森生明のレビュー一覧
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まず読みこなすにはファイナンスの基礎知識は必須。その前提でバリュエーション関連書の中でも良い出来だ。理論と実務の乖離を埋め、ファイナンス書で散見される「こういうものだ」ではなく「こういう理由で『こういうものだ』と考えている」という背景まで丁寧に説明されている。
PER=PBR×ROE、PBR-1=のれん、企業創出力=EBITDA倍率×ROIC(EBITDA/IC)など、シンプルで腑に落ちて分かりやすい。特にWACCやTerminal Valueは実務家が感じる違和感を解き解し、ある意味潔い割り切りを提示してくれている。
理論と実務の狭間で悶々としているバリュエーションの実務家には読んで欲しい本だ。ちょっとすっきりするはずである。 -
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2001年発刊のため鮮度に問題はあるものの、Valuationについて学びたければまず本書を読むことをおすすめする。
国際化の進展や新興企業の勃興など2001年当時とはだいぶ状況が変わったとはいえ、日本では「企業価値」というと、やれ歴史だ、やれ文化だ、と計数化できない議論に発展することが未だ多い。本書では「共通言語」という概念を冒頭に置き、「企業価値」はすなわち「投資価値」であり、「金のがちょう」をどう価値としてとらえるかに焦点を置いている。そしてそれが本質で最も重要なところだ。
バリュエーションをグローバル金融の「共通言語」に整えた宣言をすることで、PV=C/(r-g)をベースに、要点を押さえシンプルに分かりやすく解説されていると思う。PERとrの逆数関係は恥ずかしながら本書で初めて気づいた(言われてみればその通りだが)。Enterprise valueとShareholder ValueとGoodwillの関係、M&A時のデューデリ含めた価格評価手法など、実務未経験者にとっても簡素に且つ非常にイメージしやすく描かれており、おすすめの書籍である。 -
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ライブドアとフジテレビがM&Aをめぐって激しい攻防を繰り広げられていた時期に書かれた一冊。企業は誰のものか、経営者と株主の関係など今後とも日本企業にとって避けて通れないいつものテーマの解説や、M&Aの裏側など興味深い内容が、極めてわかりやすく解説されている。
企業価値を数字で表すことが、フェアなビジネス関係の第一歩という指摘は、言われてみれば当たり前のことだけど、多くの日本人にとって、数字に表せない人間関係や価値に大きな価値を置くなど、まだ違和感があるところなのだろう。
本書の最後でもコメントがあったが、日本企業は全てアメリカ的価値観を正しいと考える必要はなく、むしろ日本的な和や長期的な関係を重視する発想を、グローバルビジネスの中で活かすことこそが生き残りのカギだと思う。 -
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企業総価値(EV)=株主価値+負債価値
企業価値を図るための三種の神器
現在価値、ディスカウントレート、P=C/(r-g)
株主価値(SV)=株主にとっての企業の投資価値
株主にとっての
C/(r-g)
会社価値(MV)=株式時価総額=投資家にとっての投資価値
株式時価総額=株価×株式数
株主価値と会社価値の違い
1、流動性
2、支配力
以上から、株主と投資家のC、r、gは異なり、両者は相違する。
PER=株価/一株あたり純利益
P/C=1/(r-g)
rを小さくし、gを大きくすることで、PERは高まる。
バリュエーションの方法
1,類似上場企業比準方式
類似企業のPER,PBR,EBITDA倍率を用いたバリュエーション
2,類似取引比準方式
類似取引におけるPER,PBR,EBITDA倍率を用いてバリュエーション
2-1=買収によるコントロールプレミアム
3,DCF方式
P=C/(r-g),P-NetDebt
NetDebt=有利子負債-余剰資金
買収にあたっては、株式の希薄化すなわち一株あたり純利益の低下に留意する。
実務的なバリュエーション
1,向こう5年程度についてDCF法を適用
2,5年後以降のターミナルバリューの算定にあたり企業総価値について類似上場企業比準方式
3,ディスカウントレートはCAPMなどで算定
4,上記により算出された価格のコントロールプレミアムについて、類似取引比準方式により、妥当性を比較検討。
良いM&Aを行うためには、
1,良い専門家の配置(買収交渉、買収プロセスの管理)
2,現実感のある買収後プランの設定
敵対的について
経営者の許可がない=敵対的ではない。
株主価値を毀損するような買収を敵対的という。
M&Aは右肩上がりの成長が止まった現在において、市場を効率化し社会全体のパイを増やすための有力な選択肢である。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
日本では、「会社買収」に対する違和感を持つ人が多い。
しかし、株式会社というのは、そもそも「会社を売り買いする仕組み」ではなかったのだろうか?
