原田泰のレビュー一覧

  • 日本人の賃金を上げる唯一の方法

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    原田先生からご恵送賜りました。一番、刺さったのはやはり日本が1980年代に日本は最先端に行ってしまったからもはや追いつき型の経済成長はできないと皆が思ってしまったことが躓きのもとであったという指摘(p.48)、実際にはアメリカの8割(一人当たり購買力平価GDP)しかいっていなかったのに……。

    資本ストックはその伸びだけではなく、新しい資本には新しい技術が体化されていてそれが生産性を高めるというソローを引用しながらの主張も絶妙(第1章第6節)。

    第3章「人手不足でなければ経済は効率化しない」は本書の肝(「高圧経済」論)であるが、池田勇人の所得倍増もアベノミクスも松方デフレ後の松方財政もすべて

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    2024年02月23日
  • デフレと闘う 日銀審議委員、苦闘と試行錯誤の5年間

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    2015年から2020年までの5年間に亘る、日銀の審審議委員を務めた著者の日銀に於ける奮闘の記録です。審議委員として、体験したことが日記形式で書かれており、関係した人はほぼ実名で著されています。日銀での審議委員としての業務を行っていく中で著者が様々なことに直面して、それらをどのように考えているかが詳らかになっているのは興味深いです。本書で全体的に、どんな政策を日銀が行っても、文句ばかり言ってくる銀行には辟易しているように感じました。それにしても、黒田総裁が選ばれるまでの日銀の総裁などの人事は、財務省・日銀の推薦リストに基づいて、適当に決められていただけというのは驚きました。その人事のおかげで、

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    2021年08月06日
  • ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか

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    ベーシックインカムと生活保護について実務に携わる者として勉強しています。
    将来的にはもう一度大学に戻って研究したいなと思ってます。
    この本は高校の友人(大学教授)に推薦してもらったものでなかなか読み応えのある本でした。

    しかし109ページに昔取材受けた内容が引用されてたので少し笑いましたσ^_^;
    もし読まれることがあればぜひ見てみてくださいd(^_^o)

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    2018年08月22日
  • 震災復興 欺瞞の構図

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    「増税は本当に必要だったのか。復興という大義名分のもと無駄な事業が繰り返される「欺瞞の構図」を明解にあぶり出す。」(『週刊 東洋経済』へのコメントを再掲)

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    2012年09月06日
  • 震災復興 欺瞞の構図

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    震災の復興予算に震災とは関係ないことも含まれており、復興費用は6兆円程度で済むことは目からウロコだった。

    財政出動単独の政策がうまくいかない理由についても書かれている。

    政治家、官僚、財界それぞれに不正を犯すインセンティブが多く存在することを実感できる本だ。

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    2012年06月29日
  • 震災復興 欺瞞の構図

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    筆者の問題意識の出発点は下記だ。
    日本国土の土地代以外の資産は約1,200兆円だ。人口1.2億人で割れば、1,000万円/人だ。今回の大震災の被災者は50万人だ。よつて、全損で5兆円だ。何故復興予算が20兆円必要なのか。
    大震災、原発、消費税増税、そして政府の国民への関与の仕方に興味のある方にお勧めの書だ。

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    2012年04月21日
  • ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか

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    日本の社会保障制度はこの数十年、その体制をほぼ変わらずに維持しているが、果たしてそれは現代社会と適合しているのか?
    生活保護や年金など、その体制維持が破綻しかけているもの、本来の役割を果たしきれず、真に必要としている人の元へ届いていないものなどの、抜本的な見直しが必要だと感じた。
    また、ベーシック・インカムは現行制度と比べて効率性が高いことが分かった。

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    2024年04月23日
  • ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか

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    最近何かと話題となってるベーシックインカムだけど、それに関して哲学的な問いから現在の政府の問題まで分かりやすく説明されていて面白かった。
    日本の生活保護の金額が他の国よりも高いってのはびっくり。狭く高額に配るよりと、広く浅く配ってほしいな。
    フリードマンの、平等主義者と自由主義者は真っ向から対立するってのは面白かった。 自分は平等主義者よりかも、、、

    自分は経済学者出ないし経済事情について詳しくないけど、本当にこの通りにすすむんだったらぜひベーシックインカムを導入して欲しいと思った。

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    2023年10月06日
  • プーチンの失敗と民主主義国の強さ 自由を守るウクライナの戦いを経済学から読む

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    本書は、著者が昔から不思議に思っていたことで書く機会がなかったことを一冊の本に著したものだそうです。それは、独裁者の目的は何か、自由と民主主義は素晴らしいものなら何故世界に広がらないのか、第二次世界大戦でフランスがドイツにあっさりと負けてしまったのは何故なのか、戦争やパンデミックに自由主義体制は対応できるのかといったことです。ウクライナ戦争をきっかけに世界の知識人が「話し合いで解決できる」と主張することにも疑問を感じていたそうです。上記の事を様々な引用文献で分析しつつ、民主主義国の戦争での強さを、定量的に分析し著されています。

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    2023年02月08日
  • デフレと闘う 日銀審議委員、苦闘と試行錯誤の5年間

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    日記形式

    気になる箇所だけつまみ食い

    個人的主観も多少混ざっている様子です

    2016年に物価水準の財政理論がクローズアップされた頃の日銀内での雰囲気が分かったのが良かった。

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    2021年08月09日
  • ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか

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    ■著者が扱っているメインテーマ
    国民の生活を守るためにできることは何か?
    国家の役割を問い直す。

