【感想・ネタバレ】ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるかのレビュー

あらすじ

格差拡大と貧困の深刻化が大きな問題となっている日本。だが、巨額の財政赤字に加え、増税にも年金・医療・介護費の削減にも反対論は根強く、社会保障の拡充は難しい。そもそもお金がない人を助けるには、お金を配ればよいのではないか――この単純明快な発想から生まれたのが、すべての人に基礎的な所得を給付するベーシック・インカムである。国民の生活の安心を守るために何ができるのか、国家の役割を問い直す。

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Posted by ブクログ

ベーシックインカムと生活保護について実務に携わる者として勉強しています。
将来的にはもう一度大学に戻って研究したいなと思ってます。
この本は高校の友人(大学教授)に推薦してもらったものでなかなか読み応えのある本でした。

しかし109ページに昔取材受けた内容が引用されてたので少し笑いましたσ^_^;
もし読まれることがあればぜひ見てみてくださいd(^_^o)

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2018年08月22日

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日本の社会保障制度はこの数十年、その体制をほぼ変わらずに維持しているが、果たしてそれは現代社会と適合しているのか?
生活保護や年金など、その体制維持が破綻しかけているもの、本来の役割を果たしきれず、真に必要としている人の元へ届いていないものなどの、抜本的な見直しが必要だと感じた。
また、ベーシック・インカムは現行制度と比べて効率性が高いことが分かった。

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2024年04月23日

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最近何かと話題となってるベーシックインカムだけど、それに関して哲学的な問いから現在の政府の問題まで分かりやすく説明されていて面白かった。
日本の生活保護の金額が他の国よりも高いってのはびっくり。狭く高額に配るよりと、広く浅く配ってほしいな。
フリードマンの、平等主義者と自由主義者は真っ向から対立するってのは面白かった。 自分は平等主義者よりかも、、、

自分は経済学者出ないし経済事情について詳しくないけど、本当にこの通りにすすむんだったらぜひベーシックインカムを導入して欲しいと思った。

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2023年10月06日

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■著者が扱っているメインテーマ
国民の生活を守るためにできることは何か?
国家の役割を問い直す。

■筆者が最も伝えたかったメッセージ
BIは、同じ財政支出えより効果的に貧困を解決でき、
福祉の網の目から落ちる人をなくすことができる。
そのために、現行の雇用維持政策、福祉政策の非効率、寛大すぎる生活保護制度を見直し、それら予算をBIに置き換えれば、国家には十分可能な政策である。

■学んだことは何か
現行の社会保障制度は、必要とすべき人に行き届いていない欠陥があるし、不透明な部分があると感じる。BIはすべての人の生活の安心を与え、現行の欠陥制度を解消できるシンプルでベストな方法だと実感した。

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2021年03月14日

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ネタバレ

貧困を解決するための、ベーシックインカム。
現在の貧困を解決するための政府の政策は、ほぼ失敗に終わっている。
一つは、生活保護制度。現状、受け取るための水準が高すぎて、本来もらうべき収入の人々が貰えていない。これは、全国民にBIを給付することで解決できる。
二つ目は、収入を得るための職業訓練である。
魚を与えるのではなく、その魚の釣り方を教えなさい。という言葉があるけれども、今のところ、不正などが横行し、失敗に終わっている。
したがって、BIのように、直接給付つまり、ばらまき政策が、貧困に対する一番効果的な政策である。

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2021年02月07日

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リフレ派(アベノミクス金融緩和論者)
原田泰2015年作。
貧困問題やら年金問題は、全国民一律7万円
(子供3万円)毎月支給ただし所得税は一律30%
ベーシックインカム(UBI)で解決だ。
一律10万円支給しようとすると所得税は50%(泣)
この秋、竹中平蔵さん発言により突然話題に
それまで積極推進派だっはずの朝日新聞など
が何故か一転反対に転換(笑)世界初導入で日本が救える
かは冷静な議論が必要なことだけはわかったかも。

