作品一覧

  • クラシック音楽の大疑問  角川選書ビギナーズ

    角川選書ビギナーズ

    ビジネス・実用

    5.0
    1~8巻1,540~2,200円 (税込)
    指揮者は何のためにいるんですか? どうして曲が長いんですか? 国ごとに個性があるんですか? 初めて聴くならどの作曲家がいいですか? クラシック音楽が生まれたのはどんな時代ですか? そもそも、音と音楽の違いは何ですか? 専門家に素朴な疑問を投げかけたら、音楽そのものの「本質」がみえてきました。クラシック音楽に原点をもつポップス、ジャズ、現代音楽まで、新しい音楽の聴き方に出会える入門書。
  • よみがえる天才1 伊藤若冲

    よみがえる天才

    小説・文芸

    4.3
    1~9巻924~1,067円 (税込)
    私は理解されるまでに1000年のときを待つ――。生前、名声をほしいままにしながら、その後、幾世紀にもわたり忘れ去られた存在であった若冲は、代表作《動植綵絵》のうち一五幅を描き上げたとき、この謎めいた言葉を残した。そこに込められた秘密とは? 若冲研究の第一人者がはじめて明かす、知られざる若冲像。
  • ごまかさないクラシック音楽(新潮選書)

    ごまかさないクラシック音楽(新潮選書)

    ビジネス・実用

    4.3
    1巻2,090円 (税込)
    バッハ以前はなぜ「クラシック」ではないのか? ハイドンが学んだ「イギリス趣味」とは何か? モーツァルトが20世紀を先取りできた理由とは? ベートーヴェンは「株式会社の創業社長」? ショパンの「3分間」もワーグナーの「3時間」も根は同じ? 古楽から現代音楽まで、「名曲の魔力」を学び直せる最強の入門書。
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

    西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

    ビジネス・実用

    4.3
    1巻990円 (税込)
    一八世紀後半から二〇世紀前半にいたる西洋音楽史は、芸術音楽と娯楽音楽の分裂のプロセスであった。この時期の音楽が一般に「クラシック音楽」の歴史と呼ばれている。本書は、「クラシック」音楽の歴史と、その前史である中世、ルネサンス、バロックで何が用意されたのか、そして、「クラシック後」には何がどう変質したのかを大胆に位置づける試みである。音楽史という大河を一望の下に眺めわたす。
  • オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」

    オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」

    ビジネス・実用

    4.2
    1巻858円 (税込)
    オペラ――この総合芸術は特定の時代、地域、社会階層、そしてそれらが醸し出す特有の雰囲気ときわめて密接に結びついている。オペラはどのように勃興し、隆盛をきわめ、そして衰退したのか。それを解く鍵は、貴族社会の残照と市民社会の熱気とが奇跡的に融合していた十九世紀の劇場という「場」にある。本書は、あまたの作品と、その上演・受容形態をとりあげながら「オペラ的な場」の興亡をたどる野心的な試みである。
  • 音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

    音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉

    ビジネス・実用

    4.1
    1巻1,012円 (税込)
    音楽の聴き方は、誰に言われるまでもなく全く自由だ。しかし、誰かからの影響や何らかの傾向なしに聴くこともまた不可能である。それならば、自分はどんな聴き方をしているのかについて自覚的になってみようというのが、本書の狙いである。聴き方の「型」を知り、自分の感じたことを言葉にしてみるだけで、どれほど世界が広がって見えることか。規則なき規則を考えるためにはどうすればよいかの道筋を示す。
  • 西洋音楽史講義

