重田園江のレビュー一覧

  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む

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    フーコーの代表作『監獄の誕生(監視と処罰)』(1975年)とその背景を中心に、フーコーの思想を小器用に要約せず、混沌も含めて提示しようと試みた一冊...とのこと。
    フーコーの規律権力論は良くも悪くも影響力が強く、いろいろな論者に援用されており、そのせいでやや古い本書(2011年発行)は、2025年時点で前半120ページの内容に新味がなくなっていると感じました。
    ですが、この本の読みどころは後半の120ページかと...後半になればなるほど話が錯綜し訳が分からずな部分もありますが、しかし著書のフーコー愛が爆発しつつ、ブーストがかかったように面白さも増していきます。
    読み終えた後には、一体何を読まさ

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    2025年09月10日
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む

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     最近、フーコーの名前を見かけることが多く気になったので読んでみた。難しいが、筆者の表現、文体が心地よくて、2日で読み通すことはできた。これからゆっくり読み直す。

     「不快に思うべきことを不快に思いつづける力と元気」(p214)。「あれ?」と思っても流れてしまう感情を拾っていくことが大事かもしれない。

     ちなみに、書店で『監獄の誕生』を見てみたが、とても読めない。

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    2025年07月29日
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む

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    色々他の本に浮気しながらだけど、読み切るのに1年くらいかかった気がする。220ページしかない新書なのに!

    なぜかと言うとこの本、何が言いたいのかよく分からないから時間がかかった。というか、題材となっているフーコーの著作『監獄の誕生』がもともと難解で、その難しいものを変に易しくせず、分からんものを分からん構造のまま解説した、ということらしい。

    つまり、自分で読み解いて再構成するという主体的な読み方を要求されている。それは流動食のような分かりやすい本だけを摂取していたら鍛えられないものであり、また遊びのようなものにもなるだろう。ただ、「これは要するにこういうことを言いたいんだな」という形の理解

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    2025年05月01日
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ

    購入済み

    「社会契約」を根源的に考える

    「社会契約」ー西洋哲学を貫く重要な概念で、この言葉に触れる事も多い。
    しかしそれがどの様なものであり、その問題意識を明瞭に説明できるだろうか?
    日本人には外来概念であるから、あやふやなままに、理解したものとしている事が多いのではないだろうか?
    社会が見通しにくい今こそ、立ち返ってみる価値があると思う。良書である。

    #タメになる #深い

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    2024年02月24日
  • ホモ・エコノミクス ──「利己的人間」の思想史

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    フーコーの「権力論」や「統治論」などの研究者が、「ホモ・エコノミクス」を系譜学的に検討したもの。

    といっても、これは専門書ではなく新書レベルの難易度で一般の人でも読めるレベルで書かれている。というか、著者にとっても専門分野でない「近代経済学」の歴史を自身で紐解きながら、模索しながら、テーマを探求している感じ。

    どうして、著者がこのテーマについて考え始めたかというと、著者の専門のフーコーの「生政治の誕生」における新自由主義の議論、そして、近年の新自由主義化した世界への疑問があってとのこと。その辺りは、私もほぼ同じテーマを考えていたところで、「人的資本」経営などの議論を踏まえて、ピッタリと今の

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    2024年02月10日
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む

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     フーコーにフォーカスした新書は、中山元氏の『フーコー入門』、慎改氏の『ミシェル・フーコー 自己から脱け出すための哲学』、箱田氏の『ミシェル・フーコー 権力の言いなりにならない生き方』があるが(内田氏の『フーコー 主体の系譜学』は現在講談社学術文庫化)、そのなかでもっとも彼のたくらみに触れやすい書籍だと思う。
     フーコーの書籍を「読む」ことに重きを起き、そこから彼の思想を他の書籍なども引きながら紹介していく本書は、後半になるにつれて著者のギアがあがっている印象はあるが、ライトな書き口で読みやすかったし、唸らされた。
     現代社会が大きな監獄に見えてくるので、漠然とした生きづらさを抱えている人はそ

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    2023年12月25日
  • ホモ・エコノミクス ──「利己的人間」の思想史

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    この著作の肝である第二部は、微積分の知識が無さすぎるため理解が十分ではないが、再読して理解を深めたい。
    著者の問題意識に強く共感する。

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    2023年11月24日
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ

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    解釈としてまずいところもあるのかもしれないけど、哲学系中上級読みものとして完成されていると思った。引用が豊富で手探りで哲学書読んでく感じがありありと示されていて、ルソーのとこで挫折してしまうのもいい。

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    2022年02月15日
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む

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    一見は軽妙な語り口。『監獄の誕生』を淀みなく読んでいる気持ちになってしまう。

    著者が示すフーコーを読む「作法」がなにより参考になる。特に終章のことばが頂門の一針という言葉以外思い浮かばなかったほど、フーコーから権力との付き合い方を教わろうと思っていた私には深く刺さった。

    フーコーを読みたい。そして自分と社会の今を考えよう、そう思えた。

    ・P192:フーコー自身、権力について「何が」「誰が」ではなく「どのように」を問うべきだとくり返していた。これは言いかえれば、権力にどちらの側から接近するべきかについて、その接近方法をなぜとるのかの意図だけでなく、そこから何がどのように見えてくるのかの帰結

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    2016年04月13日
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ

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    社会はどのように生まれたか?
    社会の秩序はどのように維持されるか?

