室生犀星のレビュー一覧

  • 詩集『抒情小曲集』より(乙女の本棚)

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     乙女の本棚シリーズから、室生犀星さんとげみさんのコラボ作品「詩集『抒情小曲集』より」です。げみ三のイラスト、のどかなあったかい風景が主に描かれていたのが印象的でした。

     室生犀星さんって、大変失礼ながら聞いたこともなくって(^-^;)

     「ふるさとは遠きにありて思ふもの
     そして悲しくうたふもの」

     これは、知っていました!!って威張れるようなことじゃないけど…。故郷の金沢への思いとその風景が、作中でたくさん描かれています。金沢に限らず、どこに故郷があっても似たような感覚を覚えるから、今の時代でも室生犀星さんの詩が親しまれているんでしょうね…。四季のある日本で、自然を愛でることができる

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    2023年07月24日
  • 詩集『抒情小曲集』より(乙女の本棚)

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    【収録作品】小景異情/旅途/祇園/ふるさと/犀川/桜と雲雀/かもめ/砂山の雨/魚とその哀歓/時無草/月草/松林のなかに座す/砂丘の上/秋の終り/都に帰り来て/街にて/夏の国/合掌

    イラストレーションの美しさに惹かれて手に取った。押しつけがましくない、静かな筆致が、詩情をより高めてくれるように感じる。親しい友への贈り物にもよさそう。

    大正時代に戻ったかのような「乙女の本棚」というシリーズ名にやや抵抗を感じるが、現代の「乙女」の幅広さを思えば、この言葉をもって狭量とするのはかえって狭量か。

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    2023年03月21日
  • 猫は神さまの贈り物〈小説編〉

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    ネタバレ

     「猫は神さまの贈りもの」、全くそうだと思います(^-^)9人の作家の猫短編小説・詩アンソロジーです。次の4作品を楽しみました。①吉行理恵(1939~2006)「雲とトンガ」②室生犀星(1889~1962)「猫のうた」「愛猫」③佐藤春夫(1892~1964)「猫と婆さん」④宮沢賢治(1896~1933)「どんぐりと山猫」

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    2023年03月09日
  • 現代語訳 蜻蛉日記

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    開始:2023/2/20
    終了:2023/3/4

    感想
    宮廷の煌びやかさと人の想いの瞑さ。それでも歌に乗せてしまえばどこか清々しさすら感じさせる。女性の心情の変化はまるで秋の空。

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    2023年03月04日
  • 杏っ子

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    私生児であったのも驚きだけど、生まれてすぐ、ごうつくばばあに育てられるのも、明治生まれの常識なのかな。しかし、室生犀星が侍の子であることは確からしいし、それが文筆の才や娘の美貌に繋がってるのかな、と思う。
    やっぱり、血筋、遺伝なのだろうな。

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    2023年01月11日
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

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    「蜜のあわれ」
     全編が対話で、中心となるのは金魚の化身である少女と老齢の小説家とのおしゃべり。小説家はコティッシュで天真爛漫な少女に「おじさま」と呼ばれ振り回されながらも、彼女を可愛がる。他に田村ゆり子という、生前、小説家の友人だった幽霊が出てくる。小説家は犀星、ゆり子は犀星が愛した女性がモデルになっているようだ。
    たわいない対話が続き、とらえどころのない小説だが、全体を通して艶っぽい雰囲気があふれており、犀星の女性への並々ならぬ関心が伝わってきた。 
    「われはうたえどもやぶれかぶれ」
     犀星が昭和36年夏、軽井沢で滞在中、小便が出にくくなり、帰京後、入院した虎ノ門病院で過ごした体験がベース

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    2022年01月29日
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

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    大学の授業で扱うため読みました。
    ぬめぬめ、ぬらぬら、文章のテクスチャーが面白いです。
    二階堂ふみの映画化もあるようなので、時間ある時に見ようと思いました。

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    2021年10月27日
  • 杏っ子

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    題名からは、少女の成長を想像したが、相反して特に後半は、夫婦の愛憎劇。とても子供向けの小説ではない。父親の傍観を装いながらも愛情もって娘を見守る姿が痛々しくも幸せそうである。2020.10.27

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    2020年10月27日
  • 猫は神さまの贈り物〈小説編〉

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    古今の文学者もやっぱり猫が好き、という作品集。
    という感じかな。
    猫は出てくるものの、けっこうお文学な感じが予想外。
    猫猫らぶりぃ、なお話を期待しちゃってたわw
    星新一が、猫のでてくるショートショートを書いてたのがなんだかフフフで嬉しい。「エス氏」登場のおなじみの作風の中に猫なんだもの。
    宮沢賢治はちょっと童話っぽい雰囲気が「らしくて」いい。

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    2020年10月23日
  • 現代語訳 蜻蛉日記

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    源氏物語の空想的・独善的な男の見方より、この方が真実味がある。が、独りよがりにみえて、興ざめである。物語ではなく日記。