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2020年12月20日

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OECD国中で日本は米国やイタリアに次いで相対貧困率が高いとは驚いた。著者の訴えるベーシックインカムの様々な利点はそうかもしれない、と一応思うことができた。財源で年金や雇用保険とあてにするというのはわかるが、それ以外の部分は捕らぬ狸の皮算用。民主党の事業仕分けを思わせる。大幅な支出超過である現状の国家予算と比較しても足りなそうなのでは、説得力に欠けると言わざるを得ない。とは言いつつ、こんな大胆な変革がおきる時代を体験してみたいものだ。

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2020年12月16日

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ヤバい理論と言われるベーシックインカムを、現在の予算などを考慮して真剣に行うにはどうするかを記した本である。とても現実もがあって面白いと思った。
ただこれをリアルでやるなら国会が荒れるだろうなあ。

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2020年06月28日

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特定のバラマキ政策をするよりはBIを採用する方が効果があることが分かった。基本的に全ての人の年間所得は「自分の所得×70%(30%は税金)+BI 84万円(月7万)」となり、収入のない人でも84万円が支給されるというもの。これで今の生活保護制度や年金といった社会保障等の代替えができ、かつ財源もそこからと所得税30%でカバーできるという。あくまで理論上の話ではあるが、現状の政策はお金ばかり使って目的を果たせないのだから、実際やってみる価値がある理論だと思う。

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2017年04月11日

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ベーシック・インカム(BI)に関する議論は、日本では一時盛んだった。山森亮『ベーシック・インカム入門』(光文社)は2009年刊、2010年には『POSSE』や『現代思想』がBI特集を組んでいたし、それ以外にも堀江貴文や東浩紀といった様々な立場の人がBIについて積極的な発言をしていた。2017年の今日、議論は低調である。本書『ベーシック・インカム』が刊行された時点(2015年)でも、すでに低調だった(書店の新刊コーナーで本書を見つけたとき、妙なタイミングで出てきたものだな、と思ったことを覚えている)。低調の理由として著者・原田は、1.BIが巨額の財政支出を伴うとの誤解が広まったこと、2.貧困は必ずしもお金だけの問題ではないとの認識が広まったこと、の2点を挙げる(「はじめに」)。おそらく、大きいのは1点目であり、そして本書の特色はこれに対してなるべく具体的な解答を提示しようという点にある。

つまるところ、本書の肝はBIの財政学的検討であり、それは具体的には最終章である第3章でなされる。ちなみに、第1章では日本の貧困の現状を概観し、第2章ではBIの思想的位置づけを整理する。第2章はそれなりに有用かもしれないが、近衛文麿のくだりはあんなに紙数を割く話でもないだろう。

そして肝心の第3章である。「BIは財政的に実現可能なのか」という点のみが知りたい、という向きはこの章だけ読んでもよいかもしれない。具体的には、BIの給付水準、財源、既存の制度との整合性、などの制度設計の問題に加え、BIに関してよく話題となる「労働意欲を阻害するか」「BIは賃金を引き下げるか」といった問題も検討される。

この章に限らず、本書の特徴は多くのBI本にありがちな左翼臭さがない点である(著者自身も別に左翼ではないだろう)。理念・理想を説くという風でなく、文体なども全体的にサバサバした印象だ。そんなわけだから、左翼系の議論が避けたりごまかしたりしがちな領域にも、恐れることなく入っていく。例えば「BIと移民」の問題(152‐154頁)。著者は、この問題を論じるにあたって、まず宣言する。「BIは、移民を制限することになる」「福祉国家は、移民を制約する国家であることを、むしろあらかじめ明らかにしておくべきだ」。まぁ当然と言えば当然の話なのだが、「弱者への配慮」や「開かれた共同体」を旨とする左翼にあっては、このような言い切りがなかなかできないものなのである。

文章もわかりやすいし、気軽に読める一冊である。広く読まれてほしいものだ。確かに、日本での議論はすっかり下火だが、世界ではBIに関して様々な実験がなされつつある。依然として注目に値するアイディアだと思う。

