寺尾紗穂のレビュー一覧

  • 原発労働者

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    著者の取材姿勢や書きぶりは誠実だ。どのような経緯で取材を始めたのか、どのようにしてインタビュイーを見つけたのか、著者自身がどのような気持ちや考え方でインタビューをしたのか、インタビュイーはどんな人なのか、インタビューで、語られたことの信憑性や一般性について、著者自身がどこまで確認できているか、等々、できる限り単純化や図式化を避け、その上で自身の思いを述べている。汚染水の放出や原発再稼働が既得権層によって叫ばれる中、この本が多くの心ある人に人にもっと読まれるべきだと思う。

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    2023年08月30日
  • 天使日記

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    寺尾さんの本を読むと、知らないことが100個くらい出てくる。それをまた調べて、あたらしい作品や人のことを知って、そうやってどんどん世界が広がっていく。わたしという人間に、目には見えにくいけど、確かで良い変化をもたらしてくれる。

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    2023年02月14日
  • 彗星の孤独

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    ゆっくり読んだ。
    不思議な人に不思議な話。
    だけど、すとんと納得がいくような。

    知らない人の知らない話を伝えてくれてありがとうと思ったり。
    一緒に体験しているような。
    分からないけど。

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    2022年09月24日
  • 彗星の孤独

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    ライブで演奏を聴いているときと同じ空気が流れていた。じっくり眺め、人のどんな思いもバカにせず、よくよく味わう。

    文中、孤独な人をなくしたいというようなことを、何回か書かれていた。それは「みんな」の輪の中に引っ張りこむということではなくて、ひとりでいても孤独ではない世界を作る、作りたい、ということなのかなと思った。

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    2021年12月08日
  • 彗星の孤独

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    彼女の言葉が頭の中で反芻する。

    「日が沈みゆく空を仰ぐ時。過ぎ去った今日を思う。それから昨日を思う。会えない人を思う。なぜいないのかと思う。なぜ出会ったのかと思う。浮き上がる疑問符を残り場はやさしく照らす。」

    「文学や芸術とは、『社会の役に立たないから』という硬直した考え方を前に、しなやかに返答し続けるもの。」

    淡々と語りかけているが、彼女の歩んできた人生の深さを垣間見れる。答えのない問いに対し考え続け、ひとつひとつに向き合う姿勢が魅力的だ。楽曲を聴いてから本書を知ったが、曲がつくられた背景なども詳細に記憶しており、丁寧に過ごされてきた人生の有意義さに感服した。

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    2020年08月11日
  • 原発労働者

    購入済み

    私は知らない

    現代ビジネスの連載で、寺尾紗穂さんはコラムの執筆を続けていた。

    原発で働いている人のことを私は知らない。
    そうした知らない人を踏みにじって、私たちは電気を使っている。


    土方さんの仕事の闇は、原発に限ったことではない。
    下請け構造が多層化している分野においては、どこも労働者の待遇はひどいのかもしれない。

    そうした危険を理解しながらも、働かざるをえない人がいる。
    貧しさ、人間関係、生まれ、家庭環境、さまざまな背景とその人の仕事は結び付けられ、縛られている。

    巨大なエネルギーをもった動力を得るために、失われているものは何か。

    本著は失われたもの、失われつつあ

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    2015年07月22日
  • 天使日記

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    天使日記を読んでる途中で歌の生まれる場所のMVにyoutubeで出会い、衝撃を受けて2023年の年末ライブにすぐ行った。紗穂さん、天使みたいだった。

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    2024年01月11日
  • 彗星の孤独

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    「気を衒うことなくとてもシンプルなのに、ものすごい力強さと美しさを持っている」
    というのは、文章だけでなく歌や演奏、作詞作曲に至るまで、寺尾紗穂さんの表現活動全てに共通する特徴だと思いますが、どの分野においても高いレベルで具現化されていることに、ただただ圧倒されます。

    本書は内容も素晴らしいですが、帯にあるいとうせいこうさんの「丁寧に書くことは 丁寧に生きること。」という言葉に心を掴まれました。

    本書の中のどこか一場面を指しているわけでもないのですが、本書のどこを読んでも奥底でこの言葉が共鳴するようで、こんなに短い一文で的確にこの本の本質を表現できることにとても驚かされました。

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    2023年06月01日
  • 天使日記

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    「南洋と私」「あの頃のパラオを探して」ファンの私としては、「パラオ再訪」はうれしかった。
    ブラジル移民のこともまた本にしてはもらえないだろうか。その他のこともいろいろ取材されているようで、それぞれが1冊の本になったらうれしいなあと思う。

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    2022年10月17日
  • 天使日記

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    前作も好きだったけど今作はより一層今の時代にフィットしている気がした。目に見えないウィルスに翻弄させられる私たちと、目に見えない存在と戯れているこどもたち。どっちもリアルの話。胸に響く言葉が多くて付箋だらけになった1冊

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    2022年02月08日
  • 彗星の孤独

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    読み終えるとすごく疲れた。良い意味で。
    ものすごく難しい言葉遣いでもなく、むしろ流れるような文体だけど言葉の密度がすごく濃い。
    世界の見え方を一枚ぺりっとめくって教えてくれたようなすごい本

