎた。

    自分のための行動だと行動力があるのに、周囲の人たちのことについては無視して行動しない。
    メアリーが感謝していることについても、表面は助けていたように見えるが、結局スカーレットは自分のためにしたことだ。
    (それでも大変な目にあってたのだからスカーレットはよく頑張った。メアリー以外の人にはわ

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    2017年10月28日
  • 風と共に去りぬ (五)

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    我が道を行く。
    スカーレットは行動力があり、やるべきことをやったのだけど、やり方がまずかった。

    スカーレットとレットの関係は変わっているけど、どうなるのか。

    実際にスカーレットみたいなのが近くにいたら、何なのこのひと!って思うかもしれない。
    だけど、メアリー目線だと、そんなことも言えない。
    でも、スカーレットは突き詰めれば自分のためにメアリーたちを助けていたのだけど…

    簡単な登場人物紹介、地図、解説、年表、注釈付き。

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    2017年10月28日
  • 風と共に去りぬ (四)

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    ネタバレ

    スカーレットが間の恋だのは脇へ避けて、今度は金!
    スカーレットは現実的だけど、周りからの目は冷たい。

    バリバリ商売することは、女のくせにはしたない!というわけ。
    妊娠すら恥ずかしいことなんて、今の時代ならばっかばかしい!

    レットも現実を見据えているけど、スカーレットの突っ走りについては諫めることもできる。
    最初は憎たらしいしか思わなかったけど、違う。
    憎たらしいところもあるけどかなり魅力的に見えてきた。

    人種差別についても考える。
    解放しながら、南部の人間と違い偏見をあからさまに持っている北部のヤンキー。

    奴隷になっていた黒人たちは解放されて自由になっても、今まで奴隷として働いてきたか

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    2017年10月28日
  • 風と共に去りぬ (三)

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    2巻まではあまり面白くなかったけど、この3巻からは読み応えがある。面白かった。

    戦争がスカーレットのところまで押し寄せてくる。

    スカーレットは気がキツイし、悪態もつくけど、やるべきことをとにかくやっている。
    とにかく今やるべきことを考えて。

    困難が何度も訪れ、緊迫するシーンもあり、ヒヤヒヤする。

    頑張れ、スカーレット!

    南北戦争については、わかりやすい。

    簡単な登場人物紹介、地図、解説、年表、注釈付き。

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    2017年10月28日
  • 風と共に去りぬ (六)

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    荒このみさんには時代背景の理解が必要で今の言葉で翻訳すべき作品を手掛けて欲しい、フォークナーやヘミングウェイやスタインベックや......

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    2016年04月03日
  • 風と共に去りぬ (五)

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    どの巻も同じだが巻末の訳者解説がすごい。この巻のマーガレットミッチェルの生涯を読むとスカーレットはまさに作者本人であることが分かる。面白い。

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    2016年02月20日
  • 風と共に去りぬ (三)

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    スカーレットがタラに侵入してきた泥棒男を殺したシーンが、この現状の過酷さを決定的に物語っていた。本書は明らかにこれまでと雰囲気が変わる。

    珍しく長時間レットが全く出てこないシーンが続き、父ジェラルドも頼れない状態となり、母エレンは亡くなってしまう。スカーレットは完全に自分の力で生きなければいけない境地に立たされてしまう。タラを守るために奮闘するスカーレットとアイルランド人としてタラを掴み、地盤を築いた父ジェラルドの人生が重なって見える。

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    2025年03月01日