あらすじ
幕末期、兄隆盛・大久保利通のもと尊攘派志士として活躍した従道。20代半ばで欧州視察後、台湾出兵では派遣軍トップとして制圧。西南戦争では、国家建設を優先し陸軍卿代理として、叛乱軍指導者の兄と敵対。隆盛自刃後、謹慎する。天皇に請われ復職後は海相を長期間務め、日清戦争時には陸海相兼務など軍事的指導者、さらに元老として政府中枢を担った。最晩年まで首相待望論があったが、「賊将の弟」と固辞し続けた志士の生涯。
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西郷従道は経歴程度しか知らなかったが、本書は、膨大な資料を読み解きながら、その華やかな経歴の背後にある兄・隆盛の存在、国家や「維新」への信念、家族への愛情などを明らかにしている。近代日本建設の新たな側面を学ぶことができた。
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維新の英傑でありながら西南戦争で賊将となった西郷隆盛の弟で、自身は隆盛と道を違えて明治政府に残り、軍事的指導者、政治家、元老として政府中枢を担った西郷従道の評伝。
兄・西郷隆盛の影に隠れがちながらも明治政府で重きをなした西郷従道の生涯、人物像について、理解を深めることができた。従道は、薩長や元老間の「調和機関」として重要な役割を果たすとともに、「維新の大業」を成し遂げるという志を持ち、情にも厚い人物だったようだ。
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「賊将の弟」は、いかに明治の世を生き抜いたのか。幕末期、兄隆盛・大久保利通のもと尊攘派志士として活躍した従道。西南戦争では叛乱軍指導者の兄と敵対。その後、謹慎するが天皇に請われ海相等を長く務め、元老として政府中枢を担う。