室生犀星のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
陶器や金魚など、身近なものに愛着をもって一日中それを観察していて飽きないという作者の特質がよく表れている短編集だと思う。
どの小説も(「蜜のあわれ」にしても)、尻切れとんぼというか、私小説風の余韻を残すような「味」のある演出と言えなくもないが、
とにかくナンダカンダ言って私小説なんだなと思って、でも私小説にしてはちと馬力が足りないんじゃないかな。「蜜のあわれ」途中で飽きるし。それに作者性格わるそうだし(いや、別にそれはいいか)。
いーやそれよか、死ぬ間際でさえ排尿とかラジウムの愚痴を書き連ねた挙句「大家」とは何なのかね? 小説家にとっての絶筆って、もっとほら、他にあるんじゃない? まあ、う -
Posted by ブクログ
この本の目次に載っている詩人・文人は11名。
すなわち北原白秋,高村光太郎,萩原朔太郎,釈迢空,堀辰雄,立原道造,津村信夫,山村暮鳥,百田宗治,千家元麿,島崎藤村である。
この『我が愛する詩人の伝記』は,ぼくに多くの詩人に対して目を開かせてくれた。
朔太郎については,この書物を読むまで,既に接していた。あくまでも文庫版でしかないのだけれど。
白秋,立原道造,津村信夫は,この書物でその詩の良さ,そして何よりその詩人の人となりを知ることができ,勿論その詩を与えてくれた。
この書物で犀星は,詩人のひととなりを自分の知り得た,そして付き合いの十分な範囲でのびのびと書き記している。