    西洋音楽史講義

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,210円 (税込)
    ドレミファ音階、拍子、ハーモニー。今日の世界標準となった音楽語法のほぼすべてが西洋音楽史のなかで生み出された。グレゴリオ聖歌から、オペラの誕生、バロック、ウィーン古典派、ロマン派、そして20世紀のポピュラー音楽まで。「古楽」「クラシック」「現代音楽」という三つの画期に着目し、千年にわたる変遷を通史として描き出す。好みや感性で語られがちな音楽を具体的・分析的に聴き楽しむためのヒントに満ちた全15講。 *2013年3月に放送大学教育振興会より刊行された『西洋音楽史』を加筆・修正し、改題のうえ文庫化したものです。
  • 音楽の危機 《第九》が歌えなくなった日

    音楽の危機 《第九》が歌えなくなった日

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻902円 (税込)
    二〇二〇年、世界的なコロナ禍でライブやコンサートが次々と中止になり、「音楽が消える」事態に陥った。集うことすらできない――。交響曲からオペラ、ジャズ、ロックに至るまで、近代市民社会と共に発展してきた文化がかつてない窮地を迎えている。一方で、利便性を極めたストリーミングや録音メディアが「音楽の不在」を覆い隠し、私たちの危機感は麻痺している。文化の終焉か、それとも変化の契機か。音楽のゆくえを探る。
  • クラシック音楽とは何か

    クラシック音楽とは何か

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,188円 (税込)
    明快で痛快な「クラシック音楽の本質と粋」。 著者は、サントリー学芸賞・吉田秀和賞ほか受賞多数、NHK・Eテレ「スコラ」(坂本龍一の音楽番組)出演でも知られる京大教授・岡田暁生氏。岡田氏が、ベストセラー『西洋音楽史』と『音楽の聴き方』の粋をよりわかりやすく、より楽しめる1冊として入門者向けに仕立てました。かつ新しい視点も交えて従来の岡田ファンも充分満足する内容になっています。 「音楽史の流れ」「モーツァルトとベートーヴェンの違いについて」などの、ありがちな項目から「うんざりするほど長い音楽について」「ワケのわからない音楽について」など、この手の本にはなかった項目まで、40のキーワードを駆使して「クラシック音楽の本質と粋」が解説されています。全編320ページのボリュームで書かれたクラシック音楽の本が、一度読み始めるととまらない極上のエンタテインメントとなっています。
  • 音楽と出会う――21世紀的つきあい方

    音楽と出会う――21世紀的つきあい方

    ビジネス・実用

    3.7
    1巻1,870円 (税込)
    人生を変えるような音楽と出会うには?AIによる自動作曲、若者の音楽離れ、カリスマ不在、癒し音楽ブーム…日本を代表する音楽学者が、21世紀固有の音楽現象を挑戦的にとりあげ、規格外の音楽とつきあう楽しさを自在に語る。著者おすすめの音楽も多数紹介。
  • クラシック名曲の条件

    クラシック名曲の条件

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻1,012円 (税込)
    ≪モーツァルトだからといって、ことごとくが「名曲」というわけではない≫日頃、何となくわかっているつもりでも、よく考えてみると曖昧な点が多い、クラシック界「名曲」の条件。傑作と呼び名の高いあの曲、シンフォニーは、果たして本当に「名曲」なのか。「一度聴いたら忘れられない」曲には、どんな仕掛けがあったのか。時も国も超えて、未来へと愛され続ける、楽曲の力はどこに秘められているのか。ベートーベン研究家として名高い、文豪ロマン・ロラン(1866~1944)、フランスの大批評家クロード・ロスタン(1912~70)、ブルックナー研究の大家ロベルト・ハース(1886~1960)や、作曲家クロード・ドビュッシー(1862~1918)、指揮者フルトヴェングラー(1886~1954)などの楽曲的考察を採取。「第九」「雨だれ」「ニーベルングの指環」など誰もが知る12曲を、創作エピソードや譜面から読み解きます。名著『クラシックの条件』(1982年 中公新書)の復刊。内容紹介ショパンは、情緒に流されて構築の計算を忘れるようなタイプのロマンチストではない。それどころか、計算がまったく表に出ないほどに巧妙な、洗練の極みをいく絶妙のバランス感覚の持ち主なのである。≪雨だれ≫の中間部に認められた「膨張」。この膨張の計算の的確さに気づく時、ショパンの情緒のふくらみが、驚くべき感性の制御のもとにあることが見えてくるのである。――――「≪雨だれ≫の構造」より
  • メロドラマ・オペラのヒロインたち

