施光恒のレビュー一覧
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新自由主義のようなリベラルな考え方が、実は同じような価値観を押し付ける帝国主義的な考え方ではないか?と言う視点は面白いと思いました。
とは言え、世界で盛り上がりを見せているナショナリズムが単純に正解と言うわけはなさそうですし、それぞれの国の文化や習慣と言った内的なものと、地政学など外的なものを、その国にとってベストな政策を選んでいく必要があると理解しました。
個人レベルの話としては、グローバル化により株価は上がっても、実際に多くの国民は苦しんでおり、一人一人は弱い国民が団結して中間団体を形成し、資本家や国に立ち向かうと言う形が必要なのかもしれませんが、それも今やなかなか難しそうです。
地域や -
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ネタバレ日本の公用語を英語やフランス語に変えるべきという意見は、明治期以降これまで幾度となく議論されたが、世論を得られず実現しなかった。しかし、新自由主義の考え方が一般的になった昨今は事情が異なる。新自由主義が一因となって進行する「グローバル化」は、「時代の流れ」という認識(歴史法則主義)のもと、各国の経済政策は、自国の状況に合わせた政策を打つ自由度を失い「拘束」される。結局、外国資本の比率が高くなった経済界の論理が絶対視されるのである。下(現場)からの反発があっても、意思決定のスピードが優先され、多様な意見に耳を傾ける民主的意思決定のプロセスが切り捨てられてしまう。
このような中で進められる英語の公 -
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ネタバレぜひ読んでください!としかいえない気がします。
『このままではインド版アントニ・ガウディは永遠に生まれない。専門教育が英語でしか提供されない環境では、他人のコピーしか作り出せない』
『他方、英語を公用語の一つに加え、日本よりも英語が堪能な人々が数多くいるフィリピンなどのアジア諸国、あるいはケニアなどのアフリカ諸国は、さほどの経済力を備えていない』
『英語化が日本人の愚民化を招くと半ばわかっていながら、エリートたちは、日本の社会の英語化に躍起になっている。本書の批判は、英語が得意な人々へのものではなく、国民の知的成長の機会を奪い、国力を低下させようとする人々に向けたものである。』
そして、もっ -
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英会話や英語学習を否定するものではなく、官庁や大学の受験や業務・授業の英語化、さらにそれに備えた低学年からの英語化学習ラッシュ(英語学習ではない)に警鐘を鳴らす。それは日本人の知性・感性の発達に膨大な負担を与え、長い目で見れば、国際競争力の向上どころか平均的に劣化をもたらすというもの。企業経営者・為政者・教育者には必読の書だと思う。森政稔氏「迷走する民主主義」を読んで、なぜ今のエリートはこんな簡単なことに気づかないんだろうと思わされること多々。その理由はここにもw 巻末「おわりに」だけでも読んでみて!
それにしても、金融危機の国にイチイチ救済条件に英語化を強要するなんて、IMFは胡散臭すぎ… -
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文科省がSGU(スーパーグローバル大学)を支援する制度を始めたらしい。ネットで検索すると一流と言われる大学や、そうでなくても国際化に力を入れている大学などが今後10年にわたり数十億円規模の補助金を受けて、グローバルな人材を輩出するためのカリキュラムを組む。
へえ〜、いい制度なんじゃないの? 学生の皆さん頑張ってね〜、と思っていたけど、どうも問題があるようだ。
そもそもが内需の拡大が期待できない日本の閉塞状況を打開するために、その活路を海外に求めるところから始まっているので、グローバルビジネスに必要な人材を育成するというのが主眼になっている。しかし、そんな政策はいろんな国で取っているから、 -
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7人の著者によるTPPのデメリット、危険性を説く警告書。舌足らずな部分は見受けられるが、論旨自体はそれぞれ納得がいく。TPPは国家間の交渉ではなく、グローバル企業の利益誘導という漠然とした印象は間違っていなかった。
・アメリカの「年次改革要望書」(勧告書)は国家の主権の領域に及んでいた。
・非関税障壁=規制や制度
・国民皆保険制度の空洞化(公的医療保険の給付範囲の縮小)
・長谷川三千子:翻訳作業とは翻訳される言語と翻訳先の言語との間で綿密な概念の検討が行われ、双方ともに厳しい知的吟味にさらされる過程である。外来の語彙や概念が触媒となり、土着の文化が活性化され、発展し、多様化していく。
・日本 -
