あらすじ
西方より舞い戻り“皇太子ギル”として復活をとげたオルバ。ビリーナとも再会を遂げ戦いに向け準備をはじめる。 一方、皇帝グールは帰還したギルを偽物と断じ、一軍をアプターへ差し向ける。 圧倒的な戦力差のなか、皇太子として反皇帝の狼煙をあげなければいけないオルバは、寡兵をもってして鮮やかな勝利を得るべく策を練る。 両軍はついに激突の時を迎えるが──。
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Posted by ブクログ
待ちに待った新刊。
初めに、ビリーナに全て話すのではないかと思いましたが、結局それはないまま。何処かで話さなくては、バレた時大変なような。
この巻ではオルバはギルとしての姿で動いてるいるシーンばかりでした。もうオルバとしての出番は無いのかな、っと思えます。ギルとして敵中突撃を行ってますし、オルバの存在意義が減ってきてるような。
帝国軍との戦闘は、勝利するだろうことは当然予想できているものの、敵のフォルカーも魅力あるところを見せて、満足のできる戦争シーンでした。オルバも成長しましたし。
皇帝の他にも、オルバの周りに敵が多いのも気になります。ライラ、オーバリー、イネーリ、そしてガルダ。どんな始末をつけていくのか、早くも次の巻が待ち遠しいです。
・・・まさか最後にあんなことになるとは。オルバとギルの潤滑油のような存在だった彼がいなくなったあと、どうなるのか。オルバがオルバとしての顔を見せる機会がこのあと減ってしまうのではないかと心配してしまいます。
Posted by ブクログ
シークぅぅぅ!!!
皇子ギルの復活に揺れるメフィウス国内。
オルバが新たな決意のもと立ち上がる非常に重要なエピソードだけど、何よりシークね!
いやもうなんといっていいのやら…。
似てるなぁとは思ってたけど、そこまでキルヒアイスと同じ道を辿らなくていいのに…。
色んな意味で歴史の分岐点となる巻。
Posted by ブクログ
再びメフィウス皇子として舞い戻ったオルバは、ついにメフィウス国との戦いを開始する。
二倍以上の兵力差を覆すべく、様々な戦略、戦術を駆使して勝利をもぎ取ろうともがくオルバ。
智を尽くし、力を尽くして戦いに臨むオルバだったか、その戦闘での代償も大きく・・・、みたいな感じのお話。
相変わらず、お話は面白い・・といいたいところだけど、なんとなく飽きてきたのかな?
今巻に限ってのことなのか、単に飽きたからなのか、若干、物語の魅力が落ちたような気がした。ということで★4。
冒頭、ビリーナに銃を突きつけられるシーンは面白かったけど、そこ以外ではあんまり出番のないヒロイン。まあいつものことだけど。
この期に及んでもビリーナに正体を明かさないオルバにイライラが募る。
結局、ビリーナはオルバの秘密を知らされない限り、本当の意味でのヒロインとして物語に絡めないんだと思う。
あと、前々から少なからず感じていた矛盾、というか無理が今巻でより顕著に感じられるようになって来た。
それは、ギル・メフィウスに対する不自然な好感度の高さ。
ただのうつけで、好き勝手をやってきただけのギルが、なぜこうも民衆に愛されているのか、まったく理解できない。
戦争に勝利した英雄とは言うが、そのほとんどはギルが勝手に軍を率いて起こした戦だった。
アプターの人々も、ビラクの人々も、それ以外の多くの民衆も、兵を挙げて戦に突き進んだオルバを恨みこそすれ、諸手を挙げて歓迎するというのがどうも理解できない。
アプターなどはギル自身の手で街を焼かれている。勝つためだとはいっても、自らが住む街を焼かれて民衆が彼を英雄視するだろうか?