    メロドラマ・オペラのヒロインたち

    ビジネス・実用

    2.5
    1巻1,485円 (税込)
    オペラはメロドラマだ! 『オペラの運命』『西洋音楽史』など、クラシック界では異例のベストセラーを放ってきた著者の最新作。NHK Eテレ『スコラ 坂本龍一音楽の学校』出演でも知られる著者だが、軽快な語り口で、まったく退屈せず、初心者でも一気に読めるオペラ入門書である。 内容はワーグナーの楽劇から映画『ゴッドファーザー』まで、硬軟にわたり約20作品を紹介。音楽史に沿って、ヴィオレッタ(「椿姫」)ブリュンヒルデ(「ワルキューレ」)トスカ(「トスカ」)らオペラ黄金時代のヒロインを中心に、ハリウッド映画の金字塔であるスカーレット(「風と共に去りぬ」)、戦後日本の象徴ともいえるマドンナ(「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」)まで、“女神”(女主人公)の魅力をたっぷり解説している。ひいてはAKB48のアイドル論に至る分析力は圧巻だ。 著者によると「メロドラマ」の語源は「メロディ」+「ドラマ」で、もともとは音楽劇=オペラを指す。本来オペラとは「大衆が喜ぶたわいない恋愛劇を音楽で盛り上げたもの」であり、映画やTVドラマと同じように「小難しく構えず、いかに素晴らしい音楽を味わい尽くすか」、これこそがオペラの鑑賞術に尽きるのだ。 (底本 2015年11月発行作品)
  • モーツァルトのオペラ 「愛」の発見

    モーツァルトのオペラ 「愛」の発見

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,221円 (税込)
    重厚なベートーヴェンやワーグナーに比べ、軽妙洒脱・癒やし音楽の旗手と捉えられがちなモーツァルト。しかしその美しい旋律の陰には、残酷な<仕掛け>がいくつも潜んでいた――。 ≪後宮からの逃走≫~≪魔笛≫に至る喜劇オペラの比較と恋愛描写の変遷を、熱狂的モーツァルティアンである著者が、細部に亘って吟味・考察。既存の論評を鮮やかに覆す、画期の書! 本書は、『恋愛哲学者モーツァルト』 (新潮選書 2008年3月刊行)を改題したものです 内容紹介 男と女の幸福な関係について、 モーツァルトほど考えた作曲家がいただろうか? 目次 はじめに 「時代の子」としてのモーツァルト 第一章 モーツァルトとオペラ史における愛の発見 第二章 愛の勝利 《後宮からの逃走》と青春の輝かしき錯覚 第三章 「昔はあんなに愛し合っていたのに」 《フィガロの結婚》と喜劇の臨界点 第四章 悪人は恋人たちの救世主 《ドン・ジョヴァンニ》と壊れた世界 第五章 臍をかんで大人になる? 《コシ・ファン・トゥッテ》と男女の化学結合 第六章 清く正しく美しく 《魔笛》と市民社会のイデオロギー 注釈 文献ならびにCD、DVDガイド あとがき 学術文庫版あとがき
  • commmons schola vol.1 Ryuichi Sakamoto Selections:J.S.Bach

