作品一覧

  • 西南戦争 西郷隆盛と日本最後の内戦
    4.0
    1巻902円 (税込)
    明治維新後、佐賀の乱、神風連の乱、萩の乱などに続く、不平士族による最後の反乱となった西南戦争。九州全土で八ヵ月間にわたり行われた近代日本最大の内戦である。それはまた誕生してまもない「日本軍」が経験した最初の本格的戦争でもあった。本書では、反乱軍の盟主である西郷隆盛の動向を柱に、熊本城篭城戦、田原坂の戦いをはじめ、九州各地での戦闘を丹念に追い、日本最後の内戦の実態と背景を明らかにする。
  • 西郷従道―維新革命を追求した最強の「弟」
    4.5
    1巻990円 (税込)
    幕末期、兄隆盛・大久保利通のもと尊攘派志士として活躍した従道。20代半ばで欧州視察後、台湾出兵では派遣軍トップとして制圧。西南戦争では、国家建設を優先し陸軍卿代理として、叛乱軍指導者の兄と敵対。隆盛自刃後、謹慎する。天皇に請われ復職後は海相を長期間務め、日清戦争時には陸海相兼務など軍事的指導者、さらに元老として政府中枢を担った。最晩年まで首相待望論があったが、「賊将の弟」と固辞し続けた志士の生涯。
  • 近代日本の戦争と宗教
    3.0
    1巻1,485円 (税込)
    戊辰戦争によって新たな政権が誕生してから、日清戦争・日露戦争の勝利によって対外的な地位を向上させるまで、明治国家のあゆみには、戦争がともなっていた。そうした戦いのなか、神社界、仏教界、キリスト教界は、いかなる反応をみせたのか。従軍布教や軍資金の提供といった積極的な協力姿勢から、反戦論・非戦論をはじめとする、消極的姿勢──、本書は、その実態を描いてみようとするものである。
  • 小泉信三―天皇の師として、自由主義者として
    4.0
    1巻858円 (税込)
    戦前は自由主義経済学者、マルクス主義批判の知識人、慶應義塾長として知られた小泉信三(1888~1966)。戦中は好戦的発言を繰り返す中、空襲で全身火傷を負う。戦後は皇太子教育の全権委任者として、敗戦で揺らぐ皇室を支え、美智子妃を迎えるなど象徴天皇制の基盤を作った。本書は、国家主義の台頭、戦争、敗戦という激動の中、国家のあり方を問い続け、オールド・リベラリストの生き方を貫いた小泉の生涯を描く。
  • 「信教の自由」の思想史 ――明治維新から旧統一教会問題まで
    -
    1巻1,760円 (税込)
    欧米のように血みどろの戦争と迫害の中から生み出されたのではなく、いわば上から降ってきた「信教の自由」を、日本人はいかに受け止め、その法規定の解釈・運用や改正をめぐり議論してきたのか。宗教者・知識人らの論争から、その底流にある「信教の自由」をめぐる思想の変転を跡づける。さらに、オウム真理教事件を契機とする宗教法人法改正にあたって論議となった創価学会と政治との関係、安倍晋三元首相銃撃事件後の旧統一教会の被害者救済などの政策動向などを踏まえて、今後の「信教の自由」のあるべき姿について提言する。
  • 地図と読む日本の歴史人物
    3.5
    1巻1,584円 (税込)
    誰もが知る日本の歴史人物の足跡を、地図とともに読む。 いつ、どこで、何を成し遂げたのか。そこに至るまでにどんな道筋やドラマがあったのか。 地図とともにたどることで、お馴染みの歴史人たちの輪郭がより鮮明に、より臨場感を持って浮き上がる。 本書に登場する人物…聖徳太子、源義経、武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、忠臣蔵、伊能忠敬、新選組、西郷隆盛、坂本龍馬、渋沢栄一、津田梅子 大河ドラマ監修などでお馴染みの小和田哲男はじめ、各人物研究のエキスパートが執筆。
  • 独立のすすめ 福沢諭吉演説集
    3.5
