原口泉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現在の沖縄県は疑いようもなく、日本の一つの県であるが、日本が天皇を頂点とする国家として成立してからの長い歴史の中で言えばごく最近まで、一つの国家「琉球」として存在していた。日本と同じ様に長い歴史を綴ってきた琉球、そして日本人の祖先とされる縄文人よりも遥かそれ以前から湊川人の発見により、更に遡る事のできた土地でもある。縄文人が1万5000年前まで遡れるなら、湊川人は2万2000年前。そして、それをさらに遡る3万2000年前から琉球列島に存在した山下洞人も発見されている。なお、DNA鑑定では、日本人の持つそれと湊川人は異なっている事がわかっており、縄文人を遡る事は出来ていない。ただ最初に述べた様に、現在は沖縄県であるから、日本人の祖先という捉え方自体は変わらない。それ程前から独特の文化と生活を営んできた沖縄の地は、中国大陸を支配した王朝と、日本の本土との間にある地理的な理由により、双方と微妙な関係性を保ちながら、長きに渡り琉球王朝を発展させてきた。
本書は中国と日本の間にあり、時代毎に支配の変わる苦難を乗り越えながら、その存在価値を世界に示してきた琉球・沖縄の歴史を辿る内容となっている。古くは前述した旧石器時代、そしてその後各地に生まれた王朝とグスクの時代、その後現在の九州鹿児島県、薩摩を治めた島津氏による支配、最後に太平洋戦争敗戦によりアメリカ軍が敷いた占領時代から現在に至るまでの歴史を辿っていく。
そして今もなお、沖縄県人としての、かつて琉球王国として栄えた人々としての、その誇りを失わず、生き続ける魂がある事を教えてくれる。現在の沖縄は、依然として本土の他県と比べて平均年収は低く、同じ日本人でありながら東京の年収に比べると圧倒的に低いままである。そして元々観光資源が重要な県の収入源となっていたが、近年はコロナにより、一時期は大幅に減衰してしまった。前日新たなテーマパークが沖縄に出来、回復が本格的である事を示す良いチャンスではあるが、アメリカ占領時代から続く基地問題が解決したわけではない。まだまだ沖縄の基地は沖縄社会に大きく影響を及ぼし続け、それにより支えられる経済もあるものの、数年に一度は必ずアメリカ兵による不祥事、基地に属する航空機(オスプレイの墜落事故も)の事故など、暗い話題が付き纏う。その様な今の社会の問題を含めて、沖縄県と琉球の歴史は苦難そのものである。今なお多くの課題を抱える県政であるが、それに至る道のりについて、本土の沖縄以外の県民、国民が沖縄の成り立ちと生活について理解し、日本人全体として将来進むべき方向性を(自分事として)考えなければならない。先ずは沖縄の歴史に興味を持ち、この様な書籍で勉強する事で、現代の問題の本質及び解決に向けた方向性を考える事に非常に役立つと感じる。先ずは同じ日本人として、悩みを共有する事はそのベースであると感じた。 -
Posted by ブクログ
聖徳太子から渋沢栄一といった歴史上の人物の軌跡を地図をあわせて簡単に解説した一冊。人物ごとにその妻や娘などの大きく影響を与えた女性についても紹介している。
そこまでボリュームの大きい本ではないので各人物についてより詳しく知るなら別の書籍を読んだほうがいいだろう。
こうして地図上で辿った道や史跡などを見るとかなりの長距離を移動していたことがわかる。
いまでこそ電車や車があるのに同じ地域にとどまる人が大半だと思うが、徒歩や馬でここまで移動できたことは信じられないほど苦労が伴ったように思う。
また、度々女性についても紹介しつつ津田梅子の章で締められていて、なかなか焦点を当てられてこなかった女性を意図的に前面に出して解説している。
実際、教科書では名前すら出てこない女性も多い一方で、その女性たちによる偉業も多い。
本書のように女性に焦点を当てた歴史書が増えていくことを望む。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大政奉還後の知られざる国家構想。
坂本龍馬を理解する真のキーワード、それは北海道――。彼が北の大地に託した想いとはいったい? 龍馬の生涯と意味を書き換える。(2010年刊)
序 章 なぜ函館に坂本龍馬記念館はできたのか
第一章 暗殺四日前の手紙 -龍馬の夢は北海道開発だった
第二章 開港前後の箱館をとりまく人々
第三章 一八六四年、北海道と龍馬の急接近
第四章 北海道への夢をあきらめず
第五章 龍馬の死と二人の後継者
第六章 榎本武揚と龍馬 -二つの夢の結末
終 章 龍馬の北海道が現代日本に投げかけるもの
うーん、どの様に評価すれば良いのだろうか。読み物としては面白いが、学術的ではない。日本近世・近代史が専門とあるので、期待していたがさほどではなくて正直ガッカリした。
参考文献をみると、自著、新書、文庫が目立つ。(新書文庫が悪いという訳ではないが、全体的に軽い印象を受ける。)
本文では「感じられる」とか「ちがいない」といった表現が目立つ。そういった憶測を根拠として論じられるので説得力が無い。また、事実誤認(竹島、蝦夷共和国)も目立つ。
坂本龍馬は、ファンも多くどうしても過大に評価されるきらいがある。歴史上のスターすぎて等身大の評価がされていない。本書を読んでいても、ところどころから著者の龍馬熱が感じられる。
本書は歴史書としてではなく、読み物として楽しむべきであろう。