    社会契約論は、「社会は神や自然ではなく人間が作るものである」という前提に立ち、既存の秩序や慣習によらずにこれらの問いに答えようとする理論である。

    ホッブズが想定した「万人の万人に対する闘争」という自然状態では、各人は何をしても誰からもとがめられないという絶対的な自由を享受するとともに、自分が他人から何をされるかわからないという恐怖が常につきまとう。この自然状態を脱するために人々は社会契約を結び、国家に全てをゆだねる。だが、自然状態において「私は武器を捨てて国家に全てをゆだねます」と最初に名乗りを上げる人物が登場する保証はな

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    2015年01月06日
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ

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    【読書その53】ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズから社会契約論を説明した本。社会契約論という難しいテーマでありながらも、著者のユーモア溢れる文章にときにクスっとなる。すごく面白かった。また読み返したい哲学書。

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    2014年02月16日
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ

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    それまで、国家と個人の適切な関係を根拠付けるものとして論じられた社会契約を、今の時代に即して資本主義社会・国際環境と個人の文脈で理解しようとする。

    普段、社会契約論が私たちの胸に響くほどの理解を及ぼさないのはそれがあくまでも思考実験の産物だからであり、実際に私たちも私たちの祖先も社会契約を結んでいないためである。

    社会が社会として成り立つ建前を突き詰めた先に、社会契約があるのだと思う。社会成立の建前を守るのであれば、社会契約も守る必要があるのだろう。
    しかし、社会が社会としての正当性や自明性や根拠づけを失えば失うほどに社会契約の理解は薄くなる。

    今の私にとっては、やはり社会契約はあとがき

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    2014年04月18日
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む

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    解説書であれ一般への紹介書であれ、フーコーをテーマとする本を読んだのは初めて。
    この重田という明治大学の先生の名前は、初めて見た。ずいぶん若いし、校内暴力で中学校が荒れていた世代、しかも悪名高い愛知県管理教育を受けた人。だから「監獄の誕生」に魅せられているのか。

    重田の個人的想いがいたるところに横溢しており、堅苦しくなくて面白い。読み流す中で「フーコーの思索・思想」についての興味が出てくるということで、思想・政治・社会についての100%素人でも興味深く読めるという点でオススメと思う。

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    2018年10月14日
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む

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    感動した 代表作の『監獄の誕生』にだけ焦点を当ててるんじゃなくて他の著作や研究者の著作からも引っ張って来てるからいい意味で「他人事」として読めた フーコーの隠れた熱意みたいなものが著者のおかげで見れて嬉しかった

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    2025年10月07日
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ

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    それなりに難解な本であったが、現代の民主主義の礎を築いた思想が少し理解できたと思う。

    解釈が間違えているかもだが、人民の自由意志のもとに国家や法が立ち、それに従い人民は束縛されるというのが社会契約というものなのだろうか。つまるところ自由自体を共同体に渡していると同じか

    また、政治からみた宗教や立法権と執行権の分離、人々の代理人という考え方は現代の政治をみても理解がしやすかった
    何度か読み返したり、ホッブスやロックの本を読んでみるとなお深まりそうなので、読んでみたいと思う

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    2025年09月30日
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む

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    ネタバレ

    ・18世紀の犯罪
    フーコー先生の指摘「18世紀の犯罪は従来のイメージと異なり、17世紀ほど暴力的なものではない」というのが、すごく興味深かったです。
    具体的には、「飢えた赤貧の人々が暴走する形で起こっていた殺人や傷害など身体への危害を伴う犯罪が18世紀には減少し、また大規模な強盗団や武装した密輸団なども姿を消しつつあった。これらの犯罪は、人目を偲んだ少人数の巧妙な犯罪や職業的な悪党による詐欺や盗みへととって代わられつつあった(p79)」だそうです。
    レミゼではパリでのテナルディエやパトロン・ミネットもまさにそうなので、ユゴー先生は当時のパリの犯罪について的確に描写しておられたんだなと思いました

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    2025年07月16日
  • 真理の語り手:アーレントとウクライナ戦争

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    アーレントを通じて、ウクライナ情勢を読む、というのは、わたしがここのところ考えていたことと一緒。

    アーレント解釈という点で、なにか新しい視点があったかというとそうでもない。アーレントは著者の専門分野ではなくて、どちらかというと、アーレント的な問だてを意識したところでのウクライナ情勢の分析というほうに力点は置かれているのかな?

    ウクライナ情勢は、ウクライナな映画作家セルゲイ・ロズニツァの作品と重ね合わせながらなされており、単なる状況分析ではないリアリティを獲得していると思う。

    それにしても、20世紀前半の戦争と革命、全体主義の暗い時代を生きたアーレントがリアリティがでてくるのは不幸な時代と

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    2022年12月26日
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む

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    『監獄の誕生』を紹介する件では、なんだこの著者はと思った。が、その肩肘の強張りを外した「最後の数ページ」には、この著者のイワンとしたことが力みなく伝えられている箇所に出会った。
    途中で諦めないでよかった。

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    2022年05月18日
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む

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    ミシェル・フーコーの持つ魅力を、「監獄の歴史」を中心に、できる限り分かりやすくならないように、でも分かりやすく伝えてくれている本。
    著者が、フーコーをこよなく愛していることがすごく分かりました。
    「監獄の歴史」を頑張って読んでみようと思います。

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    2021年05月29日
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む

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    チラチラとハゲ頭がちらつく、などのユーモアや著者のフーコー愛が伝わってくる。フーコーの、というより、監獄の誕生を通じたフーコー入門書。
    国家理性論のあたりから難しくなったが、おおむね理解できた気がする。権力の狡知。非常事態とシュミット。

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    2020年05月03日