水谷フーカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やや、マニア感が漂う「好き」を凝縮した作品
ラジオ、私自身、あまり聞く機会に恵まれないが、音だけである分、聞く人間の想像力、集中力、一つの事を愉しむ力を高めるものだと思う。実際、気付くと、一つの番組が終わるまで、聞いている事がある
実際、同じ曲でも、ラジオで聞くのと、テレビの音楽番組で観るのとでは、頭ん中に浮かぶ映像は異なる気がする
歌手が好きなら、顔が出るテレビの方が向いているだろう。だが、ラジオは音楽を流すだけでなく、アナウンサーがいて、ゲストと会話もする。その歓談までも、好きな漫画を読んでいる時のBGMや、小説を書いたり、漫画を描いたりする際の起爆剤になってくれる
オムニバスの形を取っている、この『満ちても欠けても』は、水谷先生のほっこりする絵柄の相乗効果が増しており、舌触りが滑らかで、くどさが残らない、けど、何度も時間をかけて細部まで味わいたくなる、真っ直ぐな優しいストーリーに仕上がっている
ラジオだけでなく、漫画もドラマも接す機会がなければ始まらない。それでも、アナウンサーの経験値から来る言葉、キャラのストレートな台詞、俳優の熱い演技で、大なり小なり心に変化が起きて、元気が出たのなら、出会うべくして出会った、と言う事であり、それらが人生に必要だ、って事でもある。ホントに興味がない物に、無理して触れる必要はないが、もし、偶然、それが自分の手の中に飛び込んできたなら、とりあえずは楽しんでやるか、ってキモチになってみるとイイ
心は満たされている時もあれば、仕事や家庭のトラブルで欠けてしまう時もある、そんな時に、満ちた状態に戻してくれるのは人それぞれだけど、絶対に無い、なんてありはしない、そんな前向きな気持ちにさせてくれた
願わくば、この『満ちても欠けても』を読んで何かを得る人があり、ラジオが好きになってくれれば嬉しい
話間に、その回で主軸になっていたキャラの声を聞くコーナーがあるってのも、ポイントが高い
天羽さんと伊庭さんの距離がもうちょっと縮まって欲しかった、これも本音だが、このまだるっこしい関係で一区切りってのも、らしいっちゃらしい
けど、ラストの話で、まさかのあの人を主役にする、水谷先生の手腕には脱帽
次回作は、先生、どんな「好き」を詰め込むのかな? -
Posted by ブクログ
『日々蝶々』か『冨士山さんは思春期』、『ホリミヤ』が好きな人は確実に、グッと心のツボを押される
巧くは言えないけど、カップルの目線が等身大である事や、相手に関する気持ちが綺麗でもなく汚いでもない、言葉で完全に説明できないモノで、この年齢らしいってのが、読み手を魅了する理由だろうか
中学生活らしいイベント、衣替えと体育祭準備、本祭で気持ちが一層に深まっていく和樹と彼方の主カプにも胸に甘酸っぱいものが広がるのだが、個人的にはやっぱ、長井くんと日野原先生の恋路でニマニマしてる
可愛く言えば小悪魔、ハッキリ言えば策士っぽく、可愛い長井君を日野原先生は今巻でも手玉に取っているのだが、耐性が出来てきたか、もしくは、自棄っぱちで素直になりだしたか、長井君がグイグイ来るようになってきていて、攻守逆転の気配が見えつつある
子供の中の男らしさを見て、無自覚に本気になってきちゃっていて、そんな自分に戸惑う女教師は可愛いっすわぁ
また、この巻で、また一つ、新しい出会いがあり、一人の少年と、一人の大人の女性が距離を縮めそうな予感
一瀬くん、何となくだけど、羊の皮を被った狼っぽいなぁ
自分の弱そうな容姿で相手が油断したトコで、ガブリと行きそう(笑)
ともあれ、背伸びしたい年頃な少年少女らの、一進一退の恋模様は、二十歳を超えちゃった大人には眩しすぎる
心の洗濯にはちょっと不向きだけど、心の栄養補給にはピッタリな恋愛漫画ですよ -
Posted by ブクログ
「大人っぽい」14歳どうしの思春期恋愛漫画。
主人公カップルもかわいいけど脇役好きだー。
まずは志木さん!今回もかわいいな!
自分で思ってるよりずっといい子でヤンデレになれない子。
実るかつったら(相手が強固なカップルだから)そりゃ難しいけれど、でもこれは幸せな恋だ。
この相手とこの自分じゃなきゃこの恋にならない。
ってことがきちんと描かれていてすごく良かった。
苦手な思春期もの(かつ恋愛もの)にもかかわらず、なんでこの物語は好きなんだろう。
という疑問が長井くんのセリフで解決した。
作品と作者の距離がちょうどいいんだ。
大人からみればほほえましくても本人たちは必死、という主観と客観がちょうどいい。
必死さを馬鹿にせずに、変な同調もせずに見ているのが良い。
子供たちだけでなく先生も素敵。
音楽が好きで本当はそれ以外の仕事はしたくない面倒くさがり。
ファムファタールにもなりきれない。
大人だって影響されて変化する。本物の大人だってただの人。
というか大人同士の会話がただのへんたいさんだー! -
Posted by ブクログ
高校生の頃、憧れのシンガーソングライターの深夜放送を聴きながら受験勉強してたのを思い出しました。
当時はインターネットなどなくて、メールもスマホももちろんなく、ラジオといえばまずはハガキ投稿。当然、出したはがきは翌週読まれるわけです。ドキドキしながら次週の放送を待っていました。
ハガキ職人って知ってますか?(笑) ほぼ毎週耳にするラジオネームの主は、実際には顔も名前も知らない。けれど、ラジオを通して無数の「ひとり」がゆる~くつながった気持ちになってたものです。今なら“ハガキ”が“メール”に置き換えられるんでしょうか。
そんなラジオの制作現場で、淡くてくすぐったい恋愛事情が繰り広げられていきます。でも実のところ、彼ら全員ラジオに恋してるよね…(笑)
今は当時とは比べ物にならないぐらいリアルタイムにメッセージが読まれるけれど、それでもこの「ゆるさ」、ネットの掲示板ともチャットとも違う空気は健在なのでしょう。またあの頃みたいに深夜のラジオを聴きたくなりました。