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2017年02月05日

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日本における貧困の実態、ベーシックインカムの思想的背景、BIを実施する場合の制度設計と財源等の実現可能性について簡潔に整理してあり、経企庁出身のエコノミストらしいまとめ方だと思う。
貧困の定義にもよるが、日本では1000万人近い人が貧困に陥っており、政府の政策次第ではこれを即座に解消できるのであるから、ぜひBI政策を導入すべきという著者の熱意が感じられる。

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2016年08月21日

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今、日本で母子家庭が貧困にあえいでいることを考えると、生活保護での医療費のケアが受けられなくても、ベーシック・インカムという制度について、真剣に考えてみてもいいのかもしれません。本書には、貧困における自殺者に関してのデータは載っていませんが、ベーシック・インカムを導入することで自殺者も減る可能性もあるかもしれませんし。

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2016年06月15日

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最初は懐疑的でしたが、負の所得税あたりから、フムフム、そうかもの思いだし、最後はそーかもーねー、とまで思うようになりました。
しかし、世界でまだ例がないってことは何か決定的な欠陥があるのでは?と訝しがってます。
負の所得税の方が納得感あるんだけどね。事務費がかかっちゃうんだろうか。
移民受け入れと、福祉が並び立たないってのは、ぼんやり思ってたところを気付かされました。

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2016年01月16日

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良書。
現代は、子供は消費財。腑に落ちた。
確かに、昔は、農家、自営業では、子供は資産、老後の保険、働き手だったが、今は違う。将来子供が自分達を養ってはくれない。
でも、社会に取っては資産だ。社会で子供を育てなければいけない。日本の社会はそれについていっていない。

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2015年09月26日

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自分にとっては分かりやすい内容だった。BIのためのお金をどうやって生み出すかをグラフなどを用いて示してくれたのには納得がいったが、まだまだ大雑把に分かったのみなので、もっと理解できるようになりたい。

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2015年05月05日

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究極の「バラマキ政策」BIについて初めてまとまったものを読んだ。
格差社会の現状から説き起こし,思想的系譜を辿った上で,良くある誤解に対するフォローや批判に対する反論を通じて,今の日本においてもBI導入は充分実現可能であると主張している。
データに基づいて論じているのは好感がもてる。それによると,今の生活保護の水準を上回るような給付額には無理があるようだが,著者はそれでも問題ないとしている。
子供への給付は「母親の口座に振り込む」とか,狭い仮設住宅より普通の家に二家族で住む方が快適だとか,賛同できない点もいくつか散見されるし,何より現実に問題なく回る制度かどうかについては全く説得的ではなかったのだが,BIの哲学や具体的な中身を知るには良い本だった。複雑極まりない各種社会保障制度を整理していく必要はおそらくあるんだと思う。最終的にBIを目指すにしても,一気に導入というのはとても無理だろう。ある程度の時間をかけて,徐々に一元化していくことになるのかな。

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2015年04月24日

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BIの議論は、巨額の財政支出が必要という誤解と貧困はお金だけの問題ではないという考え方。

無駄に働くことは、働かないことのコストよりも大きい。
労働意欲を阻害するか。
国民の範囲を限定する。
夢追い人を増やさないか。

BIは究極のバラマキ政策。バラマキは悪くない。

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2021年05月17日

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(2021年6月の感想)
2年前は、生活補助に対してベーシックインカムの感想を書いていた自分がいたが2年が経過して思いも変わったのですこし整理しておく。

まず生活保護受給者であるが受給者の大半は人生を歩んだ環境がとても複雑だったり深刻な心の病を患っている人等である。現在は適当な一定額を給付して「あとは自己責任でよろしく」ですませてはおらず、実際には役所の方が彼らの自立は精神的にほぼ不可能であることを感じつつ、彼らを一人の人間として扱って自立のチャンスを地道に提供している現実がある。役所の人はとても大変だけど、捨てていけないとても大事な仕事だなあって思って、そういったことをもっと積極的に知っていかないととも思っている。見捨てるのは短期的な生産性で評価すればプラスだろうけど、みんなが人を見捨てる価値観が標準な社会だったら息苦しさが半端ない、秩序に支配され個性を悪とみなす絶望社会だと思う。
そんなベーシックインカムは「キングオブ・ザ・自己責任」で人をより切り捨てる仕組みになっちゃわないかなあって憂慮を感じる。。。

