倉骨彰のレビュー一覧

  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

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    私たちの社会は私たちの身体が適応出来ないくらいすさまじいスピードで進歩してるようだ。いかに人類の歴史で「近代」が最近始まったことかと実感させられる。危険のあり方も変わってる。豊かになったように見えて貧しいままのこともある。色んなことに興味持って視野を広く知識は深く生きていきたいと思った。

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    2013年07月07日
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

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    伝統的な社会(西欧的の反対)と、我々の社会(西欧的)を、その良いところ悪いところを比較しています。伝統的な社会も、我々が通ってきた世界で、タイトル通り「昨日までの世界」。現代の我々が、何を得て、何を失ったのか、冷静に見ることができます。
    上巻は、自分以外の他人への対応、戦争、子育て、高齢者への対応について。
    今までの著作よりも、冷静な視点から書かれているのを感じました。

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    2013年05月29日
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

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    ネタバレ

     本書(下巻)では「危険に対する対応」「宗教、言語、健康」についての考察。中でも「危険」という概念に関する考え方が面白い。それは我々にも重要な教訓を与えてくれます。
     言うまでもなく「伝統的社会」における危険とは、我々の世界とはかなり異なります。例えば「倒れてきた木の下敷きになる危険」というのは我々にはほぼ考えられないリスクですが、ニューギニアの密林の伝統的社会ではそれはリアルなものです。毎日のように密林のどこかで木が倒れる音が聞こえ、年間に100日くらいは村を離れて野営しているとしたら、その頻度は充分にリスクを計算すべき数字になります。我々が交通事故に注意するくらいのリスク回避はするべきなの

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    2013年05月18日
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

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    上巻では、伝統的社会の紛争解決、戦争、子供と高齢者、について書かれていた。下巻では、伝統的社会におけるリスク、宗教、言語、健康・病気について書かれている。

    伝統的社会における危険・リスクは現代社会との大きな違いのひとつに違いない。「建設的なパラノイア」と著者が名づける伝統的社会の人びとの行動が描かれているが、その行動は奇異に映っても昨日までの世界においては正しい行動であることがわかる。

    宗教の話についてはその起源について考察し、人類が因果関係の把握という能力を獲得する中で、不安の軽減、事象に説明を付ける、癒しの提供、忠誠の証し、などの役割を持つようになったのではと推察している。ほとんどすべ

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    2013年05月11日
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

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    『銃・病原菌・鉄』、『文明崩壊』のジャレット・ダイヤモンドの新作。

    著者が文化人類学者として実地でのフィールドワークをしていたことを初めて知った。特に鳥類学者でもあったとは。本書は、クロード・レヴィ・ストロースにとっての『悲しき南回帰線』と同じような位置付けなのだろうか。前二著とは趣がやや違い、特徴であった壮大な論理的な推定はやや影をひそめ、その代わりに著者の実体験のエピソードが出てくる。もちろん「昨日までの世界」についての文献を広く確認し、単なるエッセイではない。『銃・病原菌・鉄』の重要な結論 ― 文明の発展は地理的な条件がたまたまそのように恵まれていたから ― の元になる経験はここにあっ

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    2013年05月17日
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

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    著者のニューギニアでのフィールドワーク経験を生かし、西欧世界に「発見」された新世界の状況と西欧的現代社会を比べよりよき社会のためにできることを言語学、医学、生物学、社会学を横断し考察する。現代社会の良い点は多いが、進化的に無理をしている部分もあり、その補強のためには昔の社会に学べることもあると説く。
    司法では、西欧の法律では関係者が事後関係を持たない可能性も高く、罪と罰を重んじているため被害者の心の救済は考慮されていない。一方、「昨日までの世界」では加害者と被害者は関係が途切れない可能性が高く、親族や村の関係者を巻き込んで関係を修復することに重点を置く。
    リスクへの態度では、「昨日までの世界」

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    2013年05月02日
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

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    ダイアモンド先生はおもしろいなあ。



    しかし「なのである」「食する」とかが多くてなんか違和感。

    倉骨先生ってこんな訳文つくる人だっけか。

    短期間で翻訳するために下請け変えたのかな。

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    2020年06月15日
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

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    著者のニューギニアでの体験を通じて伝統的社会のあり方を振り返るとともに、現代社会との対比を説明した書籍。切り口は、戦争、子供、高齢者。(生活への余裕が生まれ)文明の成熟とともに司法が発達し、当事者間に委ねない仲裁手段が発達した。高齢者は経験、知識、技術が若年者より優れていたため重宝されていた。子供・高齢者ともに、集団にとって負担になる場合口減らしをすることもあった。

    伝統的社会は、生きることが最重要課題であり、食糧に余裕が無い時代のことである。人間も生物として、種の存続に必至であった時代のことだ。意図的な口減らし、当事者による報復合戦など、現代社会と比較して、酷な一面もある。一方で、現代社会

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    2020年01月27日
  • スーパーインテリジェンス 超絶AIと人類の命運

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    著者はオックスフォード大学哲学科教授。本書は分析哲学の見地からAIコントロール問題の解決策を探る大著。原著の初出は’14年9月と意外に年数が経っている。本文のみで約560ページと長いうえ直訳調の文章がとっつきにくく、読み進めるのにはかなりの負荷を感じた。

    ここでの「AI」や「スーパーインテリジェンス(以下SI)」とは、人類の叡智を遥かに超越する水準の人工知能を指す概念であり、我々が日常これらの言葉から連想する、例えば「アルファ碁」や「フィンテック」などの水準からは大きくかけ離れたもの。したがって著者の提起する「人類が存在論的リスク(=絶滅)を回避するため、SIをどのようにコントロールすべきか

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    2018年06月21日
  • スーパーインテリジェンス 超絶AIと人類の命運

