あらすじ
離婚して名前まで変えて挑んだ潜入ルポの傑作!
柳井社長の「うちの会社で働いてどういう企業なのかぜひ体験してもらいたい」という言葉を自分への招待状と受け止め潜入を決意する。
Amazon、ヤマト、佐川急便……数々の過酷な潜入取材をしてきた著者が次に選んだのは、
自分の本を名誉毀損で訴えたユニクロだった。
「(批判する人には)うちの会社で働いてもらってどういう企業なのかぜひ体験してもらいたい」
柳井社長の言葉は自分への挑戦状だ。
合法的に名前を変え、潜入した現場で見たものは。
解説・鎌田慧
※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
ユニクロ本はまずはここから
まずは著者の執念の潜入取材に感謝です
その上で内容の解像度が高く非常に読み応えがありました
2024年に発売されたユニクロ礼賛をそのまま本にした「ユニクロ」をベタ褒めする方は、こちらの書籍も読んだ上で、ユニクロという会社と経営者の事を立体的に理解されると良いのではないかと思いました
Posted by ブクログ
素晴らしい調査報道。前著を引き継ぐ形で名前まで変えてユニクロにアルバイトとして潜入した記録。東南アジアの工場への対応もH&Mなんかとは正反対でユニクロの体質がよくわかる。まあ結局は柳井市の好きにすればいいんだけどさ、みっともないところ多いなあと思うよ。とにかくユニクロでバイトはするなと若者には伝えたい。最近賃上げの話題が世を賑わせているけども、それよりも非正規雇用の割合減らしたりした方が良いのでは?この著者の取材における姿勢はとても好感が持てた。とても面白かった。「今日やる仕事を今日やるのは作業。明日やる仕事を今日やるのが仕事である。」と、柳井正は言った。バーカそんなこと言って搾取しようとしてもダメだよ。明日やればいいなら明日やるのが知的労働者だろが。お前にとって都合のいい労働者にさせようとすんなよw
Posted by ブクログ
ユニクロの安さの裏には働く人の犠牲があることを、感じてはいたが見ないようにしていた。
安さで商品を買うのはやめよう。自分の子供を働かせたくない、と思う会社の商品は買わないようにしよう。では、どの企業がいいのか、、、。実際、私が働く会社もユニクロと似たトップダウンの会社で社長はキレる、怒鳴る、人の話を聞かない。現場は数字がすべてで、私は会話が通じなくて苦痛。そういう会社がほとんどでは。
大きな会社になるほど、人間が数字になるのかな?
株式会社ではなく、ワーカーズコレクティブとか、NPOとか、小さな集団で働く形態に目を向けるべき時代なのかも 98
Posted by ブクログ
確か、どこどで内田樹さんがお勧めされていて、それを見て気になっていた作品。文庫化に伴い入手。付録の年表を、ただ追いかけるだけみたいな内容だったらガッカリなんだけど、興味を惹きやすいように時系列を整理されていたり、インタビューなんかも入れ込まれたりで、飽きずに読み通せるようになっている。感想としては、ユニクロ帝国の中に、今の日本政治の縮図を見た気がする。特に、株主総会における筆者と柳井さんのやり取りって、新聞記者における望月記者と”ス”のやり取りにそっくり。知る権利が尊重されることはなく、一方的に質問が断ち切られるところなんて、まるでデジャヴのよう。他の総会参加者が、もっと本作者に追随すれば良いのにとか思うけど、難しいんでしょうか。トップダウンで小回りが利くのは魅力的だけど、ここまであからさまな一族経営だと、どうしても身構えてしまいますわな。
Posted by ブクログ
ユニクロの“感謝”は現場の過酷な実態に隠れてしまう。筆者の潜入取材が暴くのは、美辞麗句の裏にあるサービス残業、値上げの影響、そして人間を機械のように扱う経営のリアル。
消費者として見過ごせない真実を突き付ける一冊。
Posted by ブクログ
ユニクロの店舗従業員がこれほどまでに過酷だったのかとびっくり。斯様な企業がどうしてここまで成長できたのだろうか、と考えると、それはやはり日本がデフレで安い価格が支持された結果なのだろう。
昔に比べると品質は上がっていると思うので、製品開発をしっかり行ってきているのは間違いないし、手軽に高品質の商品を手に入れられる環境を作ってくれたユニクロには感謝。