未来永劫その財源が確保される保証があるのかはさておき、一部の社会サービスは確実に削減され、例えば特殊な人しか都心に住めず、地方に移住するしか術がなくなるといったようないやおうなしな必然強制事業整理が発生することも十分に考えられる気がする。ドラスティックな変化を実現できるメリットがある一方、普通に細く長く暮らしたい多くの生身の人間にとってその必要は全くなくていい迷惑でしかない気がする。。。

なので僕は2021年時点では反対かなあ。

(2019年8月の感想)
BIそのものや、その利点/有益性がよくわかっていなかったのでこのタイミングでBI入門の親書を読んでみました。

ネットでも調べましたが中々ドラスティックながら一理あるシステムだなと思いました。とはいえ、現在の日本は本当に生活費が困窮してる人に対して予算がないとかいって役所が生活補助を認可しないようなバカげた社会保障ルールになってるから、いっそ抜本的にBI制にしたほうがマシなんじゃって思ってもみたりした。

「もらうべき人がもらってない」、「まともでない人にまともになってもらうよう尽力できていない」欠陥だらけの日本の福祉制度、実力不足の現在の日本の官僚と政治家じゃ解決できない。じゃあどうする?をいますこし悩み考えてたりする。
(最後のほうで本の感想からずれちゃってスミマセン...)

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2019年08月28日

Posted by ブクログ

生活を保障するものは「地縁・家族」→「会社」という風に変遷してきた。戦後、日本国民の多くは自営業からサラリーマンとなった。企業は成長して人手を欲しがっていた。年金や保険を拡充しなければ自社に人手不足になってしまうという背景もあって、高度経済成長期を通して企業の保険に加入する人の割合が増えた。

しかし、非正規雇用が拡大している現在ではこのような社会福祉体制は弱くなっている。これは単に最低賃金を上げればよいという問題ではない。最低賃金の上昇は失業率の上昇を引き起こすからだ。ここで問題なのは生活保護を受給するハードル(生活保護水準)が高いということだ。このある種の選民思想的な分配法則を持つ理由は現在の福祉制度がビスマルクの政策を手本にしているからだ。その政策は弱きに目を向けないというものであるが、それは福祉国家のあるべき姿とは言えない。

日本はワーキングプアーが多い。(失業率は低いが、経済格差は大きい)
これに対する政府の打ち手は公共事業で雇用を創出するというものだ。しかし、これで増える雇用は非正規であり、根本的な問題解決になっていない。このような無駄な支出を抑える代わりにより、貧困にダイレクトに響くBIを支給するべきだ、というのが著者の主張である。

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2019年07月09日

Posted by ブクログ

手軽に読み切れるベーシックインカム本。貧困とはお金がないこと、と明快に主張し、その思想的背景とベーシックインカムの有効性・妥当性を述べる。社会保障財源を整理することで現代日本でベーシックインカムは可能だし、著者の言う「貧困」は解決しうる、と言っている。

「共産主義者」近衛文麿が出てきたり、なぜかABCD包囲網が出てきたり、福祉をまともでない人の矯正なんて捉えたりして、随所で読む気を削がれるが、たぶん国民経済計算の方法なんかは間違っていないのだろうから、有用な本であろうなと思った。
細かいところを除けば、「あとがき」で結論書いてあるし、寄り道を削ぎ落とせば、内容的にはパワポ10枚くらいで十分な気もする。

