森生明のレビュー一覧
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「会社の買収」についてなんとなく物騒なことだというイメージだけ持っていましたが、この本を読むとだいぶイメージが変わりました。
株式会社という仕組みが、社会を変える意欲を持った起業家を支援するとともに、それを支援したいパトロンのハードルを下げる役割があり、世の中に活力をもたらすための枠組みとのこと。
ハゲタカファンドがやっている(悪い)買収の意味もよくわかり、そういった外国のファンドに狙われないためにも正しい株価にしておくことが必要で、会社はその成果を正しく株主にアピールする活動が必要ということがよくわかりました。
会社に値段をつけることが正しいか正しくないかではなく、それを正しく算定してお -
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ネタバレ企業価値評価の世界ではバイブル的な位置付けの本。
M&Aの際に投資銀行が行うバリュエーションの実務や考え方のエッセンスが濃密に詰め込まれていて、噂に違わぬ良著だと感じた。
筆者があとがきに「なるべく素朴で原理的な質問を掲げ、普通に読んで納得のいく説明をすることを心がけた」「この本の内容が資本主義や米国流「なるほど」と理解され」と書いているとおり、ファイナンス入門書では手が届かないような細かなポイントまで抑えられており、コーポレートファイナンスはもちろん、資本主義経済そのものに関わる感覚が磨かれる一冊。
以下学びメモ
・指標の関係性
EBITDA=EBIT(営業利益)+減価償却費
NO -
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今の自分にとっては、いろいろ整理するのにちょうどいい読みごたえの本
後半に進むにつれて、うなずく内容が増える。MAのとことか。
リアルオプションのとこはちょっと高尚すぎて中小企業では使わない。
P24 「借金が多いほうが企業価値が高くなる」というのは、企業価値をグローバル定義のEVと同じものと考える限り、そのとおり。
⇒のれん価値を含めての企業価値を創造するにあたり、資金の調達方法は借金でも出資金でも構わない。
「借金が多いほうが株主価値が低くなる」もそのとおり。
P49 つまり、PERは(r-g)の逆数であることがわかる。
P159 DCFが重用されているのは、「あなたが買収したらど -
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『「和をもって貴しとする」だけでは済まない世の中は、持つ者と持たざる者の格差を広げ、不安、不満、開き直りを助長する。その苛立ちは暴動やテロにつながり、社会をますます不安定にする。
このような時代に強くたくましく前向きに生きていく人たちを育むには、どういう社会をつくればよいか?
「そのカギはバリュエーションにある」
と言うと、唐突すぎて理解を得られないのだが、
「価値を生むこととカネが儲かることがずれない社会づくりをめざすべき」
と言えば、より共感を得られるだろう。』
志はよく理解できたけれど、本作がそれに成功しているとは思えないが、読み物としては勉強になって楽しめた。
会社の価値とどう向 -
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M&Aなどを行なう時に、いくらで買えば妥当なのか、それを評価する方法が書かれている。
企業価値算定のための基本的な定量的手法を学ぶことができる。
現在価値とその中心部分にあるディスカウントレート、そしてその2つを使った公式として永久還元の定義式という3つの重要なツールについての理解が深まる。
現在価値とは、つまり10年後の100万円と今の100万円はどれほど価値の差があるのか、という考え方である。
ディスカウントレートとは、リスクの程度を、数値化し、金銭的価値の座標軸に取り込むための割引率である。
永久還元とは、毎年永遠に100万円もらえるとしたら、その権利をいくらで買うのが妥当か、ということ -
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M&Aを行う際、対象企業ははたしていくらの価値があるのかを算出する企業価値評価に関する本
企業の価値を測るものさしとしては時価総額だけでなく、企業のブランド価値、将来にわたって企業が生み出す利益など多岐にわたります。それらを現在価値として示す方法をシンプルにまとめたの本書です。
自分の中では企業価値評価はベールに包まれていたのですっきり理解することができて大変ためになりました。
DCF法を用いた計算方法が中心なのですが、初めて聞くととおぉ!と思うことばかりです。実際に四季報なんかで手に入る少ない情報だけでもずいぶんといろいろなことを分析できるものだと感心してしまいます。
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MBAでは、バリュエーションはどのように行われているのか?
実際の、企業買収の現場では買収価値をどのように決めているのか?
上記の疑問に答えるのが本書の役割である。著者は、京大ーハーバードロースクールを出て、
GSでM&Aに従事していたプロ中のプロである。その著者が、一般的で向上心のある
ビジネスマン向けに比較的簡潔に書いたものになっている。
通常のビジネス書とは異なり、多少専門的な内容を含むにしてもまだ働いた事のない
私にとっても非常にわかりやすい内容となっている。ただ、本当に何も知らないと
理解に苦しむかもしれない。(簿記を勉強しておいて良かった(笑))
基本的には、企業価値は永続的