室生犀星のレビュー一覧

  • 随筆 女ひと
    淡々とエロいぞ、室生犀星。
    女の人の手とか二の腕について言及してる文章は、本当にしつこいほどエロい。
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    カヴァーに「生涯最高の活動期ともいうべき晩年の名作五篇を収録。」とありますが、ほんとうに犀星晩年作品は素晴らしい。『密のあわれ』が好きな方は多いことだろう。こんなふうに自分のことを「あたい」と呼び、「おじさま」と語りかける、なんとも魅力的な少女。朱い金魚(出目金)を思い浮かべながら読むと、尚更。ガン...続きを読む
  • かげろうの日記遺文
    <poka>
    とにかく文章が美しい!
    古い表現に慣れてしまえば、これほど美しい文章はない。
    そして女性の心の美しさも怖さも理解できました。

    <だいこんまる>
    これぐらいで理解したなんて…。まだまだですね。
  • 詩集『抒情小曲集』より(乙女の本棚)
    やはり人生に詩は必要だ

    ということで、第二十一おネエは室生犀星の詩集『抒情小曲集』です
    聞いた風なこと言ってますけどね
    聞いた風なこと言うチャンピオンですけどね
    まず『抒情小曲集』が読めてないですからね
    詩がどうの言う資格ないです

    まぁ、とりあえず調べてみますか
    ここはひとつ謙虚な気持ちでね
    ...続きを読む
  • 杏っ子

    表題の語感とはかけ離れた重厚な内容。
    600p弱のボリュームだが、非常に細かく区切られていて当時にしては読み疲れのしづらい構造になっている。
    作者とその娘をモデルとし、娘の人生の荒波に浮き沈みし流転する日々が克明に描かれる。
    現代とはかけ離れた価値観と家族への愛情を持つ作者の特異性を存分に感じれる...続きを読む
  • 杏っ子
    前半は親友芥川龍之介が出てきて、天然ぷりが面白かった。
    後半。娘婿は酷いやつで、最終的に離婚し戻ってきたので良かったが、息子ものらりくらりやっている風、奥さんは寝たきりで、主人公一人がこれだけの家族を食べさせているというのも、いくら大作家とはいえ大変な事だと思った。当時はこういう事はよくある事なの?...続きを読む
  • 詩集『抒情小曲集』より(乙女の本棚)
    自分の中で犀星は暖かい家族に囲まれて過ごしたイメージ
    しかし幼少期は孤独に過ごしたのだろう
    郷愁の思いがしみじみ伝わる

    故郷の春はあんずやうめ
    夏は川のせせらぎ
    冬は言わずもがな雪景色だろう

    かなしくなってしまいそうだが
    「みやこの海をわたり行け」
    …という言葉に勇気をもらえる

    秋をうたった詩...続きを読む
  • 杏っ子
    結婚生活において女性に使役を課すことを当然と考える男たちと、それに抵抗し続ける女達。後半の、犀星自身がモデルである父親の超然ぶりが面白かったです。
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    室生犀星の短編集。収録されている「蜜のあはれ」「火の魚」は数年前にNHKで映像化されている作品。
    「蜜のあはれ」は金魚が主人公の作品ですが、読者の想像力で如何様にも楽しめる作品。「われはうたえどもやぶれかぶれ」は入院日記のようなものですが、作者のなげやり的な感じに笑える場面もあり、面白いです。
    大胆...続きを読む
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    老年の小説家“おじさま”と可愛らしい“金魚”との全篇対話形式で展開する短編『蜜のあわれ』が読みたくて。

    金魚の一挙一動がとにかく可愛いです。
    子供のようなあどけない口調に反して立ち振る舞いは艶っぽく、何気ない会話や仕草が妙に官能的、喜怒哀楽の豊かさはこちらも愉快な気持ちになり、こんな可愛らしい女の...続きを読む
  • 現代語訳 蜻蛉日記
    道綱母は女性性そのものなのではないか。受け身で自分勝手な一方で、感受性が豊かで他人に対する思い遣りや同情心が強い。息子への愛情は特別に深い。およそ一般的に女性性と言われるものが、見事にそのまま具現化したようで驚いてしまった。この人の女性としてのあり方に非常に高い普遍性を感じる。
    生活の不安や仕事の煩...続きを読む
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    4月17日、日曜日のFM「メロディアスライブラリー」で小川洋子さんが「蜜のあわれ」を紹介されているのを聴き、その日の午後、近くの本屋で入手。
    室生犀星を読むのは初めて。

    当然、「蜜のあわれ」から読む。
    金魚が少女の姿で老作家の元に訪ねてくる。地の文がなく、会話だけで続く奇妙な物語。この金魚の娘がや...続きを読む
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    友達に勧められよんだ。「蜜のあわれ」会話のみの構成は斬新で言葉えらびやテンポがよい。ちんぴら赤子かわいい。二階堂ふみと大杉漣ははまり役!
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    この金魚との会話、楽しんで書いたんだろうな、と想像してみる。

    “あたい”の口調のテンポのよさに紛れてしまいそうだけれど、会ってもらえない幽霊の手首についた、腕時計をねじり取られた傷跡とか、身につけたハンドバッグの錆びついた留め金なんていう描写を目にすると、冷え冷えしたものを感じる。以前読んだ犀星の...続きを読む
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    「密のあわれ」のみ、院生の頃日本幻想文学集成で読んでたのですが、やっと残りを読みました。ので、感想編集。
    きんぎょちゃんかわいいです。オジサンと女の子の組み合わせっていいよね。「火の魚」とかも読むと、作者にとって金魚はほんとに女性を象徴するものやったのか、と思ったけど後から「陶古の女人」読んで、なん...続きを読む
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    赤い金魚が人間の女の子となって、老齢の男性と交流する話…
    と聞いて、読んでみたい!と思い室生犀星初挑戦。

    表題作はじめ全5篇の物語なのだけれども、
    特に「蜜のあわれ」は期待を上回る作品。
    室生犀星の理想の“女ひと”像の結晶ということらしいのだが、
    全篇対話形式で描かれる二人(?)のやりとり及び関係...続きを読む
  • 哈爾濱詩集 大陸の琴
    好きだ、としか言いようがない。とろっとした文章でつむがれている所在のない時間はもうあまやかな味わいで、詩的であるということ以上に気持ちがいい。じぶんのなかの、自分の目や気持ちや生き方の中は非常にあたたかく居心地がいい。外にでたときのきまりわるさやいたたまれなさを大陸のたびに重ねて、人のきもちのご都合...続きを読む
  • 杏っ子
    古本屋で何か惹かれるモノを感じて数年前に読みました。

    とても長い作品なのですが、飽きません!
    古さを感じさせず、読みやすかった記憶があります。

    今度、再読しようっと。
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    いやあ……オッサンおいこらwwwと云いたくなる内容から、あ、やっぱセンスいいよなあ、という表現まで、幅広い楽しみ方ができてなかなか。どんだけ女好きなんすか室生先生。鏡花センセは強く気高い女性が大好きですが、犀星センセはキレのいい小悪魔な若い女が好きみたいですね(笑)

    短篇に一作だけ入っていた詩もよ...続きを読む
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
    「蜜のあわれ」が艶っぽくて素敵。金魚のはすっぱな感じが可愛らしい。
    にしても犀星先生、女の人好きねー!(笑)