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斬新な視点で面白かった。
聖書がラテン語のままだったら、知識人だけのものになってしまっかもしれないこと。
岡倉天心の「茶の本」など、あの時代に英語で書かれた本が多いのはなぜかということ。
GDPが高いドイツやフランスなども自国の言葉を大切にしている国であること。
高等教育を英語で行う韓国にノーベル賞受者が少ないことなど。
母語で学ぶことの重要性の根拠がたくさん挙げられています。
だからといって、英語を学ぶことが悪いわけではないとも説明しておられるので、バランスが取れた考えだと思いました。
巻末で言及されていたクリストファー・ラッシュが警告していた奇妙なエリート層の出現についての予告もほんとそ -
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母語で思考して,しかも世界に関する概念も母語で理解できるというのが日本語の利点です。大阪公立大学で何年後かに英語公用化するという報道がありましたが,トンダ愚策ですね。維新は歴史を知らない(というか,維新幹部はグローバルなのだろうか?)。
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英語化の行き着く先に、この国「誰も望まない未来」が待っている。英語化は、日本を壊すのである。(p.6)
ヨーロッパ諸国は,ラテン語という「普遍」だと思われていた言語を,それぞれの母語に「翻訳」した。そして,知的な観念を「土着化」することを通じて,各国の言葉で運営される公共空間を作り出し,そこに多くの人々の力が結集され,近代化を成し遂げた。
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東洋経済にて、新しい封建制がやってくると合わせて紹介されていたので入手。いわゆる「西側」諸国(ぶっちゃけ欧米)を今までリードしてきている新自由主義が何をもたらしているか、を解説する。基本思想が強者総取りのところに更にテクノロジーによる支配を加速させて、少数のテック貴族によって多数の下流層(中流層は下流層にに叩き落される)が支配され、民主主義が蔑ろにされていく現状が語られている。そのような状況だからこそ、トランプのようなデマゴーグがそういった層のニーズをすくい取って伸びていく、と解説される。筆者は多元民主主義(地方の有力者に率いられた集団が多数ひしめき合う状況)の復活を提示しているが、テックオリ
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この本で面白かったのは「世界対戦とニューディール」の章で、戦争が労働条件向上に役に立つという事実。アメリカは第二次世界大戦で国内の労働者の協力を得るために、勝ったあかつきには労働環境含め社会保障を充実させることを約束した。それだけ勝つためにはなりふり構っていられなかったのだろうと思う。戦後はその約束のもと労働者階級の発言権を認め、格差の少ない社会を実現した。その状況も長くはつづかなかったわけだが、日本の戦後社会も似ていたように思う。今や労働者の経営者に対する交渉力などゼロに等しい。戦争が正しいなどと言う気はさらさらないが、アメリカの歴史上労働者が最も恩恵を受けたのは戦争中だった事実には複雑な思
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英語を学ぶことは大切です。相手と対等に議論ができるのならばどんどん学ぶべきであると思います。
ただし、今この国において日本語ですら議論を戦えない輩が溢れかえっています。論破は議論ではありませんただのいじめです。
いかに母国語が大切かというのは世界が証明してる訳であり何故今さら日本は母国語を捨てるような教育をするのか理解に苦しみます。
クール・ジャパンなどちゃんちゃらおかしいという事がなぜ理解できないのだろう。日本を世界に発信したいのなら日本語で正々堂々とやるべきであり、この名のもとに公用語を英語とする英語特区が組み込まれているとなると何とも寂しい。
やらなければならない時はい -
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水村美苗さんの『日本語が亡びる時』を参考図書の一つに挙げ、英語化がいかに危険なものであるかを説明する。
かつてラテン語が普遍語であった時、ヨーロッパ世界において庶民はそれに接することができず、知は特権階級の独占物であった。それを翻訳し、各地の土着語へ変換することで庶民も知に浴することが出来、新たなる思想も草莽の間から生まれるようになった。
現在の日本で進む英語教育の推進は、その逆へ行くことになる。せっかく明治時代の先人たちが西洋の知識を苦労して日本語に翻訳したのに、我々が英語化を進めてしまえばその翻訳語が無駄になってしまう。日本人が日本人らしく日本語でものを考えられるように過去の先人たちが努力