本書は、会社に値段を付ける、ということはどういうことなのかを根本にまで立ち返って考え、資本主義というシステムの本質から、現在、世の中で何が起こっているかまでを、腑に落ちるまでしっかりと解説。
また、「企業価値算定」の基本公式を紹介し、「賢い投資家」になるためのコツをも伝授する。
[ 目次 ]
第1章 なぜ会社に値段をつけるのか
第2章 基本ルールとしての「米国流」
第3章 企業価値の実体
第4章 「会社の値段」で見える日本の社会
第5章 企業価値算定―実践編
第6章 ニュースを読み解く投資家の視点
第7章 M&Aの本質
第8章 日本の敵対的M&A、米国の敵対的M&A
第9章 日本らしい「会社の評価」のために
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
米国的 (1)単純明快に数字で判断するのを好む「経済合理性」、(2)ルール化を大切にする「法の支配」、(3)でたとこ勝負で決断がはやい「スピードは力、時は金なり」
企業価値 = C/(r-g) , C=現在のキャッシュフロー、r=リスク、g=成長性
「企業価値」とは誰にとっての価値か?誰が判断するのか?
「会社の存在そのものに価値の価値、すなわち社会における存在価値」は答えになっていない。会社は仕組みであって目的ではない。
企業が価値を生んでいない場合にその責任が経営者にあるならば、企業価値を創造するのは経営者である。リスクを背負い、厳しい決断を一つ一つ下して、結果責任をとる。この役割を担っているのが経営者であり企業価値の創造者である。
企業価値創造の担い手は経営者であり、その経営者の評価は株主が行う。
PER = 株価/一株当たり利益、
言い換えるとPER = 会社の値段(株式時価総額)/会社の利益
会社の値段 = 会社の利益 X PER
PERという倍率は、(r-g)という現在価値への割引率の逆数と同じ。例えばPER20倍は、(r-g) が5%ということ
外の人たちに、自分たちの考え方、やり方をきちんと説明するのが礼儀であり務め。説明責任。 -
Posted by ブクログ
1/29/2015 森生先生のfinancial reorganizationクラス受講をきっかけに、久々に再読。ファイナンスで扱うどんなに難しいケースも、実は全て基礎に根付いていると仰っていた。本書は、ファイナンスで抑えておかなければいけない基礎の基礎となる理論からニュースに出てくるような買収や投資家の視点まで、本質をついた解説によって分かりやすく読み進められる良書。「MBAバリュエーション」とセットでいずれも良書。
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「企業価値」という言葉は日本独特の表現、アメリカ人に言うと、「何それ?」という反応が返ってくるらしい。
本書では、会社に値段をつけることにより資金の流れがよくなり、経済活動が活発になること、そして正しく値段をつけなうと、いかに社会、経済が混乱するかということを論じ、なぜ会社に値段をつけるのか?会社に値段をつけるというのはどういうことなのかを根本まで徹底解説。
この不透明な時代に新しい資本主義のあるべき姿に向けて、日本人が主体的に投資して発展していく将来のビッグピクチャーを示してくれる。
グロービス定量分析松本先生のお勧めの一冊。 -
Posted by ブクログ
担当:Shioyama
対象レベル:初級
内容:
基礎編 道具の理解-経営のグローバル共通言語
第一章 企業価値という共通言語
第二章 企業価値を決める要因
第三章 会社の値段と企業価値の違い
実務応用編 株価算定とM&Aの実務
第四章 会社の値決めの実際1
第五章 会社の値決めの実際2
第六章 M&Aによる価値創造のしかけ
第七章 M&A現場の実況中継−A社を買収せよ
第八章 「良い」M&Aと会社経営
バリュエーション関連ではじめて呼んだ本。
バリュエーションを学ぶ人の多くはこの本からはじまるのではないかと思います。
たしかに、ものすごくわかりやすく「企業価値とはなにか」について言及しています。
前提知識も必要なく、理解度の差こそあれど、すんなり読みこなせるのではないかと思います。
ただし、ちょっと詳しくなると省略している部分が目に付いてしまうので物足りなさを感じるのではないかと。
ただ、はじめの一歩としては最高です! -
Posted by ブクログ
・バリュエーションがどんな状況下において必要なのか
・何が企業価値を決めるのか
・企業価値はどのように算定されるのか
・M&Aは「良い」ものなのか
くらいだったかな。
単にバリュエーションの方法論だけ書いてるんじゃなくて
M&Aをするに際してどんな事を頭にいれるべきか
株主価値最大化だけを目指していて本当に良いのか
敵対的TOBの敵対的とは何か等の問題提起もあり
そういった意味で他のバリュエーションを扱う本とは一線を画している本だとは思う。
前半部分は、PER、PBR、EBITDA倍率等の基本的指標の意味が未だによくわかっていないぽい。
株式時価総額を税引き後利益で割った値の意味っていうのがいまいちよくわからん。
その数値自身がもつ意味もよくわからないし、それを比較してどうなるのかもよくわからん。
簿価純資産と時価総額の関係とかもいまいちわからず。
後半の問題提起はおもしろかったけど、
あとあと実際にM&Aに従事したら実感が湧くようなところだろうという風に思う。