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2019年01月05日

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ネタバレ

日本では、約1000万人の人びとが、
年84万円以下の収入で暮らしているようです。
そういった貧困を無くすため、
皆が最低限の健康で文化的な生活を保障するための思いきった政策として、
著者はベーシック・インカムを提唱し、
経済や政治の分野での込み入ったところ、
細かいところまでを解きほぐす形で話を進めています。
それゆえに、ベーシックインカムは、
社会思想としてあるいは社会学的に語るだけのものではなく、
実践的な議論をするまでの段階に来ているのだなあと読めます。

雇用状況や所得状況の現実をみる第1章からはじまり、
第2章ではベーシック・インカムにいたるまでの、
そしてベーシック・インカムを支持するいろいろな思想や立位置、
つまり、コミュニタリアン(共同体思想)であるか
リバタリアン(個人自由思想)であるか、
はたまた、パターナリズム(家父長主義的)であるか、
反パターナリズムであるか、といったところからの考え方を紹介します。
僕にはこの章での、ジョン・ロールズの「マクシミン原則」がおもしろかったです。
これは大多数の幸福を優先する功利主義とは違い、
最下層の人々に対する効用を最大に考えるものでした。
そうやって、底上げすることでの社会的幸福があるだろうという考え方です。

最後の第3章ではベーシック・インカムを実現するための財源の確保を
著者なりに具体的に示し、さらにベーシック・インカムが実現することで
危惧される問題についても反論しています。
著者は、これまでいろいろよくないイメージをもたれているバラマキ政策だけれども、
目的と効果がはっきり考えられている点で、
たとえば高速道路無料化や児童手当、公共事業とは違うのだと主張しています。
これはこれで、もっともな考え方なのですが、
やはり財源を考えたときに、
そんなにうまくいくかなあと素人なりの疑問は残りました。

思った以上に政治家向けというか、
図やグラフであってもなかなかややこしく、
新書にしては専門的で入門書としては難易度が高めかもしれないです。
それでも、がりがりとがんばって読んでみれば、
この分野の知見が広まる読書になるでしょう。
貧困は大きな問題ですからね、
大きな舵取りだって必要なんじゃないかなと
僕は思いもしました。

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2018年06月30日

Posted by ブクログ

ベーシックインカム。それは「すべての人に生きていくために必要なお金を年齢、性別に関係なく配ってしまおう」という政策のことだ。最近ではAIの発展との関係で語られることも多くなり注目を集めている。

本書は、そのベーシック・インカムについて具体的な例をあげつつ、その実現の可能性について論じている。著者の結論は「私は、日本もイギリス、フランス、ドイツ、アメリカのように給付水準を引き下げて、生活保護を受ける人の比率を高くすべきと考える」というもので、その行き着く先がベーシック・インカムだということだ。もちろん、是非はあるだろうが、現在の格差や貧困の問題を解決しうる一つの方法として学んでおきたいテーマであり、本書はその基本図書のひとつになるだろう。

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2017年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本では、990万人が年に84万円以下の所得で暮らしている。現行の社会福祉政策はあまりにも非効率で、貧困の解決には非常に限定的。それを、全国民に一律で大人一人月7万円、子供一人月3万円を無条件で支給することとし、生活保護や年金などと置き換える(なので財源確保可能)、そのうえで勤労意欲を削がないように、所得には一律30%の税を課す、というのが著者のおもな主張。

個人的には第3章が参考になった。2章は飛ばしてもよかったかも。

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2016年09月04日

Posted by ブクログ

貧困は要するに金のない人ということ。であるならばそこは一律で銀行口座を設定してもらってそこに振り込む。そして福祉官僚はお金だけでは解決できない人間関係とか能力開発に特化すればちいという主張。真ナンバーだと抵抗するけど国民全員がばら撒きでBIを受け取れるから銀行口座を登録し所得はすべてそこにいれるようにというのは徴税のことを考えても正解だとおもう。課題は人は金をもらうと怠惰になるのでは?という懸念。自分は懸念だとおもい、そういう人もいるけど金のこと気にしなくていいから文化やスポーツや冒険が爛熟するう期待がある。

