重田園江のレビュー一覧

  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ

    「社会契約」を根源的に考える

    「社会契約」ー西洋哲学を貫く重要な概念で、この言葉に触れる事も多い。
    しかしそれがどの様なものであり、その問題意識を明瞭に説明できるだろうか?
    日本人には外来概念であるから、あやふやなままに、理解したものとしている事が多いのではないだろうか?
    社会が見通しにくい今こそ、立ち返ってみる価値があると思う...続きを読む
  • ホモ・エコノミクス ──「利己的人間」の思想史
    フーコーの「権力論」や「統治論」などの研究者が、「ホモ・エコノミクス」を系譜学的に検討したもの。

    といっても、これは専門書ではなく新書レベルの難易度で一般の人でも読めるレベルで書かれている。というか、著者にとっても専門分野でない「近代経済学」の歴史を自身で紐解きながら、模索しながら、テーマを探求し...続きを読む
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む
     フーコーにフォーカスした新書は、中山元氏の『フーコー入門』、慎改氏の『ミシェル・フーコー 自己から脱け出すための哲学』、箱田氏の『ミシェル・フーコー 権力の言いなりにならない生き方』があるが(内田氏の『フーコー 主体の系譜学』は現在講談社学術文庫化)、そのなかでもっとも彼のたくらみに触れやすい書籍...続きを読む
  • ホモ・エコノミクス ──「利己的人間」の思想史
    この著作の肝である第二部は、微積分の知識が無さすぎるため理解が十分ではないが、再読して理解を深めたい。
    著者の問題意識に強く共感する。
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ
    解釈としてまずいところもあるのかもしれないけど、哲学系中上級読みものとして完成されていると思った。引用が豊富で手探りで哲学書読んでく感じがありありと示されていて、ルソーのとこで挫折してしまうのもいい。
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む
    一見は軽妙な語り口。『監獄の誕生』を淀みなく読んでいる気持ちになってしまう。

    著者が示すフーコーを読む「作法」がなにより参考になる。特に終章のことばが頂門の一針という言葉以外思い浮かばなかったほど、フーコーから権力との付き合い方を教わろうと思っていた私には深く刺さった。

    フーコーを読みたい。そし...続きを読む
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ
    社会はどのように生まれたか?
    社会の秩序はどのように維持されるか?

    社会契約論は、「社会は神や自然ではなく人間が作るものである」という前提に立ち、既存の秩序や慣習によらずにこれらの問いに答えようとする理論である。

    ホッブズが想定した「万人の万人に対する闘争」という自然状態では、各人は何をしても誰...続きを読む
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ
    【読書その53】ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズから社会契約論を説明した本。社会契約論という難しいテーマでありながらも、著者のユーモア溢れる文章にときにクスっとなる。すごく面白かった。また読み返したい哲学書。
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ
    それまで、国家と個人の適切な関係を根拠付けるものとして論じられた社会契約を、今の時代に即して資本主義社会・国際環境と個人の文脈で理解しようとする。

    普段、社会契約論が私たちの胸に響くほどの理解を及ぼさないのはそれがあくまでも思考実験の産物だからであり、実際に私たちも私たちの祖先も社会契約を結んでい...続きを読む
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む
    解説書であれ一般への紹介書であれ、フーコーをテーマとする本を読んだのは初めて。
    この重田という明治大学の先生の名前は、初めて見た。ずいぶん若いし、校内暴力で中学校が荒れていた世代、しかも悪名高い愛知県管理教育を受けた人。だから「監獄の誕生」に魅せられているのか。

    重田の個人的想いがいたるところに横...続きを読む
  • 真理の語り手:アーレントとウクライナ戦争
    アーレントを通じて、ウクライナ情勢を読む、というのは、わたしがここのところ考えていたことと一緒。

    アーレント解釈という点で、なにか新しい視点があったかというとそうでもない。アーレントは著者の専門分野ではなくて、どちらかというと、アーレント的な問だてを意識したところでのウクライナ情勢の分析というほう...続きを読む
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む
    ミシェル・フーコーの持つ魅力を、「監獄の歴史」を中心に、できる限り分かりやすくならないように、でも分かりやすく伝えてくれている本。
    著者が、フーコーをこよなく愛していることがすごく分かりました。
    「監獄の歴史」を頑張って読んでみようと思います。
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む
    チラチラとハゲ頭がちらつく、などのユーモアや著者のフーコー愛が伝わってくる。フーコーの、というより、監獄の誕生を通じたフーコー入門書。
    国家理性論のあたりから難しくなったが、おおむね理解できた気がする。権力の狡知。非常事態とシュミット。
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む
    内容はさておき、たぶん好みが分かれる書き方で「実はさっき気づいた」とか出てくる。個人的にはこういう雰囲気は嫌いではない。
    内容については入門書としてある程度指標になってくれてる気がするのでよかった。
    何よりこちら側にもフーコー読んでみよかなと思わせてくれるのがいい。
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ
    ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズの思想を読み解きながら、社会契約論の思想とその意義について考察をおこなっています。

    ホッブズに関しては、自然状態から社会契約に至るプロセスにまつわる「ホッブズ問題」が取り上げられ、続くヒュームの章では、「コンヴェンション」によって社会契約論を批判したヒュームの思...続きを読む
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ
    なのだ調で書かれているけど、女性らしい靭やかでユーモアのある文体になっていて、硬い内容もわりと読みやすく感じる。

    ルソーが知りたくて読んでみたけど、ルソーの部分は少ないし難しかった。漠然と論説を追うことはできても意図まではなかなか。けど、有名な割には他の思想家に比べて無鉄砲で粗野な印象。やっぱりた...続きを読む
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ
    学生時代に文字面だけで覚えていて、実感湧かなかった概念が、改めて腑に落ちた。
    そうかリバイアサンってそういうことだったか!とか、一般性ってそうだよねーとか。
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ
    「社会契約」というヨーロッパ社会の基礎となった(今もなお、なっている)概念をホッブズ、ルソー、ヒュームなどを通して考察する。著者が問題にするのはこの概念が含む本質的な矛盾で、「何も失わずに新しく何かを得る」という特質である。この特質を著者は「わからない」と言い切る。しかし論理思考ではわからないという...続きを読む
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む
    ダミアンの残酷な処刑風景 p冒頭

    【記号としての刑罰】p97
    『言葉と物』第3章「表象すること」第4節「二重化された表象」
    刑罰は犯罪の記号、あるいは記号の中のシニフィアンと呼ばれる能記。刑罰を見れば人の頭の中で犯罪が思い浮かぶということは、犯罪とは刑罰という記号において意味されるもの、すなわちシ...続きを読む
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む
    社会で正常者と異常者を区別し規律を守る為の道具として、監獄は非常に有用だというお話し。特に反体制的な思想と暴力とが共鳴しないよう、ブルジョアが監獄を生み出したと。ニーチェ以来の系譜学とか考古学とかそっちの方面から見るとそういう意見もあるのだろう。
    ただもっと素直に見ればいいのにと思う。確かに啓蒙主義...続きを読む