村崎友のレビュー一覧
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青春ミステリ。
舞台は田舎の高校。バレー部マネージャーで男子生徒の憧れの存在である森下栞の死は、不自然な点を残しつつも密室と遺書により自殺の線で捜査されかける。バレー部の仲間や親友、クラスメイト達は疑念を抱き、独自に捜査や推理を始める。
終始痛みを伴う悲壮の物語だが、その中にどこか青春の爽やかさやもどかしさ、淡さや熱さを感じる。各章ごとに語り手が変わり、各々の想いが交錯し、構築されては否定される推理の積み重ねが徐々に真相に迫る。
終章にかけて全てのピースが揃い、導かれる唯一のロジックは本格のそれで、全編が無駄なく計算され尽くしていることに気づく。
途中の「奇蹟」の推理には笑ってしまうのだが、個 -
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探偵のトッドは、全てが母(マム)によって管理される世界で探偵を営んでいる。ある日彼の周りで死ぬはずのない人工ロボットペットが死に、起こるはずのない停電が起きる。
地質学者のジョーは地球から25光年(250年)離れた惑星プシュケを目指す。プシュケは遥か昔、地球人が作り出した人口惑星だった。しかしジョーがたどり着いたとき、プシュケは砂漠化し滅びてしまっていた。
交通事故での入院から半年ぶりに退院したセンマは、恋人スウに会おうとするが、彼女の家には別の女性が住んでいた。センマはスウを探すが、スウの母親も自分の家族も大学時代の教授も誰もスウのことを知らない。
並行して進む3つの物語。
半分以上 -
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ネタバレがまくら市事件の短編集の2冊目です。
1冊目に登場した人物も出てきますが、こちらから読み始めても問題はないと思います。
1.さくら炎上
今まで読んできた北山猛邦さんの作品はどれも面白かったので一番期待していましたが、続きが気になるところで終わってしまいました。
個人的には、一緒のクラスになりたかったという理由で殺された生徒たちが気の毒に思えてしまい、あまり読後感は良くありませんでした…。
2.毒入りローストビーフ事件
この作品は犯人が指摘されずに終わっていますが、おそらくよく読めば犯人を当てられる仕組みになっているように思いました。
謎解きしがいがありますが、解答が欲しいです(泣)
3. -
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読みやすくてあっという間に最後まで読めました。
学校という場所はなんてホラー映えするんでしょうか。勝手にハラハラしまくった。閉校してる校舎に嵐の晩に泊まるのは怖いて。
風に詳しい大学生の風沢さんは何者だったのでしょう?彼はシリーズ化出来そうなキャラクターだなと思った。。
いやぁ、、しかし、悉く騙された。元々登場人物ちゃんと覚えられないから全く気付かなかったね!笑
ここからネタバレですが、、
ハタと八夕は気付かない!笑
小説ならではのトリックなのだろうか…気付かないの私だけ?
あと雨ちゃんがとんでもない女に成長してしまった…と残念に思ってたので最後違くて良かったです。笑
色々ありました -
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ネタバレ二つの川が交わる風光明媚な村に暮らす小学生の兄弟、そこにほんの三ヶ月だけ引っ越してきた少女。彼らの友情を描く第一部は、とある悲劇で幕を閉じる。それから数年、高校生の凌汰は夏休みのバイトとして幼馴染みたちと廃校の小学校を片付けていた。そこへ東京から二人の女子高校生が訪れる。ひとりはかつて友情を育んだ少女「雨ちゃん」だった。再開した彼らはとある事情から廃校に宿泊するのだが、そこで再び悲劇が幕を上げる。
青春と密室。著者の持ち味は今回も期待どおりに鋭い。青春は風が吹き抜けるように爽やかでどこかノスタルジックで甘酸っぱい。そこに張り巡らされた伏線と密室トリック。その謎の強度は決して強力ではなく、手探り -
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文化祭当日、扉の開かないシャワールーム内で女生徒が死んでいるのが見つかった。元男子バレーボール部マネージャー、素直で前向きで男子生徒の憧れの的だった彼女が何故そんな日にそんな場所で死ぬ事になったのか、クラスメイト達はそれぞれの疑問を追及し始める。
進路の悩みに秘めた恋と微妙な友情、それ故にすれ違った彼らの様子が少しずつ浮かび上がってきて、痛々しくもどこか懐かしくて切ない気分にさせられる。
密室の構造や作り方も、犯人にたどり着くまでの推理も無理がなく分かりやすくて論理的。
上質なトリックと学生特有の短絡的だったり身勝手だったりする青さを詰め込んだ学園群像ミステリー。
面白かったけど、そこそこ -
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第24回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
SFミステリーです。舞台は、宇宙。
この設定ならでは、のトリックです。
ジョーとクレイン博士を乗せた外宇宙探査船《クピド》は、250年の時をかけて、地球の兄弟星であるプシュケに、いままさに到着しようとしていた。
プシュケは、人類が500年ほど昔に、死に瀕した地球の再生プロジェクトとして宇宙に浮かべた人口惑星だった。
しかし、2人を待ち受けていたのは、とうに滅んだ星。
プシュケに何がおこったのか?
地表に降り立ち、調査を開始した2人を待ち受けていたのは、通常では考えられない状態でミイラ化している住民たちの姿だった。
物語は、ジョーと -
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田舎に住む高校生のリョウタは、廃校となったかって自分たちが通った小学校の改装のお手伝いを幼馴染たちとしていた。
そこへ東京から来た女子高校二人とバーベキューをすることになる。その夜、通過する台風のため廃校に泊まるハメになった9人に風に詳しい大学生の風沢が加わる。
台風で外に出れなくなり密室となった廃校で二人の仲間が亡くなる。犯人の謎を解こうとするリョウタと風沢。6年前のリョウタの兄が川で水死した事故がきっかけとなっていたことが明らかにされる。
トリックの謎は詳しく語られ、納得するが、ほとんど描かれなかった人物が犯人であったこと、殺人の動機の弱さ、人が二人も殺された現場で乱れている男女二 -
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ネタバレ栞の死を推理クイズみたいに扱うことには我慢できないが、告白して死んだ人に気をつかうことないとか言っちゃうかりんさん
ずっと動機と密室の謎を引っ張るから、本格ミステリ的なのを期待してしまったのかもしれない。どうやらこれは青春ミステリらしい。密室の謎に関しては納得したし驚きもしたけど、百瀬の動機と行動に関しては正直納得がいかなかった。動機はもっと詳しく書いてほしかったし、そんな急に百瀬がやばいやつだとか言われても困る
かりんの「死んだ人に気を使うことないじゃない」とか百瀬がわざとアタックミスったとか、いくらこの年頃のわがままだとしても、やりすぎだと思う。 -
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高2の夏休み、廃校になった母校の小学校の片付けバイトの最中に凌汰と幼馴染達は6年前の小5の時に3ヶ月で転校してしまった雨田菫と再会する。盛り上がって皆でバーベキューを開催。そして台風が近付く中一夜を廃校で過ごすが、次の日の朝暴風雨の中一人が屋上のプールに浮かび…。雨田との出会いと別れ、秘密基地からの兄の消失が語られる小学校時代とか再会してからのやり取りとかはノスタルジックな雰囲気が良い。仲間達と廃校に泊まるとかもわくわくする。過去現在の密室ズも凝っているし特に秘密基地の方は仕掛けた理由含め光ってる。しかし犯人はすぐぴんとくるのはいいとするけど、判明時のあの行動はなんだ?その前段階じゃ駄目だった