    ■筆者が最も伝えたかったメッセージ
    BIは、同じ財政支出えより効果的に貧困を解決でき、
    福祉の網の目から落ちる人をなくすことができる。
    そのために、現行の雇用維持政策、福祉政策の非効率、寛大すぎる生活保護制度を見直し、それら予算をBIに置き換えれば、国家には十分可能な政策である。

    ■学んだことは何か
    現行の社会保障制度は、必要とすべき人に行き届いていない欠陥があるし、不透明な部分があると感じる。BIはすべての人の生活の安心を与え、現行の欠陥制度を解消できるシンプルでベストな方法だと実感した。

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    2021年03月14日
  • ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか

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    ネタバレ

    貧困を解決するための、ベーシックインカム。
    現在の貧困を解決するための政府の政策は、ほぼ失敗に終わっている。
    一つは、生活保護制度。現状、受け取るための水準が高すぎて、本来もらうべき収入の人々が貰えていない。これは、全国民にBIを給付することで解決できる。
    二つ目は、収入を得るための職業訓練である。
    魚を与えるのではなく、その魚の釣り方を教えなさい。という言葉があるけれども、今のところ、不正などが横行し、失敗に終わっている。
    したがって、BIのように、直接給付つまり、ばらまき政策が、貧困に対する一番効果的な政策である。

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    2021年02月07日
  • ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか

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    リフレ派(アベノミクス金融緩和論者)
    原田泰2015年作。
    貧困問題やら年金問題は、全国民一律7万円
    (子供3万円)毎月支給ただし所得税は一律30%
    ベーシックインカム(UBI)で解決だ。
    一律10万円支給しようとすると所得税は50%(泣)
    この秋、竹中平蔵さん発言により突然話題に
    それまで積極推進派だっはずの朝日新聞など
    が何故か一転反対に転換(笑)世界初導入で日本が救える
    かは冷静な議論が必要なことだけはわかったかも。

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    2020年12月20日
  • ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか

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    OECD国中で日本は米国やイタリアに次いで相対貧困率が高いとは驚いた。著者の訴えるベーシックインカムの様々な利点はそうかもしれない、と一応思うことができた。財源で年金や雇用保険とあてにするというのはわかるが、それ以外の部分は捕らぬ狸の皮算用。民主党の事業仕分けを思わせる。大幅な支出超過である現状の国家予算と比較しても足りなそうなのでは、説得力に欠けると言わざるを得ない。とは言いつつ、こんな大胆な変革がおきる時代を体験してみたいものだ。

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    2020年12月16日
  • ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか

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    ヤバい理論と言われるベーシックインカムを、現在の予算などを考慮して真剣に行うにはどうするかを記した本である。とても現実もがあって面白いと思った。
    ただこれをリアルでやるなら国会が荒れるだろうなあ。

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    2020年06月28日
  • ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか

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    特定のバラマキ政策をするよりはBIを採用する方が効果があることが分かった。基本的に全ての人の年間所得は「自分の所得×70%(30%は税金)+BI 84万円(月7万)」となり、収入のない人でも84万円が支給されるというもの。これで今の生活保護制度や年金といった社会保障等の代替えができ、かつ財源もそこからと所得税30%でカバーできるという。あくまで理論上の話ではあるが、現状の政策はお金ばかり使って目的を果たせないのだから、実際やってみる価値がある理論だと思う。

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    2017年04月11日
  • ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか

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    ベーシック・インカム(BI)に関する議論は、日本では一時盛んだった。山森亮『ベーシック・インカム入門』(光文社)は2009年刊、2010年には『POSSE』や『現代思想』がBI特集を組んでいたし、それ以外にも堀江貴文や東浩紀といった様々な立場の人がBIについて積極的な発言をしていた。2017年の今日、議論は低調である。本書『ベーシック・インカム』が刊行された時点(2015年)でも、すでに低調だった(書店の新刊コーナーで本書を見つけたとき、妙なタイミングで出てきたものだな、と思ったことを覚えている)。低調の理由として著者・原田は、1.BIが巨額の財政支出を伴うとの誤解が広まったこと、2.貧困は必

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    2017年02月05日
  • ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか

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    日本における貧困の実態、ベーシックインカムの思想的背景、BIを実施する場合の制度設計と財源等の実現可能性について簡潔に整理してあり、経企庁出身のエコノミストらしいまとめ方だと思う。
    貧困の定義にもよるが、日本では1000万人近い人が貧困に陥っており、政府の政策次第ではこれを即座に解消できるのであるから、ぜひBI政策を導入すべきという著者の熱意が感じられる。

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    2016年08月21日
  • ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか

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    今、日本で母子家庭が貧困にあえいでいることを考えると、生活保護での医療費のケアが受けられなくても、ベーシック・インカムという制度について、真剣に考えてみてもいいのかもしれません。本書には、貧困における自殺者に関してのデータは載っていませんが、ベーシック・インカムを導入することで自殺者も減る可能性もあるかもしれませんし。

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    2016年06月15日
  • ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか

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    最初は懐疑的でしたが、負の所得税あたりから、フムフム、そうかもの思いだし、最後はそーかもーねー、とまで思うようになりました。
    しかし、世界でまだ例がないってことは何か決定的な欠陥があるのでは?と訝しがってます。
    負の所得税の方が納得感あるんだけどね。事務費がかかっちゃうんだろうか。
    移民受け入れと、福祉が並び立たないってのは、ぼんやり思ってたところを気付かされました。

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    2016年01月16日