しかし本書を読むと、ユニクロの成長がアルバイトや委託工場の犠牲の上に成り立っていることが分かった。柳井社長については、経営者だから事業環境に応じて朝令暮改になることも、それはしょうがないと思う。しかし、張りぼてというか砂上の楼閣というか、がたがたしている印象を受ける。指示が現場の課長レベルなので、現場従業員はしらける。この辺りを、著者が上手に描き出していると思う。
ユニクロにはいろいろお世話になっているが、これからは適度な距離感にしようかと。
Posted by ブクログ
ある意味命がけの潜入取材。かなり体を張っている。社長の書籍やインタビューなどを全て読んでいて数値的真実も赤裸々に提示する。ジャーナリストの鏡だ。とにかく内容が面白すぎた。他の書籍も読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
潜入取材の書籍を初めて読んだ。名前まで変えて潜入する著者の姿勢は驚嘆した。現場レベルになる程思考する暇なく働かされる実情を見ると、ある意味宗教の様相だなと。本書は5.6年前の話だけど、人権デューデリジェンスの必要性が叫ばれる中、今のユニクロの状況は気になるところ。本書を読む限り、ユニクロではバイトするなと言いたくなる。
Posted by ブクログ
ユニクロが初任給を30万円に引き上げるとニュースで聞いてそんなにもらえるんだ、単純にいいよねと思っていたら友人が「ブラックなんじゃない?」とさらっと言った。潜入した本が昔あったよ、と教えてもらい読んでみた
ユニクロにはあまり行かないので、感謝祭というのも知らなかった。従業員にとってなんて過酷な期間なんだろう お客にとっても混雑だし並ぶしあまりいことはない それでも行く人がいるのね
洋服を買う時は作ってる人を大事にしている会社で製作されたものを選んでいる
みんなもそうすればブラックな会社はなくなるのに。
Posted by ブクログ
初めてこういう潜入ものを読んだ。ユニクロがブラック企業とは耳によくするが、こんなにも卑劣な職場とは。
あんなに安い価格でハイブラントにも合うデザインは本当にすごいと思うが、その裏では血肉を削り、働いてる人がたくさんいるということ。
Posted by ブクログ
以前から耳にしていた、とある衣料量販店の裏舞台を潜入捜査するルポ。
この企業オリジナルの話は少ない。残念ながら、よく聞く『社会で成長してほしくない』と感じる会社の生の経験談でした。
モノを買うときには、素材や性能、値段でといった目に見えるところだけでは足りない。
それを買うと、誰が笑って、誰が泣くのか。レジに行く前に考えたいと、より強く意識させてくれました。著者の増田さん(田中さん?)1年間お疲れ様でした。
Posted by ブクログ
横田増生『ユニクロ潜入一年』文春文庫。
この種のノンフィクションやルポの場合、著者が冷静さを失ってしまうと読者は著者が考えを押し付けているように感じ、醒めてしまうのだ。本作はまさにこのパターン。最初からUNIQLOをブラック企業と決め付けて、喧嘩腰で潜入ルポを敢行したところで、著者の思いは読者には伝わって来ない。
確かにUNIQLOはアルバイトや海外の縫製工場に働く従業員にとってブラック企業であろう。UNIQLOのワンマン社長の考えが末端まで行き届かず、業績も伸びずに苛々を募らせているようだ。
最初は物珍しさも手伝いUNIQLOは流行の波に乗ったようだが、それも長くは続かなかった。大波を捕らえた時に、次のアクションを誤り、ハイブランド化の方向に舵を切ったことで顧客が離れて行ったことが原因であろう。今さら人件費や経費をケチったところで顧客が居ないことには商売にならない。
どこの企業も業績が伸びないことで悪戦苦闘している。今の新型コロナウイルス感染が拡大している状況を見ると、企業の悪戦苦闘は暫く続くだろう。その中で正社員に対して厳しい指導をしたり、進むべき方向性を示すのは企業のトップの役割であるが、アルバイトやパート従業員にまで徹底しようというのはやり過ぎだと思う。『自分の城は自分で守る』という言葉があるが、正社員にとって企業は城でも、アルバイトやパート従業員にとっては一時の仮住まいにしか過ぎないのだ。
本体価格840円
★★★