香西秀信のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【星:3.0】
学校教育において、ディベートが行われることがあるが、ただディベートさせるだけで、その手法を教えてはいないというのが著者の意見。
そんな現状を踏まえて、ディベートの技法を教える立場となる教育者向けにディベート技法の基礎を書いた本となっている。
内容としては修辞学の本ということになると思う。
ディベート・修辞学技法を「定義」「類似」「譬え」「比較」「因果関係」の5つにまとめて説明している。
この5つのまとめ方自体はスッキリしていて「修辞技法というのはこういうことなんだ」という感じで全体観はつかみやすい。
ただ、この5つの修辞技法を例文を用いて説明していくスタイルなのだが、この -
Posted by ブクログ
ほとんどの場合、人間関係には力の不均衡が存在する。つまり、我々は偏った力関係の中で議論をする。
そんな中で「正しく」論理的な議論では相手を説得できない。
「詭弁」とは、論理的ではない論証のことを指すが、人間関係が不均衡である場合で相手を説得するためには必要な事。→これが、修辞学。
つまり、結果を得る為の現実的な議論方法、ということか。面白い。
「詭弁」とは、言葉に事実ではなく語り手の意図が(度を超す程度に)入る事、と作者は定義づけているように読める。
内容/主張は面白いが、文章の構成はあまり好きではない。例示と主張が入り交じっていて、整理されておらず、少し読みにくい。私の好みなだけ -
Posted by ブクログ
本書は、対等な人間関係を前提とする論理的思考よりも、偏った力関係で議論されることを前提としたレトリックに価値を置き、論理的思考側から詭弁と名指された論法をレトリックの側から弁護を試みる、というものです。
ですので、相手の詭弁を論破するためというよりも、自身が詭弁を用いるシチュエーションで役立つ本と言えます。詭弁というと悪い印象を持ちますが、要は自分の意見に反対する意見は全て詭弁であり、言葉で他人を支配しようとする相手方に対して、反論理的思考で議論しようというものです。
論理的思考で相手を説得出来ない場面で是非とも使いたいです。ただ、やっぱりボリュームが少ないのが残念です。