倉骨彰のレビュー一覧

  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    先史時代の社会を知ることで現代の社会を知る。個人的な参考になる話しも多かった。
    「なのである」を多用する和訳に違和感を感じた
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    ダイアモンド博士の本業だったニューギニアでのフィールドワークを多く読ませてくれる。伝統的社会と比較することで、現代社会がどういうものか、我々が常識としている価値観がどういうものか、客観的に考えさせてくれる点が最も有意義な点となっている。ほんの数万年前までは誰しもがこういった生活を送っていたと想像させ...続きを読む
  • スーパーインテリジェンス 超絶AIと人類の命運
    なかなか壮絶な内容。
    まず、人類の知能を圧倒的に上回る汎用知能である「スーパーインテリジェンス」は、様々なハードルはあるもののいずれ達成されることがほぼ確実であることについての詳細説明があり、これがものすごく面白かった。
    達成の手段として、著者は、人工知能の自己学習プログラム及びハードウェアの発展に...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    今まで読んだダイアモンドの作品とは一線を画している様な気がする。

    この作者がずっと研究してきた伝統的社会との比較を通じて、現代社会への問題提起をしている。
    どれが正しいとか間違っているとかの判断を下そうというものではなく、哲学的な色が強いかな。
    恐らく晩年に達している作者は、自分の研究から得...続きを読む
  • スーパーインテリジェンス 超絶AIと人類の命運
    人類がスーパーインテリジェンス(以下AI)を利用するために解決すべき課題とは。

    いつか生まれるであろうAIを、当然のように従えられると考えている。そんな考え方は妄想でしかなく、AIが人類に従う必要性なんてないことを最初に理解する。そこで、AIコントロールについて、偏執的とも思ってしまうほどにあらゆ...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    狩猟採取社会や首長部族社会などの伝統的社会と現代の国家的社会を比較する。狩猟採取社会は人間が現代のような社会を形作る以前の何万年と進化してきたものだ。その社会で採用されている風習は進化の波に洗われてきたものといえる。伝統的社会との比較による知見をこれからのわれわれの政策に生かすことを目的にしたという...続きを読む
  • スーパーインテリジェンス 超絶AIと人類の命運
    著者はシンギュラリティがいつかは到来するという考えを持っている。マシン・インテリジェンスが人間の知能を越えるのを前提に、人類は何を用意しないといけないのか、AIのコントロール方法などを考察する。ページ数が多く、とても読みやすいとは言えないが、最低限AI技術者は本書を読むべきだろう。AIは人類を滅ぼし...続きを読む
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    「昨日までの世界—文明の源流と人類の未来(下)」(ジャレド・ダイアモンド:倉骨 彰 訳)を読んだ。ただ単に『伝統的社会—昨日までの世界』を美化するのではなく、今日の社会の抱える諸問題を解決するために学ぶべきところだけを学ぶべきであるという至極真っ当な趣旨でござった。読みやすいな。

    私のつい『昨日ま...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    「銃・病原菌・鉄」では、人類の文明が発達したのかを説明した著者が文明化した社会と未開社会(この本では伝統的社会)を比較を論じたもの。
    前著が文明社会が伝統社会に対して優越していることを前提で書かれていたのに対して、この本では文明社会の抱える問題に対する解決策のヒントが伝統的社会にあるのではないかとい...続きを読む
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    下巻は 宗教・言語・健康

    全部の卵を1つのカゴには入れてはならないというリスク回避の教訓

    宗教学における機能主義的アプローチ
    宗教はある種の役割を担い、社会秩序を維持し、人々の不安を慰め、政治的服従を教える

    旧約聖書4分着
    善なる全知全能の神が存在するのであれば、なぜこの世に悪が起きるのか?...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    銃・病原菌・鉄 の作者 ジァレド・ダイアモンド の新作

    ニューギニアを調査し、文明の源流と人類の未来を考える

    子育て、高齢者への対応
    嬰児殺し、敬うか、遺棄するか、殺すか?


    伝統的戦争と国家戦争
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    食料とセックスでは、どちらのほうがより重要であるか。この問いについての答えは、シリオノ族とわれわれ西洋人とではまったく逆である。シリオノ族は、とにかく食料が一番であり、セックスはしたいときにできることであり、空腹の埋め合わせにすぎない。われわれ西洋人にとって最大の関心事はセックスであり、食料は食べた...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    かなり内容の濃い本だった。筆者の基本的なスタンスとして、とことんまで事実を調べて、それと比較が出来る別の事象までも集めてきて、細かすぎるまでに徹底的に論理的に検証を進めている、ということが伝わってきて、どの話も、とても説得力が有る。
    扱っているトピックも、戦争や、子殺し、賠償、などどんな小さな村や社...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    さすがジャレド・ダイアモンド…と、唸らせる内容。
    伝統文化と近代文化の対比による、現代社会の問題点への指摘と対策、決してユートピアではない伝統文化の在り方を、滑らかな筆致で読ませる。下巻を読むのが楽しみ。
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
     興味深かったのは、ニューギニアで交通事故を起こした場合の調停の部分。

     使用人として事故を起こした場合は会社が責を負い、すべて対応するのは当たり前ですが、報復殺人を避けるために代理人を置いてわずか5日程度で調停が終了する。代理人は被害者・加害者とは別の部族のものが行い、ほぼ1回の調停で賠償額(S...続きを読む
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
     日本語は長母音と短母音を区別するが、英語は区別しない。「おばさん」と「おばーさん」は区別できない。
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    人間社会のあらゆる側面を考察する目的ゆえに、
    語られる分野は多岐にわたり、
    興味を引く部分、さほどそうでもない部分、
    やや退屈な思いを感じる部分、
    正直に言うとあると思うが、
    飢えと過食の混在という伝統的な状況では、
    倹約遺伝子が有利に働き、
    それを有する人の生存の確率が高くなったが、
    飢餓を乗り切...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
      ジャレド・ダイアモンド「昨日までの世界(原題:The World until Yesterday~What can we learn from Traditional Societies?)」の上巻を、やっと、本当にやっと読み終わる。
      この人の本は、「銃・病原菌・鉄」、「文明崩壊-滅亡と存続...続きを読む
  • 昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
    今回も膨大なページ数。
    「内容紹介からの引用」
    600 万年におよぶ人類の進化の歴史のなかで、国家が成立し、
    文字が出現したのはわずか5400 年前のことであり、
    狩猟採集社会が農耕社会に移行したのもわずか1 万 1000 年前のことである。
    長大な人類史から考えればこの時間はほんの一瞬にすぎない。...続きを読む
  • 昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来
    私たちの社会は私たちの身体が適応出来ないくらいすさまじいスピードで進歩してるようだ。いかに人類の歴史で「近代」が最近始まったことかと実感させられる。危険のあり方も変わってる。豊かになったように見えて貧しいままのこともある。色んなことに興味持って視野を広く知識は深く生きていきたいと思った。