佐藤雅美の作品一覧
「佐藤雅美」の「縮尻鏡三郎」「町医 北村宗哲 全4冊合本版」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「佐藤雅美」の「縮尻鏡三郎」「町医 北村宗哲 全4冊合本版」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
早稲田大学法学部卒。1984年『大君の通貨』でデビュー、同作で第4回新田次郎文学賞受賞。『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞。『物書同心いねむり紋蔵』、『しくじり鏡三郎』がTVドラマ化された。その他作品に『八州廻り桑山十兵衛シリーズ』、『半次捕物控シリーズ』、『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。
小説・文芸
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「例繰方」なる役職の妙。
昔からず~っと読んでいます。著者は、これ以外では人物伝など結構硬派な作品が多いですが、この作品は日溜まりの縁側の様なぽかぽかとした、尚且つ人の世の厳しさや難しさをサラリと描く、素晴らしい時代小説です。
最近は、「エラく腕の立つ剣客」や「○○屋に身を窶しながらも、世の悪を暴く」と言った類よりも、多少の緊張感は持たせつつも、のほほんとした温かい人情系や「日常の謎」を解き明かす様な穏やかな時代小説が主流に成ってきましたが、その源流に当たるのが本作なのではと常々思っています。
「ナルコレプシー」と云う現代でも厄介な病の上、とても「実入りの良い八丁堀」とは言えない、有る意味気の毒さも感じる主人公が、あくまでもマイペースで自分の出来る範囲の仕事をキチンとこなし、世間の噂など気にもせず飄々と生きている姿が、シリーズを読み進める内に本当に「カッコ良く」見えてくるから不思議です。まぁもっと辿れば池波正太郎さん等の御大が居られますが、アレは草創期のお話。
著者と同様の作風で知られた北原亞以子さん亡き今、作品を読んでいる間中、日溜まり中に居る様な心地好さを味会わせてくれる作家さんは本当に希少です。いつまでも末永く…と思っていましたが、数年前に著者もお亡くなりに成られました。
主人公は、別に実家が大金持ちじゃなくても、実は高貴な血筋の末裔でなくとも良いですし、「日常の謎」でもなく「幕府転覆の大陰謀」を見事解決などしなくても良いですから、人生の機微の奥深さを知り、市井の人々の悲喜交々を同じ目の高さで優しく見つめてくれる様な主人公の、心の温まる様な時代小説が今後現れてくれることを、今後とも期待しています。
それから、両さんみたいにダラダラと唯々只管長く、同じ作品を書き続けない作家さんもね…w。
匿名
音羽者の知恵
稲の旦那様である鉄三郎が亡くなる。これは紋蔵一家の全編を通して綴られる通奏低音のようなストーリーの大きな動きである。紋蔵一家の物語である。それと別に各物語は紋蔵一家の話と絡まって綴られる。音羽の岡場所が取り潰されることに対して、大竹金吾の機転で矛先を避けることができた。
へこたれない人
紋蔵の南の同僚の山本庄蔵の物語、山本庄蔵はこの巻では何回か重要な場面で出てくる。新しいキャラクターの登場人物を丹念に描いている。
夢見る夢乃助
文吉(剣持忠三郎)と夢乃助の出会いの巻。夢乃助と夢乃助に関する出来事に紋蔵が関わる。出来過ぎの話であるが、痛快である。捨吉が紋蔵に対して、「おまえさんが動いたことによって辺りの気が動き、それが事態を解決させたのかもしれない」と言うところは面白かった。
牛込原町名主支配離れ願い一件始末
文吉とおちよに惚れた男の喧嘩の件と、牛込原町の名主の件が微妙に関係しあい、面白い話になっている。江戸の名主の制度をこれだけ精確に描くのは相当の量の資料を読みこなしているのだろう。紋蔵が名主の悪行を咎める案などは相当の裏付けがないと書けないであろう。
匿名
佐藤雅美の作品には多くの魅力的な人物が描き出されているが、「みわ」もその中の一人である。その出生、母親との関わり方、まわりを取り囲む人々、そして何よりその三味線の腕前が魅力的なのである。話の展開が出来過ぎているところもあるが、私的にはツボにはまってハラハラし、泣けて、最終的にはハッピーエンドに心を洗われる思いがする。
話の中では「孰か微生高を直なりと謂うや」がとても面白かった。孔子の言葉を元に、紋蔵が金吾に講釈を述べるくだりが興味深い。孔子の言葉もこのように具体的な話を付け加えて説明されると納得がいく。みわの実の母親「かよ」も上品に描かれていてその親子が最後はうまくよりを戻すことができてよかった。