杉原智則のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本格的な戦記物語で人気好評の長編ファンタジー。
このライトノベルも読み始める前から実はかなり期待していた。
ただ、最近読んだ、某人気長編ライトノベルが期待したほど面白くなかったので、今回も過度の期待は禁物かなーと眉に唾をつけながら読み進めたわけだけど・・・とりあえず、面白い。かなり、面白い。
長閑な片田舎で血気盛んな少年として育ったオルバは、戦乱に巻き込まれ、天涯孤独の身の上となる。(10才)
生きるために犯罪に手を染めたがやがて逮捕され、剣闘奴隷にまで身を落としてしまう。(14才)
少年時代を死と隣り合わせの剣奴として過し、肉体と剣技を磨き上げたオルバに、ある日転機が訪れる。(16才?)
一国の皇子の影武者としての役割を与えられたオルバは、自分が一体何者なのか、どれほどのことができるのかと、自らの可能性に向き合っていく。
そんなオルバの胸に深く深く刻まれているのは、幼いころに故郷を、家族を、幼なじみを奪った仇への憎悪。
皇子の影武者としての立場を利用し、復讐を誓うオルバを中心に、物語は動き出していく、みたいな感じ。
なかなか骨太で重厚感のある本格的なヒロイックサーガを予感させる。
ヒロインであるガーベラの第三皇女ビリーナもまた、昨今よくある萌えキャラではなく、一昔前の戦記ものに登場する、戦うお姫様といった感がある。
個人的に連想したのは、あまりに古いといわれるだろうが、風の谷のナウシカだった。
キャラクターとしてはまったく異なるんだが、時代的なにおいはそれくらいアナクロな空気を感じた。
若干14歳という年齢で国一番の飛空挺乗り。
国を愛し、民を愛し、先王である祖父を愛する、時に苛烈で、時にたおやかな、戦場を疾駆する美姫、とこうくると個人的にはナウシカあたりを連想しちゃうんだよね。クシャナっぽさはない。
個人的には、MF文庫Jにありがちな、もうちょっと萌えッ気のある萌え萌え戦記の方が好きなんだが、これは電撃文庫とMF文庫の差なんだろうか?(笑)
主人公がかっこいいってのが一番重要だけど、二巻以降ではもうちょっと可愛いキャラや萌えッ気のあるイベントも見せてほしいのが本音だったりする。
まあ!とにかく、とりあえず、続巻に期待なんだぜ! -
Posted by ブクログ
ネタバレ最終巻。
駆け足で終わった感は否めないが、まあ、それなりに纏まった大団円だったのでいいのかもしれない。とは言え、地球史時代だの何だのって要らなかったんじゃね? と思わなくもない。そこを出してくるのなら、もう少し長く尺を取ってやらないと尻すぼみ感が半端ない。結局、その設定どこ行ったのww って気分になるから。
大人の事情で終わりなのかな。続いた方だとは思うが、こういう古きよきファンタジー的なものは今は売れにくい時代なのかも。
惜しむらくは、イラストが微妙すぎた。カラーはそれなりに綺麗なんだけど、モノクロがすごく幼く見えるので、文章から想起されるキャラクターのイメージと相違が生じる。
でも、好きだったシリーズなので、数年後に竜皇になった彼が再登場する話が始まっても買うと思いますよ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ9,10巻と続けて読んだが、これは正解だった。ギルが復活してから、首都ソロンへと繋がるまでの上下巻といっても良いストーリー構成だった。
9巻での戦い自体は、勝利を収めこそすれ、今までの戦いとは打って変わった力押し、スマートさに欠けたもので、華麗で気持ちのいいものではなかった。しかもオルバが失ったものは大きく、またそれを丁寧に、予感させながら描いたことで、一定して暗い雰囲気のままだった。
それが10巻ではどうだろう。あのガキで無鉄砲で足手まといにしかならず、たまにおっと思うようなことは言っても存在感も薄かったビリーナが、英雄オルバを凌ぐ活躍とカタルシスを与えてくれた。感激ですよ。
話はそれにとどまらず、まだまだワクワクさせる展開を匂わせつつ終わったわけです。今回は、オルバの英雄的活躍というよりも、他のキャラの格好よさに焦点があたっていた。ビリーナだけでなく、とある皇帝近衛兵も、そしてパーシルも抜群に魅力を放っていた。
物語は佳境とはいえ、まだまだひと波乱ふた波乱どころでは済まなさそうなところが、この作品の魅力で、ますます期待して続刊を待ちます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ待ちに待った新刊。
初めに、ビリーナに全て話すのではないかと思いましたが、結局それはないまま。何処かで話さなくては、バレた時大変なような。
この巻ではオルバはギルとしての姿で動いてるいるシーンばかりでした。もうオルバとしての出番は無いのかな、っと思えます。ギルとして敵中突撃を行ってますし、オルバの存在意義が減ってきてるような。
帝国軍との戦闘は、勝利するだろうことは当然予想できているものの、敵のフォルカーも魅力あるところを見せて、満足のできる戦争シーンでした。オルバも成長しましたし。
皇帝の他にも、オルバの周りに敵が多いのも気になります。ライラ、オーバリー、イネーリ、そしてガルダ。どんな始末をつけていくのか、早くも次の巻が待ち遠しいです。
・・・まさか最後にあんなことになるとは。オルバとギルの潤滑油のような存在だった彼がいなくなったあと、どうなるのか。オルバがオルバとしての顔を見せる機会がこのあと減ってしまうのではないかと心配してしまいます。