一九六〇年代以降でもっとも重要な変化は、子が資本財ではなく消費財になったことである。

非正規の労働者であることは、所得が低いだけでなく、保障がない

BIは、すべての人に所得を給付する。具体的には、すべての人の銀行口座、子どもであればその母親の銀行口座に政府がお金を振り込むということである。振り込むことのコストはほとんどゼロである。またそれは、政府が人々の銀行口座を知るということである。これは政府の所得捕捉を容易にするという利点がある。政府は人々にBI番号を与え、銀行はこの番号を控える。一人の人間は一つのBI口座しか持てない。すべての人は、あらゆる所得をとりあえず口座に通さなければならない。

私の提案は、BIの導入によって、公共工事などで無理やり仕事を作ることをやめようということだけだ。

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2016年09月22日

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【ベーシックインカムの基礎を学ぶ】
スイスで国民投票にかけられるベーシックインカム。すべての人に(所得の高低問わず)一定の金額を付与することで、国家から貧困をなくし、経済的に発展できる仕組みを作り上げるものだ。

本書では、
1)そもそもベーシックインカムとは何か
2)財源をどのように確保するのか
3)導入するとどのようなメリットとデメリットがあるのか
を中心に説明している。

文中、数字が出てきてしっかり読まないとわかりにくい。数字が出てくる割に文字だけで済まそうとしているからである。

数字的なロジックも含め、100%理解したわけではないけれど、ベーシックインカムの基本的な考え方などは頭に入ったのでよしとする。

今のところは、ベーシックインカム導入賛成論者になった。財源の箇所の詳細はもっと理解したいが、生活保護が機能してない現在、この制度は貧困を解決するだけではなく、国家として経済的に発展する起爆剤になるのではないかと期待を寄せる。

ただ気になるのは、移民の箇所。今後の日本に移民はマストだと信じているので、福祉国家と移民受け入れが反対方向に働く以上、そのバランスは財源同様に理解したい。

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2016年05月11日

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ネタバレ

バラマキは正しい政策である。
誠にその通りなのだが、「控除から手当」の掛け声倒れ、実現しない。「バラマキ」嫌いの人が読んでもきっと納得しないだろう点を考慮して減点。

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2016年01月03日

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生活保護という形ではなく、
BIとして全員に受給する方がいいのかなーと思ってしまった。
飢え死にということは防げるのかもしれない。

具体的にいくら配ればいいのかという
考察もされていて興味深い。

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2015年12月12日

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ネタバレ

20151203~1223 ベーシック・インカム(BI)についての入門書的かつ提言書。思想的な背景がわかりやすいけど、何故に近衛文麿について詳しく書かれていたのかな?後半の予想される批判に対する回答が興味深かった。軽減税率を導入するよりは給付額を増やした方が効率的な気がする。

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2015年12月24日

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 国家の財政はベーシック・インカムに耐えられるのか? 本書はベーシック・インカム最大の問題点と考えられている財政問題に切り込み、そして現在の国民負担をほとんど増やすことなく、成人一人当たり7万円/月程度(子供は半額)のベーシック・インカムが可能なことを明らかにする。
 世界で最悪な部類に入る子供の貧困率、シングルマザーの貧困、そしてこれから確実に増加する無年金の高齢者たち。それらを解消するための仕組みは現在機能しているとは言えない。そこで、生活保護や基礎年金、児童手当、失業手当・・その他の「健康で文化的な最低限度の生活を営む」(憲法25条)ための仕組みをベーシック・インカムに置き換えることで一気に網羅的に(現在では生活保護システムにアクセスできない人が数百万人いると推定されている)、そして単純に解決できる。所得を把握する必要もないので、行政事務コストは限りなく削減できる。それらをベーシック・インカムでは救えない、経済的ではない困難を抱える人々の救済、「本来の仕事」に当たることができる、と著者は言う。
 新書なので各論について十分に詳しいわけではないが、総論においてベーシック・インカムを導入しない、という選択はないほどに説得的な本である。

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2015年07月14日

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