それぞれの戦いでは、少なからずギルに対する恨みや怒りがあったはず。そうした描写がなされず、どのような変遷を経てギルが支持されるに至ったかは、これまでの物語でもほとんど描かれてこなかった。
そもそも、内乱で疲弊した西方諸国に戦争を仕掛けるというのは、戦国の世の皇帝として必ずしも間違っているとは言い難い。
タウーリアを楽に手に入れることができるなら、メフィウスの国力は上がり、メフィウス国民の生活は潤ったはず。
これを、ギルはほとんど私的な理由で止めた。それだけなら無駄な人死にを出す戦争を未然に防いだという正義もあろうが、ギルは西方とメフィウスとの戦争を止めた上で、自らが戦を始めてしまった。
メフィウス国民にとってなんら得ることのない無益な内乱を。
だというのに、ここに来て民衆は諸手を挙げてギル皇子を英雄視している。
いかにしてギルが民衆に支持されるに至ったかがきちんと描かれていれば問題なかったんだけど、そこが抜けているのでどうにも収まりが悪い。
同様に、ビリーナのギルに対する好感度も、これまであまり描かれることがなかった。
それもそのはずで、ビリーナはギル=オルバということを知らない。
オルバに命を救われたり、交流があったりしても、それがギルへの好感度につながらない。
だというのに、ビリーナはなにかにかけてギルを気にかける。
だというのに、ギルはビリーナをなにかにかけて後回しにする。
ギルとビリーナの間にあるのは恋愛感情とは少し違う。お互いの行動力や責任感に対する尊敬といったものだろうと思う。
主人公とヒロインの関係が、お互いなんとなく尊敬している以上のものにならず、交流事態も少ないとあっては、盛り上がろうはずもない。
しかしそこは主人公とヒロイン。物語的にも惹かれあう必要があり、いつの間にかお互いの好感度が少しずつ上がっている様子。ここでも、ギルに対する不自然な好感度の高さを感じる。
最後に、西方諸国のギルに対する対応にもご都合主義を感じた。
そもそも、ラバン・ドウがほとんど無条件でギルに協力する意味がわからない。オルバは確かに西方で英雄にはなったが、その発言力が絶対的だったわけではない。
疲弊したタウーリアがメフィウスとの戦闘を避けるため、ギルと利害関係が一致したからこその協力関係だが、ラバンにしてもアークスにしても、もっとあくどく自国の利益を追う道があったのではないか。
唯々諾々とギルに従い、なんらの画策も起こさない、というのがどうもすっきりしない。
所詮ラノベ、そんな細かいところまで気にしても仕方がないとも思うが、これまでその細かいところまで散々つき合わされてきた物語なのだから、いまさらになってご都合主義で流されるのが納得いかないというかなんというか。
まあ、色々総じて、物語的な魅力が1レベル下がった、と感じた9巻だったと、そんなレビュー。
これまでは予想を上回る展開で物語が進むことが何度となく会った。だからこそ面白く感じたし、ぐいぐいと話に引き込まれた。
だけど今巻はほとんど終始、物語が予定調和の中に進み、意外性がなかった。
予想通りに苦戦しながら、予想道りに勝利し、予想道りのキャラが死んだ。
この烙印の紋章。これまでは最後の最後で予想を上回るからこそ面白かったんだと思う。
ところがこの9巻と、5巻では物語が個人的な予想を超えなかった。
だから、評価がいまいち伸びなかったんだと思う。
Posted by ブクログ
とうとうギル(オルバ)が表舞台に戻ってくる、というところからお話は始まる。
打ち倒すべき敵が皇帝と定められ、その分戦いも避けようのないものとなっていく。
途中迷走している感じも受けたが、9巻まできてやっと、このシリーズの良さが出てきたかな、という気がする。物語もそろそろ佳境、というところだが。
Posted by ブクログ
レギュラー級キャラの死。
よくぞ殺した、と思う。
戦記物なら当たり前におきることなのに、ラノベでは主人公クラスのキャラが死ぬってのはそうそうないわけで、そのキャラの死が物語、あるいは関連する人の未来まで方向付けるのは銀英伝から伝統の流れ。
ターニングポイントとなるかどうかは見所だと思う。
そこはかとなく影響を感じないでもないな。