横田増生のレビュー一覧
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ネタバレ不世出のコラムニスト。
テレビウォッチャー。消しゴム版画家。
鋭い観察眼と類稀なる表現力を持ちながら、
己については避けるように触れなかったナンシー関
関係者たちの当時のコメントや取材から、
ナンシー関の人となりや人生に触れています。
ナンシー関ってどんな人なんだろうとか、
ほかの面白い人たちはどう思ってたんだろうとか、
作品からしかナンシー関を知り得なかった、
当時子供の私はぼんやり気になっていました。
なので関係者のコメントは興味深く読みました。
やはり秀逸なのは消しゴム版画ですね。
何度も見てるのに毎回笑いを堪えられません。
まさに"眼福"です。私にとっては。
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Posted by ブクログ
ナンシー関の評伝があると知ってとりあえず読んでみた。私自身はナンシー関が本当に好きなので彼女について書いてあればそれだけで満足なのだが、一つの評伝としての出来はおそらくまあ普通で、特に新しい視点とか気づきがあるわけではないので、ナンシー関を知らない人には勧めない。ナンシー関自身の著作を読めば足りることである。
私の姿勢としては、ナンシーの新作がもう出ないから、弁当箱の蓋の裏にくっついた米粒でもいいから食べるように読む感じか。いやそれは言い過ぎだとは思うんだけど、こういう文章を書いてしまうのはナンシーの影響がきっとあるんだろうなあ。
私の中でナンシーは「含羞の人」という言葉が一番ピッタリくる表現 -
Posted by ブクログ
横田増生『ユニクロ潜入一年』文春文庫。
この種のノンフィクションやルポの場合、著者が冷静さを失ってしまうと読者は著者が考えを押し付けているように感じ、醒めてしまうのだ。本作はまさにこのパターン。最初からUNIQLOをブラック企業と決め付けて、喧嘩腰で潜入ルポを敢行したところで、著者の思いは読者には伝わって来ない。
確かにUNIQLOはアルバイトや海外の縫製工場に働く従業員にとってブラック企業であろう。UNIQLOのワンマン社長の考えが末端まで行き届かず、業績も伸びずに苛々を募らせているようだ。
最初は物珍しさも手伝いUNIQLOは流行の波に乗ったようだが、それも長くは続かなかった。大波を -
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生前ナンシー関にかかわった多くの人びとへのインタビューを通して、あまりにも早くこの世を去った彼女の生涯を明らかにしている評伝です。
死後、ますます多くの讃辞に取り巻かれたナンシー関ですが、本書はさまざまな人びとへの取材を通して等身大のナンシー関をえがいており、ノンフィクションとして優れた仕事だといってよいように思います。その一方で、本書の「まえがき」には、「すでにナンシーの書いた文章の中に、いくつもの物語がある。それを整理整頓してならべなおし、その背景を埋めていけば、どうしてナンシーが非凡で魅力的な書き手であったのかがより明らかになるのではないか」と書かれていますが、こうした作業を通じて彼女 -
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ファーストリテイリング 宇部市 グローバル旗艦店 GAP スペインのZARA スウェーデンのH&M=ヘネス・アンド・マウリッツ サプライ・チェーン・マネジメント=全体最適 デルの直販モデル カジュアル・ダイレクト 私淑 喝破 表裏一体の関係 たんしょ端緒となる取材 統率 閑静な住宅街の一画 「成功」はそう呼ばれた瞬間から陳腐化していくものである 盤石 似鳥昭雄 フリース・ブーム 疲弊 ガバナンス=統治 権限委譲 非常に拙い状況 『考えます』、『努力します』という回答は絶対にしないで頂きたい 即断即決即実行 にこやかで如才ない経営者 峻厳な評価 ご伍するひけん比肩しうる 増産のアクセル
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ネタバレ宝島にコラム連載しているときから気になっていたナンシー関。そういや、親父が定期購読していた週刊朝日も、東海林さだおと山藤章二と並んでナンシー関の記事だけは読んでいたなぁと、懐かしくなって手に取った1冊。
タレントとは決して名乗らず、テレビ評論家とも名乗らず、生涯一「消しゴム版画家」として、ブラウン管のこっち側から見たテレビ評論と言う仕事に埋没するかのごとく、姿を消した彼女の生涯が読み取れる良作。でも、この本を読むよりナンシーさんの著作を読んだ方が彼女の魅力を満喫できるはず。そういう意味でも彼女は偉大だと思う。
マツコ・デラックスの巻末インタビューもオモロいが、やはりマツコはブラウン管(古っ) -
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ユニクロから文藝春秋への裁判でも話題になった告発ルポ。まあ、ユニクロがブラック企業かどうかは人それぞれの判断に委ねるとして(僕はブラックだと思っているけど)、SPAという業種での競合であるインディテックス(アパレルのZARA等のブランドを展開)との比較において、ユニクロとは異なり製造工程を自社で保有するが故の圧倒的な納期の短さに着目し、そこからユニクロが人件費率を圧縮するしか利益拡大の道がない、と論じているあたりは、アパレルに詳しい人には当たり前なんでしょうけど、自分としては新しい気付きを得られた。
全体的に一次的な情報源が弱いようには思うけど、ユニクロという企業の一面を知るには良い本だと思