    speechを「演説」と訳したのは福沢だった。 そして福沢自身、抜きん出た名演説家だった。 日本の近代化・文明化のためには、独立した個人が自らの思想を大いに論じ合わなければならない。 明治という時代が大きく動き出す中で、日本のよりよき未来を、熱く巧みな弁論で語り尽くした、その記録。 著作で見せるのとはひと味違う、福沢のライブ感溢れる言葉が、時代を超えて日本人の心を撃つ! 今日における福沢の思想史的再検討をリードする編者が、残されている速記録や原稿から「名演説」を厳選し、わかりやすい解説を付して編集した、画期的演説集。 【本書より】 日本世界をもっとわいわいとアジテーションをさせて、そうして進歩するように致したいと思う。それが私の道楽、死ぬまでの道楽。何卒皆さんも御同意下さるように。 【主な内容】 第一章 「演説」と「交際」の創始  演説はなぜ必要か/政府の専制から人民の政府 など 第二章 実業界へ出でよ  智識交換・世務諮詢に不景気なし/道徳は説くのではなく示せ など 第三章 立憲国家の国民へ向けて  経済学芸への注意を怠るな/学問に凝る勿れ など 第四章 個人の独立、国家の独立  銭は「人生独立の母」なり/政論の下戸となるな/学者は飼い殺せ など 第五章 次世代へのメッセージ  老却せる老生からの勧告/排外主義と自尊自大の戒め など 編者解説
  • 日本政教関係史 ──宗教と政治の一五〇年
    4.0
    1巻1,705円 (税込)
    宗教と政治の関係を考えるには、近現代史を踏まえねばならない。本書は日本の宗教行政・政策史を概観し、重要なトピックその中に位置づけ分析する。明治以来、政府は宗教団体法の制定を模索し、昭和にようやく国民精神動員の名目で成立させたが戦後、占領軍が廃止を命令。1951年成立の宗教法人法が宗教団体の自由と自治を大幅に認め、政教分離を明確に定めた。キリスト教公認問題、内村鑑三不敬事件、戦争と宗教、靖国問題などトピックから政教関係の全体像を照射する。
  • 日本の戦争と宗教 1899-1945
    4.0
    1巻1,705円 (税込)
    「悪魔を懲らしめねばをかぬ」、「これは日本信仰と西洋思想との戦いである」――。「殺生」を禁ずるはずの宗教が、戦争、そして戦争協力を正当化するに至った論理とは。大日本帝国の時代、ミッションスクールでおこなわれた神道儀礼、銃後の守りを演出する戦没者法要、海外につぎつぎと建立される神社など、諸宗教の軍・政府との相互依存の全貌を、非戦論・抵抗の系譜とともに描き出す。(講談社選書メチエ)
  • 福沢諭吉 変貌する肖像 ――文明の先導者から文化人の象徴へ
    3.5
    1巻935円 (税込)
    福沢の思想は毀誉褒貶にさらされてきた。それは福沢の議論の変化というよりも、福沢をとりまく世論の側の変化によるものといえる。福沢を評価した徳富蘇峰は、晩年には福沢が日本の伝統的な良風美俗を破壊したと罵倒。戦後は丸山眞男から原則ある実学思想家として賞賛されるも、朝鮮蔑視の脱亜論者として批判もされ、他方で1980年代半ば以降は1万円札の肖像となり、文化人の象徴となった。福沢評価の変遷をたどり、その過程を詳細に考察。福沢の実像を浮かび上がらせる。
  • 明治日本はアメリカから何を学んだのか 米国留学生と『坂の上の雲』の時代
    3.0
    1巻950円 (税込)
    高橋是清、新渡戸稲造、金子堅太郎、團琢磨、小村寿太郎、秋山真之――明治の「日米同盟」をつくった男たちの秘史に迫る 明治日本といえば、憲法を学んだドイツや日英同盟を結んだイギリスなど欧州に光が当たることが多い。 だが、日本の運命を決定したのは日米関係であり、その集大成が、日露戦争であったと著者は主張する。 開国直後に密航など危険を犯して渡米した第一世代。 同志社をつくった新島襄、のちに日本の財政を一手になう高橋是清、初代日銀総裁として金融機関の整備にあたった吉原重俊などをとり上げる。 学費が安いことから次々と優秀な若者が派遣された第二世代。 当時最先端だったロースクールを選んだ二人の青年。同じ下宿先からハーバード大に通った小村寿太郎と金子堅太郎は、ともにポーツマス条約締結のため活躍する。イエール大で学び、のちにアメリカで教職についた朝河貫一は、ポーツマス条約におけるロシアとの講和案作成に関与、マサチューセッツ工科大で冶金学を学んだ團琢磨は、卒業生を巻き込んだ親日世論工作を行う。 日露戦争で日本海軍を指揮した秋山真之もまた、アメリカ留学生の一人だった。 日露戦争終戦後、両国関係は悪化、留学生たちの運命も変わっていく。長命だった金子は反米主義者に、日米親善に尽力した團は血盟団によって暗殺された。日本の国際的孤立を決定づけた外相・松岡洋右(オレゴン大)、は、誰よりもアメリカを知ると豪語するが、最も大きく読み間違えた。 そして、運命の真珠湾攻撃の総指揮を執ったのは、ハーバード留学生の山本五十六であった―― 丁寧な現地取材から浮かび上がる日米関係秘史。
  • 西郷従道―維新革命を追求した最強の「弟」

