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Posted by ブクログ
アーレントを通じて、ウクライナ情勢を読む、というのは、わたしがここのところ考えていたことと一緒。
アーレント解釈という点で、なにか新しい視点があったかというとそうでもない。アーレントは著者の専門分野ではなくて、どちらかというと、アーレント的な問だてを意識したところでのウクライナ情勢の分析というほうに力点は置かれているのかな?
ウクライナ情勢は、ウクライナな映画作家セルゲイ・ロズニツァの作品と重ね合わせながらなされており、単なる状況分析ではないリアリティを獲得していると思う。
それにしても、20世紀前半の戦争と革命、全体主義の暗い時代を生きたアーレントがリアリティがでてくるのは不幸な時代という著者のぼやき?はほんとそうだなと思った。
今や、時代遅れの全体主義理解で、現実はもっと違う形での支配構造になっていると思っていたオーウェルの「1984」がなんとリアリティをもってしまう現在。
こんなあからさまな権力行使が現在でもありうるんだという衝撃がある。