室生犀星のレビュー一覧

  • 杏っ子
    題名からは、少女の成長を想像したが、相反して特に後半は、夫婦の愛憎劇。とても子供向けの小説ではない。父親の傍観を装いながらも愛情もって娘を見守る姿が痛々しくも幸せそうである。2020.10.27
  • 猫は神さまの贈り物〈小説編〉
    古今の文学者もやっぱり猫が好き、という作品集。
    という感じかな。
    猫は出てくるものの、けっこうお文学な感じが予想外。
    猫猫らぶりぃ、なお話を期待しちゃってたわw
    星新一が、猫のでてくるショートショートを書いてたのがなんだかフフフで嬉しい。「エス氏」登場のおなじみの作風の中に猫なんだもの。
    宮沢賢治は...続きを読む
  • 現代語訳 蜻蛉日記
    源氏物語の空想的・独善的な男の見方より、この方が真実味がある。が、独りよがりにみえて、興ざめである。物語ではなく日記。
  • 杏っ子
    こういう父娘もいるんだなと思った。父の幼少期の悲惨な感じに比べると、娘と息子が甘やかされてる感じもした。娘婿のモラハラぶりは読んでてもとても嫌だったが、この婿のひがみもまあ致し方ないような。ちょっとあまりに父親にべったり甘え過ぎ。息子も無職のように描かれてて、これも、え?なんで?って感じでした
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    『蜜のあわれ』はやはり金魚の「あたい」が可愛い。コケティッシュな感じと言えば良いかなぁ。生き生きと動き回る金魚ちゃんと、おじさまと会えない(会わない)幽霊の対比がいい。地の文がない、会話だけで書かれている作品なのに、登場人物がとても生き生き動き回りますね。
    あわせて収録されている『火の魚』は舞台裏話...続きを読む
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    陶古の女人
    蜜のあわれ
    後記 炎の金魚
    火の魚
    われはうたえどもやぶれかぶれ
    老いたるえびのうた

    解説 久保 忠夫
    作家案内 本多 浩
    著書目録 室生 朝子
  • 杏っ子
    平四朗が娘(杏子)の交際相手の親から、もう付き合わないように娘に言ってほしい、と言われ、激高してある行動とるのが一番印象に残った。親ゆえの業であろうか。結局娘も息子も結婚に失敗してしまう。自らも私生児であったのも因果なのだろうか。興味深かったのがこの時代、男が無職で女が仕事していて結婚できたことであ...続きを読む
  • 現代語訳 蜻蛉日記
    いまさらかもしれませんが、とてもおもしろかった。
    現代なら「めんどくせぇ」女・・・という感じもする。
    もてあまし気味の兼家もおもしろい。
    すねて可愛げのある女性でもある。
    息子が父と母の間を取り持って右往左往する姿も面白い。
    道綱母が予期したとおり、千年後の今、「門地の高い人の暮らしがどんなだか」よ...続きを読む
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    性欲に反して美人と縁のない生活を送ってきた「をじさま」は作家だから、脳内で愛人をいっぱい作り小説に書いたりする。
    その「をじさま」がずっと会話して遊んでいる「あたい」は金魚。
    金魚は容姿端麗なお嬢様になったり、かと思えば出目金の姿でメダカを齧ったりしている。
    「をじさま」にはお小遣いを5万円せびった...続きを読む
  • 我が愛する詩人の伝記
    実家に会った本。
    室生犀星が交流のあった詩人たちについて書いた物。
    知ってる人も知らない人もいた。

    藤村、犀星は小説家としても知られてるけど
    わたしは小説は読んだことがない。
    詩は知ってる。

    山村暮鳥が牧師さんだったとは。

    暮鳥の「おーいくもよ ゆうゆうと・・・」って詩は
    小学校の教科書に載っ...続きを読む
  • 杏っ子
    じぶんのなかで室生犀星についての勘違いをしていたに違いない。ある日突然、このお金が全部なくなってしまうにちがいないというように何となく絶望を感じながらページをめくったけどそんなことはなかった。
    かわいいものをめでてだけいるというのと親になるということは違うのだなあ。今は親になるということがしみじみと...続きを読む
  • 随筆 女ひと
    石川を旅行するにあたって読み始めた一冊。室生犀星の好色な感じやら何やら、彼の人柄が何となく分かった気がする。文章としては、難しい表現や語法はないものの読みにくく、苦労した。室生犀星の、蛇への執着、その所以は一体。
  • 随筆 女ひと
    石川を旅行するにあたって読み始めた一冊。室生犀星の好色な感じやら何やら、彼の人柄が何となく分かった気がする。文章としては、難しい表現や語法はないものの読みにくく、苦労した。室生犀星の、蛇への執着、その所以は一体。
  • 深夜の人・結婚者の手記
    詩人、小説家の室生犀星の新婚時代の手記。

    犬の件で奥さんと口論、腹立ちまぎれに高価な花瓶を次々と庭に投げて破壊する犀星…

    よくできた控え目奥さんとちょっとケチでワガママ旦那ってとこかな。それなりに楽しく読めました。
  • 深夜の人・結婚者の手記
    詩人、小説家の室生犀星の新婚時代の手記。

    犬の件で奥さんと口論、腹立ちまぎれに高価な花瓶を次々と庭に投げて破壊する犀星…

    よくできた控え目奥さんとちょっとケチでワガママ旦那ってとこかな。それなりに楽しく読めました。
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    陶器や金魚など、身近なものに愛着をもって一日中それを観察していて飽きないという作者の特質がよく表れている短編集だと思う。

    どの小説も(「蜜のあわれ」にしても)、尻切れとんぼというか、私小説風の余韻を残すような「味」のある演出と言えなくもないが、
    とにかくナンダカンダ言って私小説なんだなと思って、で...続きを読む
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    室生犀星と言えば「故郷は遠きにありて思ふもの・・・」ぐらいでしか知らなかったが、金魚と飼い主?の言語を介したやりとりは、すごく新鮮に感じた。シュルレアリスムの具象的な形式としては、非情に面白い。
  • 我が愛する詩人の伝記
    この本の目次に載っている詩人・文人は11名。
     すなわち北原白秋,高村光太郎,萩原朔太郎,釈迢空,堀辰雄,立原道造,津村信夫,山村暮鳥,百田宗治,千家元麿,島崎藤村である。

     この『我が愛する詩人の伝記』は,ぼくに多くの詩人に対して目を開かせてくれた。
     朔太郎については,この書物を読むまで...続きを読む