井上のきあのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本の好みが似ているお友達に教えてもらって読みました。京都が舞台の、アンティーク着物にまつわる不思議を解くミステリです。着物が題材なだけあって、着物の着こなしが出て来るのはもちろん、詩や俳句も登場するので面白いです。茶道をかじっていたため少しは着物のことが分かりますが、分からない色や柄を調べて頭の中で思い描くのがとても楽しいです。主人公の鹿乃と下宿人の慧との関係も見どころです。歳が少し離れた男女の恋愛模様を見守るのが好きなので、続刊はそちらも楽しみに読みたいと思います。読み終わってカバーや挿絵(扉絵?)を見返すと、内容と繋がっていて面白いですね。
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Posted by ブクログ
ネタバレどうせならゆっくり読みたいと思って置いていたら、今になってようやく読めました。
今回は野々宮家のルーツ(これがどの代も仲のいいことで。笑)と、複雑な慧の出生にまつわる話が全て出ます。慧が父親を許せないのと同じように、鹿乃は物心つく前に失った両親を改めて知った以上、慕うのを止められない。
そして慧も、ずっと大事にしてきた宝石をそのままにはできないことに気付いてしまった、というより問答無用で気付かされて、でもそれが大事だから一歩を踏み出せない。春野くんの牽制で慧が引いちゃうのか、鹿乃が曾祖母のようにぶつかっていくのか、気になります。
ていうかこの二人が纏まってくれないと、シスコンの良鷹君は嫁探しも -
Posted by ブクログ
今作はこれまでの中で一番浸れました。
それぞれの時代に それぞれの連れ合いを
想い合いながら その想いを交わすことなく
心ごと体ごとすれ違ってしまったご夫婦も
最期の時を迎えてようやく
その想いを着物や帯などに託した方も
どのお話も その時代時代の古都の風情と
明治から昭和までのモダニズムが融け合う
不思議な京都に包まれて 優しく狂おしく
胸に沁みわたりました。
もっと単純に私は この文庫本の表紙絵と
同じく 背景も人々も物語も風物もお料理も
全てを本当に本当に美しいと感じています。
かつては冷たさを感じていた京都に
仕事の関わりで触れ合うことが増えてから
私 -
Posted by ブクログ
若手のパン職人・紗良が横浜の洋館ホテルで働き始めるところから物語は動き出す。
仕事にまっすぐ向き合いながら成長していく姿が丁寧に描かれ、読んでいるこちらまで背筋が伸びるような、お仕事ハートウォームストーリー。
登場人物は皆それぞれに魅力的で、特に要くんと叔父様が私のお気に入り♡
他にもシェフの俊介さんの不器用な優しさ、いわゆるツンデレな一面もたまらない。
要くんと父親のエピソードでは、普段は掴みどころのない彼が抱える寂しさや、紗良に惹かれていく理由が垣間見え、胸がきゅっとなった。
二人のこれからを想像すると自然と頬が緩む。
物語に登場する黒糖胡桃あんぱんも印象的で、読み終えた後には無性に食