井上のきあのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
私には このシリーズに
特別な思い入れがあるのかもしれない。
この小説の素材は
言ってしまえばオカルト。怪奇譚だ。
陰陽道にゆかりのある旧華族。
その子孫が次々に出会う
着物にまつわる怪異は
しかし少しも恐ろしくない。
むしろ切なくもの悲しい。
この世に残る 強い想いが形となり
現象となって 眼に映るのだとすれば
この物語には 美しい着物とともに
消え残り 誰かに知ってもらいたいと
彷徨う たくさんの想いが詰まっている。
それはこの世を去った人たちだけの
ものではない。
鹿乃や慧 良鷹の中の想いもまた
知るべき人に知ってもらいたいはず。
しかしそん