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    2020年07月19日
  • 彗星の孤独

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    ネタバレ

    「好きだな、この人」と思った。
    直接、会ったことはない。
    この人の作った音楽を聴いたことはない。
    仕事をしている領域は、たぶん、重なっていない。
    日常生活の中でキャッチしている物事も、自分とはかなり違うのだろうと思う。

    しかし、寺尾沙穂さんが著書「彗星の孤独」に書かれていることを読んでいて、
    寺尾さんが感じていること、価値の置き方に魅かれた。

    本書の中に、次のような記載がある。

    『何かをアウトプットする時、
    まわりの評価や世間の常識の中でものを考え、
    そこからはみ出さない範疇で選択したり、
    答えを出すことに私たちはすっかり慣らされている。
    そのほうが楽だからだ。
    まるでその術をうまく知っ

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    2019年07月25日
  • 彗星の孤独

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    自分は読む速度は遅い方だと思っている。

    『彗星の孤独』は、1ページ1ページをまさに味わうように読んだので、ただでさえ読むのが遅いのに、さらに時間がかかってしまったように思う。

    でもぼくにとっては、それだけの時間をかけてじっくり読む価値のある本だった。

    人の温もりとか、熱とか、氷のような冷たさとか、本を読んで久しぶりに感じたような気がする。

    文章が美しくて、だけど、ところどころ心がかき乱される。
    穏やかな川の底を急に浚うように。

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    2019年04月23日
  • 彗星の孤独

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    “自分が人間性において欠陥を持っていると感じている人間の情けなさややるせなさ、痛みのようなものがお兄さんの全身から出ているのを感じ、この人は私とおんなじだ、と思った。”(p.119)

    わたしもおんなじだ、と思った。

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    2019年06月09日
  • 彗星の孤独

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    前に読んだ「南洋と私」「あのころのパラオをさがして」が好きすぎて、このエッセイ集をワクワクしすぎてすぐに読み始められなかった。読み始めると少し読んでは考え、少し読んでは考えで、なかなか進めなかった。
    お子さんを3人育てながら、たくさんの人に会い、旅をし、歌い、書いて、すごい人だと改めて思った。


    "「社会の役に立たないからなくてもいい」「レベルが低くて中途半端だから価値がない」。こういう硬直した考え方を前に、しなやかに返答し続けるものが、芸術であり文学ではないかとも思う。" 50ページ

    "何かに固執したとたん、それは古び始めるのだ。なぜなら現実は常に複雑

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    2019年04月03日
  • 彗星の孤独

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    基本的には著者の身辺雑記。彼女のファンでないと、事情がよく飲み込めない部分があるかもしれない。ただ、彼女が日頃考え感じていることに共感できるならば、自分の感じ方や価値観の支えの1つになるだろう。自らを取り巻く様々な事物・自然・コミュニティー・他者と支えあいながら生きていくこと。それを脅かす政治や経済の力に対する違和感。彼女のものの感じ方やそれに応じた行動のあり方はまっとうだと思う。

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    2019年03月17日
  • 原発労働者

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    ここに収録されているのは、たくさんの原発労働者の中のほんの数人の語りでしかない。だけど個人の、生の体験からしか捉えられないものがある。

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    2018年12月29日
  • 原発労働者

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    著者の寺尾紗穂(1981年~)は、元シュガー・ベイブのベーシスト・寺尾次郎を父に持つ、シンガーソングライター、エッセイスト。東京都立大夜間部卒業後、東大大学院に進み、修士論文が『評伝川島芳子 - 男装のエトランゼ』として文春新書より刊行され(2008年)、また、様々なウェブや新聞等でエッセイを連載する異色のキャリアを持つ。
    著者が本書を執筆したのは、学生時代にたまたま山谷の夏祭りに行ったことをきっかけに、自ら主宰する音楽イベントでホームレスの自立支援をサポートするようになり、更に、原発の現場の労働者の少なからぬ人々が山谷や釜ヶ崎のようなドヤ街から流れてきたことを知ったことによるのだという。

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    2017年09月09日
  • 原発労働者

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    原発を有する我がまちの市有地に、3号炉の建設作業員さんの飯場があり訪ねたことがある。といっても彼らと接触したわけではなくて、その飯場横の倉庫で仕事をしつつ傍目から見ていたに過ぎんが、昼間から麻雀牌の音が響いていた。その近くの港には、いかにも場末の雰囲気漂う気に入りの居酒屋があり、かつては流れの作業員と地元漁師が酒の勢いで絶えず喧嘩していたという。これまでは「ひとごと」であったそんな諸々も、紗穂さんのこの本で「わがこと」に近づいたやに感じる。今でも廃炉と再稼働炉の工事で3千人近い下請けが入っている我がまちの原発。原発労働者と打ち解けて話せれば学ぶことは多いだろうけど、現職でありのままを語ってはく

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    2016年05月20日
  • 原発労働者

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    原発の話題は昨今少なくなりましたが、それ故に人々の記憶から薄れている今、このような書籍の存在は大きいのではないでしょうか。

    一般的な、原子力について賛否両論を唱えたものとは違って、その現場で作業にあたっていた人々の声を纏めたドキュメンタリーはリアルさと報道では知りえない事実が伺えます。

    原発に無関心の方にも、お勧めできる一冊。

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    2015年09月05日