森生明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ライブドアとフジテレビがM&Aをめぐって激しい攻防を繰り広げられていた時期に書かれた一冊。企業は誰のものか、経営者と株主の関係など今後とも日本企業にとって避けて通れないいつものテーマの解説や、M&Aの裏側など興味深い内容が、極めてわかりやすく解説されている。
企業価値を数字で表すことが、フェアなビジネス関係の第一歩という指摘は、言われてみれば当たり前のことだけど、多くの日本人にとって、数字に表せない人間関係や価値に大きな価値を置くなど、まだ違和感があるところなのだろう。
本書の最後でもコメントがあったが、日本企業は全てアメリカ的価値観を正しいと考える必要はなく、むしろ日本的な和や長期的な関係を -
Posted by ブクログ
企業総価値(EV)=株主価値+負債価値
企業価値を図るための三種の神器
現在価値、ディスカウントレート、P=C/(r-g)
株主価値(SV)=株主にとっての企業の投資価値
株主にとっての
C/(r-g)
会社価値(MV)=株式時価総額=投資家にとっての投資価値
株式時価総額=株価×株式数
株主価値と会社価値の違い
1、流動性
2、支配力
以上から、株主と投資家のC、r、gは異なり、両者は相違する。
PER=株価/一株あたり純利益
P/C=1/(r-g)
rを小さくし、gを大きくすることで、PERは高まる。
バリュエーションの方法
1,類似上場企業比準方式
類似企業のPER,PBR,E -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
日本では、「会社買収」に対する違和感を持つ人が多い。
しかし、株式会社というのは、そもそも「会社を売り買いする仕組み」ではなかったのだろうか?
本書は、会社に値段を付ける、ということはどういうことなのかを根本にまで立ち返って考え、資本主義というシステムの本質から、現在、世の中で何が起こっているかまでを、腑に落ちるまでしっかりと解説。
また、「企業価値算定」の基本公式を紹介し、「賢い投資家」になるためのコツをも伝授する。
[ 目次 ]
第1章 なぜ会社に値段をつけるのか
第2章 基本ルールとしての「米国流」
第3章 企業価値の実体
第4章 「会社の値段」で見える日本の社会
第5章 -
Posted by ブクログ
米国的 (1)単純明快に数字で判断するのを好む「経済合理性」、(2)ルール化を大切にする「法の支配」、(3)でたとこ勝負で決断がはやい「スピードは力、時は金なり」
企業価値 = C/(r-g) , C=現在のキャッシュフロー、r=リスク、g=成長性
「企業価値」とは誰にとっての価値か?誰が判断するのか?
「会社の存在そのものに価値の価値、すなわち社会における存在価値」は答えになっていない。会社は仕組みであって目的ではない。
企業が価値を生んでいない場合にその責任が経営者にあるならば、企業価値を創造するのは経営者である。リスクを背負い、厳しい決断を一つ一つ下して、結果責任をとる。この役割を担っ -
Posted by ブクログ
1/29/2015 森生先生のfinancial reorganizationクラス受講をきっかけに、久々に再読。ファイナンスで扱うどんなに難しいケースも、実は全て基礎に根付いていると仰っていた。本書は、ファイナンスで抑えておかなければいけない基礎の基礎となる理論からニュースに出てくるような買収や投資家の視点まで、本質をついた解説によって分かりやすく読み進められる良書。「MBAバリュエーション」とセットでいずれも良書。
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「企業価値」という言葉は日本独特の表現、アメリカ人に言うと、「何それ?」という反応が返ってくるらしい。
本書では、会社に値段をつけることにより資金の流れがよくなり -
Posted by ブクログ
担当:Shioyama
対象レベル:初級
内容:
基礎編 道具の理解-経営のグローバル共通言語
第一章 企業価値という共通言語
第二章 企業価値を決める要因
第三章 会社の値段と企業価値の違い
実務応用編 株価算定とM&Aの実務
第四章 会社の値決めの実際1
第五章 会社の値決めの実際2
第六章 M&Aによる価値創造のしかけ
第七章 M&A現場の実況中継−A社を買収せよ
第八章 「良い」M&Aと会社経営
バリュエーション関連ではじめて呼んだ本。
バリュエーションを学ぶ人の多くはこの本からはじまるのではないかと思います。
たしかに、ものすごくわかりやすく -
Posted by ブクログ
・バリュエーションがどんな状況下において必要なのか
・何が企業価値を決めるのか
・企業価値はどのように算定されるのか
・M&Aは「良い」ものなのか
くらいだったかな。
単にバリュエーションの方法論だけ書いてるんじゃなくて
M&Aをするに際してどんな事を頭にいれるべきか
株主価値最大化だけを目指していて本当に良いのか
敵対的TOBの敵対的とは何か等の問題提起もあり
そういった意味で他のバリュエーションを扱う本とは一線を画している本だとは思う。
前半部分は、PER、PBR、EBITDA倍率等の基本的指標の意味が未だによくわかっていないぽい。
株式時価総額を税引き後利益で割っ -
Posted by ブクログ
企業価値とは何か?その言葉の意味すること、それをどのように測るのか、ファイナンス基礎についても学べる本。
企業の価値算定の方法を知っていること、その上で経営者目線で世の中の動きを見る視点が大事だということを改めて認識する。
株式市場で起こる株式の取得やM&Aについて、経営者としては、自身の会社の企業価値を適切に把握し、割安/割高であればそれを正しく修正できるよう指揮を取り、株主の利益を上げるための責任を負う。自身の会社の企業価値を常に考えること、それをどのように高めていくのかを計画し説明でき実行できること、購買相手型となる対象の会社の企業価値を適切に把握し、株式の取得やM&Aを