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    オックスフォード大学マーティンスクール哲学科教授ニック・ボストロムさんによる人工知能と人類の関係性に燗する様々な角度からの思考実験。

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    2018年06月03日
  • スーパーインテリジェンス 超絶AIと人類の命運

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    今日もアウトプット☆
    チェスのチャンピオンを破ったプログラム等の技術的臨界点とは少し違う話で、狭い範囲で超絶的な能力を発揮するという意味ではなく、
    広い意味で人間の頭脳・認知をはるかに超える知能がでてくる、というお話。

    この本はネガティブだが、個人的には、
    AIと人間は良きパートナーになっていけると信じてます。

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    2018年01月08日
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

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    下巻では、危機の対応、宗教、言語、健康について伝統社会から現代社会への教訓を述べている。下巻で特に違和感を感じたのは、彼にとって、現代社会=アメリカ社会を前提としていることであった。言語については多言語での教育を説いているが、大体数の日本人には不可能だし、健康についても、栄養過多を問題にしているが、多くの日本人にはさぼど深刻なように思えなかった。他にも高齢者の尊重や乳幼児教育もあまり納得できず、個人的経験を無理に敷衍しているようで、論が雑に感じた。

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    2017年05月03日
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

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    ニューギニアなどの伝統的社会のあり方を類例に、現代社会の価値判断を問いかけていく。
    「文明崩壊」「銃・病原菌・鉄」に比べると落ちるが、それなり以上に面白い。
    上巻のラストは高齢者が大切にされない米国社会への愚痴で締め。ウザい。

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    2015年07月10日
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

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    「銃・病原菌・鉄」で著名な生物学者が、研究のために定期的に訪れるニューギニアでの生活をもとに、伝統的社会と工業化社会との広範囲かつ詳細な比較を通して、現代社会が抱える課題と解決策を提示した大作。

    著者は、我々が常識として受け容れている文化や生活様式が、実は人類の長い歴史からすれば「つい最近」作られたものであり、 人類が圧倒的に長い時間を過ごしてきた「昨日までの世界」における人間関係、紛争解決、リスク回避、宗教、子育て、高齢者対策の中に、「今日の世界」が物質的豊かさと引き換えに抱えた新たな社会問題を解決するためのヒントがあると主張する。

    ともすれば産業化が遅れた「未開の地」として片付

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    2015年06月07日
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

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    「銃・病原菌・鉄」で著名な生物学者が、研究のために定期的に訪れるニューギニアでの生活をもとに、伝統的社会と工業化社会との広範囲かつ詳細な比較を通して、現代社会が抱える課題と解決策を提示した大作。

    著者は、我々が常識として受け容れている文化や生活様式が、実は人類の長い歴史からすれば「つい最近」作られたものであり、 人類が圧倒的に長い時間を過ごしてきた「昨日までの世界」における人間関係、紛争解決、リスク回避、宗教、子育て、高齢者対策の中に、「今日の世界」が物質的豊かさと引き換えに抱えた新たな社会問題を解決するためのヒントがあると主張する。

    ともすれば産業化が遅れた「未開の地」として片付

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    2015年06月07日
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

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    子どもと高齢者だけじっくり読み。今の生活に生かす気づきを得られたかっていうと微妙だけども、子育てについて、直感も大事にしよう、と感じた。情報に振り回されやすいけど、親子ともに、心穏やかに安らかに過ごしたいし、そのためには常識と思われることでも息苦しそうだったらとっぱらっていいんだな、と。本の感想なのか、って感じだが。

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    2014年07月19日
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

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    ネタバレ

    下巻。

    「危機とそれに対する反応」として、伝統的社会における「建設的なパラノイア」という態度が説明される。他部族との遭遇や怪我、病気などによる命の危険が多い社会では用心深い態度が求められ、現代社会の観点からするとパラノイア的にも見えるが、確率の低い出来事も数多く繰り返されると危険であることを教示している。たとえば交通事故など。

    ・狩猟や採集など、食物の獲得が不安定な社会では誰かがとったものは全て集団全体に分配する。これによって収穫の不安定さをならすことができる

    ・われわれは「危険」をマスメディアを通して知るため、めったにおこらないような事故を過大評価する。上巻の「建設的なパラノイア」の観

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    2014年01月27日
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

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    ネタバレ

    著者のフィールドであるニューギニアの暮らしはいわゆる「未開」の社会(伝統的社会)ではあるが、我々が暮らす現代社会は10万年近い人類史から見るとほんの一瞬に過ぎない。農耕が始まる1万1000年前までは狩猟採取の生活であったし、国家の成立もたかだか5400年前。必ずしも伝統的社会はよいことばかりではないが、と断りつつも全体に伝統的社会に対するノスタルジアを感じさせる内容。

    ・西洋社会は個人主義であり、他人との競争が中心になっている。伝統的社会は個よりも集団としての振る舞いが重要になる。個人がおこした不祥事の後始末もコミュニティ全体でけりをつけるし、その際はこれまでのコミュニティ同士の貸し借りの精

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    2014年01月27日
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

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    今回の著作は人類が誕生して文明を築くまでの世界が舞台。

    600万年前から1.1万年前までの長い時間軸の中で人類の特徴をあぶりだします。

    ジャレド・ダイアモンド博士の長編論文が1.1万年前からの文明発展のことであったのに対し、より根源的な問題に取り組んでいます。

    ただし、研究内容が人類の根っこ部分なため、ニューギニアから俯瞰するにはちょっと無理があったか、という感想です。

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    2013年12月09日
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

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    現代社会の1つ前の世界として、独立した生活様式を維持していたニューギニア高地人との比較を通して、戦争・宗教・社会的つながりについて考察した本

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    2013年11月02日