寺尾紗穂のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
【歴史は繰り返す
また日本から出る移民
日本に入る移民が増えるこの時代に
過去の移動した民である10家族の直の声
-人生のストーリー-を聞ける素晴らしい本】
読んで感じた印象は全体的に、
移動する民、移動する人々は
フットワークが軽い、移動し続ける、
動かない後悔より、動く後悔を選ぶ人たちだということ。
同じ苦労ならそちらを選ぶという二択で
移住しないも大変
移住するも大変な時代。
#戦争 #飢餓 #貧困
今もね。
行動力、生命力、体力。
前進力、転換力、努力。
•
そもそも、戦前は植民地開拓で、
戦後も国内の人口が増えすぎた時、
国策としての外地への移民送り出しだから、
-
Posted by ブクログ
著者の寺尾紗穂さんを
音楽家として知り
同時にルポルタージュ作家でもあると知り
以前から作品を読みたいと思っていました。
日本が貧しかった頃
多くの日本人がブラジルに移住したという話しは
子供のころ、テレビ等で見て知ってはいました。
その移住地がブラジルだけではなく、
パラオ、アルゼンチン、パラグアイ‥と
多岐に渡る事。
そして時期に関しては戦前から高度経済成長期と
言われている時代まで続いていたことを
本書で初めて知りました。
移住先での苦労もさる事ながら
終戦間近、直後の混乱の中
帰国を余儀なくされて
戻ってきた人達に
更なる過酷な暮らしが待っていた事。
途中、敵の攻撃を受けて
-
Posted by ブクログ
彼女の言葉が頭の中で反芻する。
「日が沈みゆく空を仰ぐ時。過ぎ去った今日を思う。それから昨日を思う。会えない人を思う。なぜいないのかと思う。なぜ出会ったのかと思う。浮き上がる疑問符を残り場はやさしく照らす。」
「文学や芸術とは、『社会の役に立たないから』という硬直した考え方を前に、しなやかに返答し続けるもの。」
淡々と語りかけているが、彼女の歩んできた人生の深さを垣間見れる。答えのない問いに対し考え続け、ひとつひとつに向き合う姿勢が魅力的だ。楽曲を聴いてから本書を知ったが、曲がつくられた背景なども詳細に記憶しており、丁寧に過ごされてきた人生の有意義さに感服した。 -
購入済み
私は知らない
現代ビジネスの連載で、寺尾紗穂さんはコラムの執筆を続けていた。
原発で働いている人のことを私は知らない。
そうした知らない人を踏みにじって、私たちは電気を使っている。
土方さんの仕事の闇は、原発に限ったことではない。
下請け構造が多層化している分野においては、どこも労働者の待遇はひどいのかもしれない。
そうした危険を理解しながらも、働かざるをえない人がいる。
貧しさ、人間関係、生まれ、家庭環境、さまざまな背景とその人の仕事は結び付けられ、縛られている。
巨大なエネルギーをもった動力を得るために、失われているものは何か。
本著は失われたもの、失われつつあ -
Posted by ブクログ
「日本人が移民だったころ」というタイトルから素晴らしい。そして今はまた「日本人が移民になる」ということがまた出てくるのではないかと思われる時代だ。少子化は進むのに「日本で生活が苦しいから出て行く」というようなことにはならないでほしい(可能性を求め出て行く気持ちそのものは素晴らしいと思う)。
その逆のことが同時に進んでいる。今は日本に来る「移民反対」の意見が多いと思うが、誰も来てくれなかったら日本が立ち行かなくなるような時代が既に来ている。きちんとした「移民」として認めなくてはいけない時代ではないか。誰にも来てもらえない国に近づいているようでもあるのがとても心配だ。
難民認定に関しては日本という -
Posted by ブクログ
戦前、経済的に厳しい生活を脱するべくパラオに渡った人たち。終戦と共に帰国を余儀なくされた引揚者には宮城の北原尾、種子島の原尾といった開拓地に入った人たちがいた。さらにはパラグアイやアルゼンチンに移民として渡った人たちもいた。
著者が聴き取った個々の人生は戦前戦後を跨いだダイナミックな物語だ。もちろん苦労・苦難に溢れた悲惨な体験が語られるが、そればかりではなく、よりよい生活を求めて新天地に向かう夢・野心・バイタリティも感じられる。
歴史として残るのは国の物語だが、それに翻弄されもがいた個人の人生を知る機会、想像する機会はあまりない。
大きなうねりに右往左往するのは現代の自分たちも同じだと思う。 -
Posted by ブクログ
「気を衒うことなくとてもシンプルなのに、ものすごい力強さと美しさを持っている」
というのは、文章だけでなく歌や演奏、作詞作曲に至るまで、寺尾紗穂さんの表現活動全てに共通する特徴だと思いますが、どの分野においても高いレベルで具現化されていることに、ただただ圧倒されます。
本書は内容も素晴らしいですが、帯にあるいとうせいこうさんの「丁寧に書くことは 丁寧に生きること。」という言葉に心を掴まれました。
本書の中のどこか一場面を指しているわけでもないのですが、本書のどこを読んでも奥底でこの言葉が共鳴するようで、こんなに短い一文で的確にこの本の本質を表現できることにとても驚かされました。