原田泰のレビュー一覧
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原田先生からご恵送賜りました。一番、刺さったのはやはり日本が1980年代に日本は最先端に行ってしまったからもはや追いつき型の経済成長はできないと皆が思ってしまったことが躓きのもとであったという指摘(p.48)、実際にはアメリカの8割(一人当たり購買力平価GDP)しかいっていなかったのに……。
資本ストックはその伸びだけではなく、新しい資本には新しい技術が体化されていてそれが生産性を高めるというソローを引用しながらの主張も絶妙(第1章第6節)。
第3章「人手不足でなければ経済は効率化しない」は本書の肝(「高圧経済」論)であるが、池田勇人の所得倍増もアベノミクスも松方デフレ後の松方財政もすべて -
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2015年から2020年までの5年間に亘る、日銀の審審議委員を務めた著者の日銀に於ける奮闘の記録です。審議委員として、体験したことが日記形式で書かれており、関係した人はほぼ実名で著されています。日銀での審議委員としての業務を行っていく中で著者が様々なことに直面して、それらをどのように考えているかが詳らかになっているのは興味深いです。本書で全体的に、どんな政策を日銀が行っても、文句ばかり言ってくる銀行には辟易しているように感じました。それにしても、黒田総裁が選ばれるまでの日銀の総裁などの人事は、財務省・日銀の推薦リストに基づいて、適当に決められていただけというのは驚きました。その人事のおかげで、
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■著者が扱っているメインテーマ
国民の生活を守るためにできることは何か?
国家の役割を問い直す。
■筆者が最も伝えたかったメッセージ
BIは、同じ財政支出えより効果的に貧困を解決でき、
福祉の網の目から落ちる人をなくすことができる。
そのために、現行の雇用維持政策、福祉政策の非効率、寛大すぎる生活保護制度を見直し、それら予算をBIに置き換えれば、国家には十分可能な政策である。
■学んだことは何か
現行の社会保障制度は、必要とすべき人に行き届いていない欠陥があるし、不透明な部分があると感じる。BIはすべての人の生活の安心を与え、現行の欠陥制度を解消できるシンプルでベストな方法だと実感した。 -
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ベーシック・インカム(BI)に関する議論は、日本では一時盛んだった。山森亮『ベーシック・インカム入門』(光文社)は2009年刊、2010年には『POSSE』や『現代思想』がBI特集を組んでいたし、それ以外にも堀江貴文や東浩紀といった様々な立場の人がBIについて積極的な発言をしていた。2017年の今日、議論は低調である。本書『ベーシック・インカム』が刊行された時点(2015年)でも、すでに低調だった(書店の新刊コーナーで本書を見つけたとき、妙なタイミングで出てきたものだな、と思ったことを覚えている)。低調の理由として著者・原田は、1.BIが巨額の財政支出を伴うとの誤解が広まったこと、2.貧困は必