倉骨彰のレビュー一覧

  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    伝統的な社会(西欧的の反対)と、我々の社会(西欧的)を、その良いところ悪いところを比較しています。伝統的な社会も、我々が通ってきた世界で、タイトル通り「昨日までの世界」。現代の我々が、何を得て、何を失ったのか、冷静に見ることができます。
    上巻は、自分以外の他人への対応、戦争、子育て、高齢者への対応に...続きを読む
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
     本書(下巻)では「危険に対する対応」「宗教、言語、健康」についての考察。中でも「危険」という概念に関する考え方が面白い。それは我々にも重要な教訓を与えてくれます。
     言うまでもなく「伝統的社会」における危険とは、我々の世界とはかなり異なります。例えば「倒れてきた木の下敷きになる危険」というのは我々...続きを読む
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    上巻では、伝統的社会の紛争解決、戦争、子供と高齢者、について書かれていた。下巻では、伝統的社会におけるリスク、宗教、言語、健康・病気について書かれている。

    伝統的社会における危険・リスクは現代社会との大きな違いのひとつに違いない。「建設的なパラノイア」と著者が名づける伝統的社会の人びとの行動が描か...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    『銃・病原菌・鉄』、『文明崩壊』のジャレット・ダイヤモンドの新作。

    著者が文化人類学者として実地でのフィールドワークをしていたことを初めて知った。特に鳥類学者でもあったとは。本書は、クロード・レヴィ・ストロースにとっての『悲しき南回帰線』と同じような位置付けなのだろうか。前二著とは趣がやや違い、特...続きを読む
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    著者のニューギニアでのフィールドワーク経験を生かし、西欧世界に「発見」された新世界の状況と西欧的現代社会を比べよりよき社会のためにできることを言語学、医学、生物学、社会学を横断し考察する。現代社会の良い点は多いが、進化的に無理をしている部分もあり、その補強のためには昔の社会に学べることもあると説く。...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    ダイアモンド先生はおもしろいなあ。



    しかし「なのである」「食する」とかが多くてなんか違和感。

    倉骨先生ってこんな訳文つくる人だっけか。

    短期間で翻訳するために下請け変えたのかな。
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    上巻しか買っていない本

    ジャレドダイアモンド 「昨日までの世界」

    伝統的社会(狩猟や牧畜を生業とする社会)を西洋社会(国家が支配する工業化社会)と対比して研究した本。上巻のテーマは戦争、子供、高齢者

    高齢者の有用性と社会の処遇についての論述は 人類史というより社会
    学に近いが、かなり切り込んで...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    著者のニューギニアでの体験を通じて伝統的社会のあり方を振り返るとともに、現代社会との対比を説明した書籍。切り口は、戦争、子供、高齢者。(生活への余裕が生まれ)文明の成熟とともに司法が発達し、当事者間に委ねない仲裁手段が発達した。高齢者は経験、知識、技術が若年者より優れていたため重宝されていた。子供・...続きを読む
  • スーパーインテリジェンス 超絶AIと人類の命運
    著者はオックスフォード大学哲学科教授。本書は分析哲学の見地からAIコントロール問題の解決策を探る大著。原著の初出は’14年9月と意外に年数が経っている。本文のみで約560ページと長いうえ直訳調の文章がとっつきにくく、読み進めるのにはかなりの負荷を感じた。

    ここでの「AI」や「スーパーインテリジェン...続きを読む
  • スーパーインテリジェンス 超絶AIと人類の命運
    オックスフォード大学マーティンスクール哲学科教授ニック・ボストロムさんによる人工知能と人類の関係性に燗する様々な角度からの思考実験。
  • スーパーインテリジェンス 超絶AIと人類の命運
    今日もアウトプット☆
    チェスのチャンピオンを破ったプログラム等の技術的臨界点とは少し違う話で、狭い範囲で超絶的な能力を発揮するという意味ではなく、
    広い意味で人間の頭脳・認知をはるかに超える知能がでてくる、というお話。

    この本はネガティブだが、個人的には、
    AIと人間は良きパートナーになっていける...続きを読む
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    下巻では、危機の対応、宗教、言語、健康について伝統社会から現代社会への教訓を述べている。下巻で特に違和感を感じたのは、彼にとって、現代社会=アメリカ社会を前提としていることであった。言語については多言語での教育を説いているが、大体数の日本人には不可能だし、健康についても、栄養過多を問題にしているが、...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    ニューギニアなどの伝統的社会のあり方を類例に、現代社会の価値判断を問いかけていく。
    「文明崩壊」「銃・病原菌・鉄」に比べると落ちるが、それなり以上に面白い。
    上巻のラストは高齢者が大切にされない米国社会への愚痴で締め。ウザい。
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    「銃・病原菌・鉄」で著名な生物学者が、研究のために定期的に訪れるニューギニアでの生活をもとに、伝統的社会と工業化社会との広範囲かつ詳細な比較を通して、現代社会が抱える課題と解決策を提示した大作。

    著者は、我々が常識として受け容れている文化や生活様式が、実は人類の長い歴史からすれば「つい最近」作...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    「銃・病原菌・鉄」で著名な生物学者が、研究のために定期的に訪れるニューギニアでの生活をもとに、伝統的社会と工業化社会との広範囲かつ詳細な比較を通して、現代社会が抱える課題と解決策を提示した大作。

    著者は、我々が常識として受け容れている文化や生活様式が、実は人類の長い歴史からすれば「つい最近」作...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    子どもと高齢者だけじっくり読み。今の生活に生かす気づきを得られたかっていうと微妙だけども、子育てについて、直感も大事にしよう、と感じた。情報に振り回されやすいけど、親子ともに、心穏やかに安らかに過ごしたいし、そのためには常識と思われることでも息苦しそうだったらとっぱらっていいんだな、と。本の感想なの...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    著者のフィールドであるニューギニアの暮らしはいわゆる「未開」の社会(伝統的社会)ではあるが、我々が暮らす現代社会は10万年近い人類史から見るとほんの一瞬に過ぎない。農耕が始まる1万1000年前までは狩猟採取の生活であったし、国家の成立もたかだか5400年前。必ずしも伝統的社会はよいことばかりではない...続きを読む
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    下巻。

    「危機とそれに対する反応」として、伝統的社会における「建設的なパラノイア」という態度が説明される。他部族との遭遇や怪我、病気などによる命の危険が多い社会では用心深い態度が求められ、現代社会の観点からするとパラノイア的にも見えるが、確率の低い出来事も数多く繰り返されると危険であることを教示し...続きを読む
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    今回の著作は人類が誕生して文明を築くまでの世界が舞台。

    600万年前から1.1万年前までの長い時間軸の中で人類の特徴をあぶりだします。

    ジャレド・ダイアモンド博士の長編論文が1.1万年前からの文明発展のことであったのに対し、より根源的な問題に取り組んでいます。

    ただし、研究内容が人類の根っこ部...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    現代社会の1つ前の世界として、独立した生活様式を維持していたニューギニア高地人との比較を通して、戦争・宗教・社会的つながりについて考察した本