無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
著者青春の苦悩をリアルに描いた大作、完結。
高校三年に進学し、同級生たちが進路に悩むなか、津島サトルは音楽家としての自分の才能に見切りをつけようとしていた。その頃、南枝里子は人生をかけた決断を下す。
青春のすべてをかけてきた恋人と音楽とを失い、自暴自棄になったサトルは、思いもしない言葉で大切な人を傷つけてしまう。サトルは、人間の力ではどうにもならないことに向かって泣いた。
自らの人生を背負い、それぞれの想いを楽器に込めて演奏する合奏協奏曲。これが最後の演奏となってしまうのか? そしてそこへ現れたのは――!?
サトルの船は、青春を彩るニーチェの言葉とともに、大海へと漕ぎ出る。
すべてを飲み込み、切なく美しく響く青春音楽小説三部作、最終章。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ 2017年02月14日
完結編。
だが、何かがスッキリと解決したわけでもないのだ。
「船に乗れ!」
誰かからそう叱咤されなくても、誰もが人生という船に乗って、いや、乗せられているのではないか。
そして、現在の、これを書いている津島サトルは、
「船に乗ることは乗っているのです。でも僕は、櫂を無くしてしまった」
そう言ってい...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月09日
音楽学校を出て音楽家になるのは一握り。
これを一般の人はどれだけ知っているだろうか。
普通の音大だけではなく芸大や桐朋の一流でもある話です。
この本のテーマはブランデンの5番。
演奏会って一期一会なのでそういうのもありかなと思う。
逆に譜面は一生残るのでサトルに届いた譜面は今でもあるでしょう。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年12月27日
向き合うことも、認めることも、許すことも、
今はできないかもしれない。
(以下抜粋)
○僕には先生の言葉より、その前の一瞬の沈黙のほうがはるかに重要だった。(P.20)
○僕に限らず、自分が懸命にやっていたことを、新参者がさらに器用に、そして熱心にやっているのをまのあたりにすれば、ショックを受け、...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年06月27日
高三の秋。サトルはチェロを辞めることを決意する。
これだけ音楽の美しさと喜びを知っている人が音楽から離れられるのかとも思うが、十八歳の主人公には0か100かの答えしかなかったのかも。
ミニコンに南を参加させたことは理解できないけれど、妊娠発覚後から彼女がとった行動はとうてい高校二年生の女子ができるも...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年10月19日
これは、音楽の小説というより哲学の小説だった。第1巻を読んでいるときは、音楽がテーマの十代くらいが対象のほのぼの青春小説だと思っていたが、いえいえ、私のように大人になってから何年も過ぎた者の胸にずっしりくる作品だった。
主人公のサトルは通っている音楽高校で一年生の時には「学校で一番チェロが上...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年08月26日
青春特有の、何者にもなれるという期待と、結局何にもなれない現実。
平凡な大人になったサトルの過去の回想。
どこまでも肥大した自意識が痛い。
もっと楽に生きられるのに…
サトルは音楽に対して真摯で、誠実だった。
南は強く、
千佳は思いやりに溢れ、
伊藤くんは潔い。
ブランデンブルグ協奏曲が、ジュピ...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。