倉骨彰のレビュー一覧
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自分が持っているあらゆる価値観が絶対的ではないと知る。とはいえ、その価値観はその文化を育んできた背景の中で、より平和で幸福な方向へと向かってかなり合理的に決定されてきているのだと考える。わたしはいまの世界の価値観を受け入れつつ、変えるべきことを変えていきたい。
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・伝統的社会 社会的ネットワークが強調される。同じコミュニティでは勝ちも負けもない。
・現代国家社会。特にアメリカ 個人の重要性が強調される。自己利益最大化、自分本位の個人主義、個人間の優劣
▲子供に優劣、競争させ、のべつまくなしに指示を与える→子供の発達を阻害
○人と会話して過ごす。受け身ではなく能動的に遊ぶ。社会性を -
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第5章 - 子育て
授乳中は妊娠しない理由
1. 授乳性無月経。母乳を作る作用のあるホルモンの分泌が卵巣からの排卵を抑制する。しかし、頻回授乳を継続する必要があり、1日数回では意味なし。
2. 限界脂肪説。排卵が起きるには、女性の体脂肪率が一定の臨界地を越える必要あり。
祖母や年長の兄弟と一緒に暮らす拡大家族の一員として同居できる環境が存在すると赤ん坊の発育が早まり、認知機能の発達も見られる。
狩猟採取民の子育てから学ぶこと。
知育玩具で子供の独創性を奪うのはやめにして、子供に自分で遊びを工夫させる。
同年齢遊戯形態で遊ばせる。
赤ん坊とのスキンシップをもっと濃密に。
赤ん坊がないたらすぐに -
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600万年の人類史。1万1000年前に農耕民族になり、5400年前に国家が成立し文字が生まれた。
大きく4つの社会形態
1. バンド (小規模血族集団) - 数十人だけ。平等で1万1000年前まで存在。
2. トライブ (部族社会) - 数百人規模。みな知り合い。政治的指導者の存在が希薄で専門家は進んでない。1万3000年前から存在?
3. チーフダム (首長制社会) - 人口が増加して経済活動が専門化しはじめる。見知らぬ人と会っても同領内いることによる安心感で紛争が減る。首長の神権的地位から派生した共通の政治的宗教的アイデンティティあり。また経済的な再分配。貢物と分配。政治的経済的イノベー -
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201703/
小作農たちの戦略は「全部の卵をひとつのかごに入れてはならない」という、リスク回避の教訓に沿った戦略ともいえる/
時間平均の投資収益が低くなろうとも、年間収益が生活維持に必要なレベルをつねに上回るような投資をしなければならない/
人間の脳は、自然選択による進化の結果、些細な手がかりから最大限の情報を引き出せるように進化し、推論の誤謬が頻繁に起こりうることが不可避だとしても、その情報を言語を介して正確に伝えることができるようになっているのである。/
詩篇を唱えるという行為は、自分が無力であるという不安に心を奪われて何かばかげたことをしでかし、自分をさらなる危険にさらすという -
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201701/
グドールが観察したのは、子供たちにバナナを与える遊びである。その遊びでは、まず、子供たちの前に、一房のバナナがおかれる。その房には、ひとり一本のバナナがいきわたるように、十分な数のバナナがついている。この遊びでは、子供たちが一番大きなバナナを取り合うということはしない。それぞれの子供が自分のバナナをふたつに切って、一切れを自分で食べ、残りの一切れを別の子供に差出し、その子供から一切れをもらう、ということをするのである。そして、最初の半分の一切れを食べ終わると、残りの半分をまた二つに切って、その一切れを自分で食べ、残りの一切れを別の子供に差出し、その子供から一切れをもらう。子供 -
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伝統的社会と現代社会を、戦争と平和、子どもと高齢者、危険に対する対応、宗教、言語、健康それぞれについて比較している。
昔の伝統的社会の戻ったほうがいいとか、現代社会がすべてにおいて優れていると断定するのではなく、現代社会においても伝統的社会のいいところを少しでも学んで、取り入れられるところは取り入れたらいいのではないかと述べている。
例えば、塩分摂取量については、塩分摂取が少なければ血圧が低いというエビデンスはすでに証明されているので、無駄に多く摂取いないようにする。事故に会う確率が高い、自動車、アルコール、脚立、お風呂での転倒はできるだけ避けるか、注意を払って接する。二言語を話す人はアル -
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おもしろい!
部族間で争っていた時代には敵を殺すことは称賛に値していたんだ。なんで殺してはいけないかといえば、めぐって自分も殺されたらいやだから。殺してはいけない。命を長らえることはよいこと。食糧の確保、危険の回避、医療の進歩。人類は命を長らえるすべを手に入れてきた。ちっぽけなようでやっぱり凄いな。そうして地球上にひしめき合っている命。今のテーマは欲望をどのようにコントロールするか。人間が頭でっかちになると結局自分を滅ぼしてしまう。70億の人口は多いようにも思うけど、実際のところ母なる地球にとってはどうなのだろう。自分と、隣の人と、母なる地球を大事にしたくなる。 -
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「銃・病原菌・鉄」でピューリツアー賞を受賞した人類生態学者である著者による一冊。上巻のテーマが、昨日までの世界と国家を持つ社会のマクロ比較であったのに対し、下巻である本書はミクロ アプローチ。
印象深かったのは死因の比較。パラグアイ アチェ族・一位 毒蛇、アフリカ南部 クン族・一位 毒矢、中央アフリカ ピグミー族・一位 樹上からの落下。生活違いすぎる。
その他、マクロがプラットフォームを同一性にした記述であるところミクロは異質をプラットフォームとしている。それだけに後半に語られる言語の多様性に対する賛美は秀逸。上下巻を通じて、大変有意義な旅に連れ出してくれたと感じます。
因みに、もっとも -
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UCLA医学部生理学教授を経て、主に生物学畑を修めるも、その後鳥類学、人類生態学へと研究領域が多岐に渡った著者による一冊。
タイトルの通り昨日までの世界すなわち、著者が主なフィールドとして再三渡っているニューギニアの文化をはじめ、オーストラリア周辺からはクナイ族、ヨルング族、ユーラシア大陸からはアイヌ民族、キルギス族、アフリカ大陸からはクン族、ピグミー族、北アメリカからチュマシュ族、カルーサ族、南アメリカ大陸からはヤマノミ族、シリオノ族などを「伝統的社会」として主にアメリカ文明との違いについて展開されている。
特に、印象深かったのが、ニューギニアの紛争解決と、所謂アメリカ等の国家が提供する -
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ネタバレ昨日までの世界(上)(下)―文明の源流と人類の未来
「銃・鉄・病原菌」のダイアモンド博士の最新翻訳本です。
今回のテーマは、国家を持つに至る前の部族の段階の社会と国家社会との差異を考察することによって、違いを明確にし、部族社会の特長を国家社会に応用する術を学ぶというもの。
「見知らぬ人との関わり方」「戦争と平和」「子育て方法」「老人への接し方」「危険への対処方法」「宗教」「多言語」「非感染性疾患」など様々なテーマを扱っています。
具体的な事例の記載も豊富に収録されています。
博士らしい、客観的な比較と違いの要因の分析など、安心して読める内容です。
今の安心・安全暮らしの中で、改めて人類史の -
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