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まどろみながら彼は,はてみ丸のことを考えていた.あの小さな舟で旅した日々を――.作家の没後に公表された〈ゲド戦記〉最後のエピソード「火明かり」.ほか,未邦訳短編「オドレンの娘」,『夜の言葉』よりエッセイ3編,講演「「ゲド戦記」を“生きなおす”」などを収めた,日本語版オリジナル編集による別冊.解説=中島京子
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Posted by ブクログ
もう終わってしまった。残念だけどゲドのその後と作者の想い、講談が読めてよかった。 長い年月が経っても色褪せることないワクワク感が押し寄せてくる。 再読しなくては。。。
魔法の風を帆にはらみ、海を超える“はてみ丸”。 たったそれだけの言葉だけで、僕の心はアースシーへと舞い戻る。胸の昂ぶりが抑えられない。 たとえそれが、炉辺の明かりに照らされて床に伏せるゲドの脳裏に浮かぶ、夢うつつの思い出だとしても。 アーシュラ・K.ル=グインが最後にゲドの物語を遺してくれたことへの...続きを読む感謝を噛み締める。 序文にてル=グインは、こう宣言する。 “自分の思い描くアースシーを出版社のジャンル分けや批評家の決めつけにあわせることはやめました。ファンタジーは未熟な者が読むものだという考えは、成熟と想像力というものについての凝り固まった誤解から生まれたものです。主人公たちは成長しますし、若い読者たちは、彼らについていくかどうか自分で決めるでしょう。” ゲド戦記三部作を小学生で読んで、「帰還」は大学生の頃だっただろうか。 家庭を持ったのちにアースシーの風、外伝と読み継ぎ、年を重ねたいま、こうして「火明かり」を読んでいる。 ゲドやテナーのように成長してこれたかは分からない。それでも、物語の主題が変化していくことに、自分自身の変化を重ねて感慨に耽ることができるとはなんと贅沢な読書だっただろうか。 こればかりは7冊セットで読み始める若い読者にはできないことだ。
ゲド戦記の別冊…どういう内容なのか? ゲド戦記の大ファンとして興味しんしんで読み始める。まさに別冊であって、前6冊の後日談的なものではない。大部分を占めるル=グウィンのエッセイに、ゲド戦記全体に対しての作者の思いがよく伝わってきた。最初の3冊を読んだときの感動と、長い時間を経て出版された「帰還」の衝...続きを読む撃。 別物だ、と感じたのは正しかったのだと思う。 未発表だった「オドレンの娘」は、ル=グウィンらしさを感じられる作品で、好きだ。
ゲド戦記別冊。 ゲド戦記の作者アーシュラ・K.ル=グウィンの作品解説、エッセイ、講演などが5編、短編が2編、ゲド戦記の翻訳者である清水真砂子さんと作家中島京子さんの解説が2編という構成の短編集。 岩波少年文庫から出ているのがちょっと驚き。一応ターゲットは少年少女なのか・・・? ゲド戦記は昔読んで難し...続きを読むくてよくわからなかったというボーとした記憶がある。 (たぶん)未読の「アースシーの風」、「ドラゴンフライ アースシーの五つの物語」を読んでみようかな。 p137 「第一歩はまず振り返って自分の影についていくこと」 p139 「自分自身の影をうまく扱うことを学びさえすれば、この世界のために、なにか真に役立つことをしたことになる。」 p140 「三十年か四十年かかって成長してきた影を意識にのぼらせてそれと対面することが何よりも大切」 p151 「道徳的な善をなすための大いなる手立ては想像力である」
短編2編と、講演の内容。 講演の部分を読んで、ゲド戦記全体の傾向に納得。勇者の物語~ジェンダー、普通のおじさんおばさんになることを選んだゲドとテナー等々。この問題はなかなかスッキリいかない、根が深い。今は大分マシになったとは思うけれど。
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アーシュラ・K.ル=グウィン
井上里
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