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    西郷従道は経歴程度しか知らなかったが、本書は、膨大な資料を読み解きながら、その華やかな経歴の背後にある兄・隆盛の存在、国家や「維新」への信念、家族への愛情などを明らかにしている。近代日本建設の新たな側面を学ぶことができた。

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    2024年08月19日
  • 小泉信三―天皇の師として、自由主義者として

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    平成の終わりに、今上天皇の師として小泉信三がどの様な考え方を持った人だったのか知りたくて読んでみました。本書はとても読みやすく小泉信三の幼少時代から亡くなるまでを纏めています。政治学者としての顔だけではなく人としてどの様な人柄でどのような趣味を持っていたかなども記されており小泉信三を知るための入門書としては最適な一冊だと思います。

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    2019年01月17日
  • 西南戦争 西郷隆盛と日本最後の内戦

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    色々考えたのだけど、西南戦争は実質的に薩摩出身者の内部分裂が原因だったように思う。本書によれば、鹿児島は知事以下独立の気風が強く、中央の権限が及びにくいエリアとなっていたそうだ。自前で広く軍事教練なども行っていたという。自らの血で作り上げた新政府は自分たちを受け入れなかった。そして、幕府時代の地方分権的な薩摩のかたちを発展していった先に、いよいよ衝突が待っていたという感じに思う。そのような土台の上にあくまで明治六年政変が乗っかっただけという印象。そして暗殺組が真実かどうかは分からないが、他にも政府はちょっかいを出していたことだろう。もしそうだとすれば、やっぱり西郷は意思に反して暴発に巻き込まれ

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    2015年05月02日
  • 西南戦争 西郷隆盛と日本最後の内戦

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     とてもフェアーである。

     何がといえば、この著者のものの見方、書き方がである。立場の異なる極めて広範囲の参考資料を、公平に読み込んでいる。そして、根拠を曖昧にせずにはっきり示しながら丁寧に書いている。著者の立場を防御するためや、研究不足を隠蔽するために根拠を曖昧にしたり明らかにしないところが一切ない。 
     試しに巻末に紹介されている参考文献の数を数えてみた。ざっと400冊あった。尋常な数ではない。この1点のみをもってしても評価に値する。
     このテーマにおける現在時点での最高峰と断言していいと思う。西郷隆盛と西南戦争について、肯定的な立場をとるか否定的な立場をとるかに関わらず、興味を持

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    2011年02月27日
  • 西郷従道―維新革命を追求した最強の「弟」

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    偉大な兄隆盛、大西郷と比して小西郷として影の薄い明治の元勲の一人西郷従道。偉大な兄と政府の間で明治維新後の政府の重鎮。調整役として実力を発揮した男の生涯。

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    2024年11月04日

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