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    2020年10月05日
  • 杏っ子

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    ネタバレ

    こういう父娘もいるんだなと思った。父の幼少期の悲惨な感じに比べると、娘と息子が甘やかされてる感じもした。娘婿のモラハラぶりは読んでてもとても嫌だったが、この婿のひがみもまあ致し方ないような。ちょっとあまりに父親にべったり甘え過ぎ。息子も無職のように描かれてて、これも、え?なんで?って感じでした

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    2020年03月13日
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

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    『蜜のあわれ』はやはり金魚の「あたい」が可愛い。コケティッシュな感じと言えば良いかなぁ。生き生きと動き回る金魚ちゃんと、おじさまと会えない(会わない)幽霊の対比がいい。地の文がない、会話だけで書かれている作品なのに、登場人物がとても生き生き動き回りますね。
    あわせて収録されている『火の魚』は舞台裏話みたいなところもありますが、ここにも強い女性の姿が。
    収録されてるどの作品を読んでも感じられるのは、犀星さん、ホントに女性が好きなんだなあ(いやらしい意味でなく、愛する対象なんだなあ)って事ですね。

    <収録作メモ>
    陶古の女人
    蜜のあわれ
    後記 炎の金魚
    火の魚
    われはうたえどもやぶれかぶれ
    老い

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    2018年01月29日
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

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    ネタバレ

    陶古の女人
    蜜のあわれ
    後記 炎の金魚
    火の魚
    われはうたえどもやぶれかぶれ
    老いたるえびのうた

    解説 久保 忠夫
    作家案内 本多 浩
    著書目録 室生 朝子

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    2016年04月10日
  • 杏っ子

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    平四朗が娘(杏子)の交際相手の親から、もう付き合わないように娘に言ってほしい、と言われ、激高してある行動とるのが一番印象に残った。親ゆえの業であろうか。結局娘も息子も結婚に失敗してしまう。自らも私生児であったのも因果なのだろうか。興味深かったのがこの時代、男が無職で女が仕事していて結婚できたことである。

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    2015年01月07日
  • 現代語訳 蜻蛉日記

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    いまさらかもしれませんが、とてもおもしろかった。
    現代なら「めんどくせぇ」女・・・という感じもする。
    もてあまし気味の兼家もおもしろい。
    すねて可愛げのある女性でもある。
    息子が父と母の間を取り持って右往左往する姿も面白い。
    道綱母が予期したとおり、千年後の今、「門地の高い人の暮らしがどんなだか」よくわかりました。

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    2013年09月24日
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

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    性欲に反して美人と縁のない生活を送ってきた「をじさま」は作家だから、脳内で愛人をいっぱい作り小説に書いたりする。
    その「をじさま」がずっと会話して遊んでいる「あたい」は金魚。
    金魚は容姿端麗なお嬢様になったり、かと思えば出目金の姿でメダカを齧ったりしている。
    「をじさま」にはお小遣いを5万円せびったりしている。
    そうして講演会で、「をじさま」の昔の知人「をばさま」に出会って、ふたりを引き合わせようとするのだが…。

    かわいいお話。
    ただ、会話だけで進むので、脚本を読んでいるよう。
    小説を読んでいるという感覚はなかった。

    室生犀星よんでみたかったので叶って満足。

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    2013年06月05日
  • 我が愛する詩人の伝記

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    実家に会った本。
    室生犀星が交流のあった詩人たちについて書いた物。
    知ってる人も知らない人もいた。

    藤村、犀星は小説家としても知られてるけど
    わたしは小説は読んだことがない。
    詩は知ってる。

    山村暮鳥が牧師さんだったとは。

    暮鳥の「おーいくもよ ゆうゆうと・・・」って詩は
    小学校の教科書に載っていて
    詩と認識して読んだ初めての詩。
    ずっと忘れられない詩。

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    2013年05月23日
  • 杏っ子

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    じぶんのなかで室生犀星についての勘違いをしていたに違いない。ある日突然、このお金が全部なくなってしまうにちがいないというように何となく絶望を感じながらページをめくったけどそんなことはなかった。
    かわいいものをめでてだけいるというのと親になるということは違うのだなあ。今は親になるということがしみじみと身にしみる。

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    2013年01月16日
  • 随筆 女ひと

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    石川を旅行するにあたって読み始めた一冊。室生犀星の好色な感じやら何やら、彼の人柄が何となく分かった気がする。文章としては、難しい表現や語法はないものの読みにくく、苦労した。室生犀星の、蛇への執着、その所以は一体。

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    2012年08月15日
  • 随筆 女ひと

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    石川を旅行するにあたって読み始めた一冊。室生犀星の好色な感じやら何やら、彼の人柄が何となく分かった気がする。文章としては、難しい表現や語法はないものの読みにくく、苦労した。室生犀星の、蛇への執着、その所以は一体。

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    2012年08月15日