    commmons schola

    ビジネス・実用

    -
    1~17巻2,200円 (税込)
    坂本龍一総合監修による次世代のための音楽全集『コモンズ・スコラ』。ついに待望の電子書籍シリーズがスタートします。古今東西の様々な音楽を対象に、クラシック・ポピュラー・民族音楽といったジャンルの枠を超え、坂本龍一の耳を通した選りすぐりの作品を紹介します。 ※本書はCDブック『コモンズ・スコラ(commmons: schola)』の付属ブックレットを電子書籍化した商品です。音声データは含まれていません。 ※本書はリフロー型で制作されていますが、巻末年表など一部のコンテンツを固定レイアウトで配信しています。あらかじめご了承ください。 第1巻は坂本龍一選曲による「J・S・バッハ」。誰もが名前は知っているJ・S・バッハの音楽、そして作曲家が生きた時代について、坂本龍一が浅田彰、小沼純一とともにこれまでにない視点で語り合います。すでにクラシック音楽に親しんでいる方はもちろん、今まであまり触れる機会がなかった方にも、J・S・バッハの豊かな魅力をお伝えします。 坂本龍一メッセージ 「いま僕らが聴いたり作ったりしている音楽を遡っていくと、 バッハが生きていた時代につながります。 一つの『標準』であると同時に、いま触れても新鮮で面白い、 バッハの魅力をぼくたちと一緒にぜひ楽しんでください。」 坂本龍一 目次 ●巻頭言: scholaのために/坂本龍一 浅田彰 ●鼎談: 「いま」が還りつくところ、バッハ/坂本龍一 浅田彰 小沼純一 ●バッハ断章(フラグメンツ)/後藤繁雄・選 ●原典解説/片桐卓也 ●推薦盤/坂本龍一・選 ●年表 著者略歴 坂本龍一/Ryuichi Sakamoto 音楽家。1952年東京生まれ。78年『千のナイフ』でソロ・デビュー、同年YMO結成に参加。YMO散開後、88年映画『ラストエンペラー』でアカデミー賞作曲賞、その他を受賞。常に革新的なサウンドを追求する姿勢は世界的評価を得ている。2006年、新たな音楽コミュニティ「commmons」をエイベックスとともに設立。2007年には一般社団法人「more trees」を設立し森林保全と植林活動を行うなど、90年代後半より環境問題などへ積極的に関わる。また、東日本大震災後はさまざまな被災者支援プロジェクトに関わるとともに、脱原発を訴える活動を行っている。主な作品に『B-2 UNIT』 『音楽図鑑』 『BEAUTY』 『LIFE』 『out of noise』 『THREE』、著書に『音楽は自由にする』、共著に『縄文聖地巡礼』『いまだから読みたい本―3.11後の日本』『村上龍と坂本龍一 21世紀のEV.Café』など。90年よりニューヨーク在住。
  • クラシックに未来はあるか

    クラシックに未来はあるか

    ビジネス・実用

    -
    1巻305円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 助成金の先細り、観客の高齢化……。危機が叫ばれるクラシック界の未来を占う。(『中央公論』11月号同名特集より) 対談「マエストロと考える危機の乗り越え方」大友直人(指揮者)×片山杜秀(思想史研究家・音楽評論家)/「“立派な芸術”だから必要だなんて言えない」岡田暁生(京都大学教授)/就任記念インタビュー「新作オペラ『紫苑物語』を世界に問う覚悟」大野和士(新国立劇場オペラ芸術監督)※敬称略

ユーザーレビュー

  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

    Posted by ブクログ

    とても面白かった。こういう本を待ってた、という感じでした。私は特に、ドイツ音楽とフランス・イタリア音楽との関係の解説が、大変腑に落ちました。
    音楽史の本としてもちろん良書なのですが、ヨーロッパ史を音楽という視点から説明している本ととらえても、とても勉強になる本ではないかと思います。

    0
    2026年10月08日
  • クラシック音楽の大疑問  角川選書ビギナーズ

    Posted by ブクログ

    「音楽を知りたいと思い始めた人向け」
    今まで音楽の専門的な本は気になって、手に取るけど読み切れることがなかった。
    いつもは、知らない曲の情報過多に埋もれて理解が追いつかず途中で放り出してしまう。
    しかし、この本は違った。初めて読み切れることができた。「音楽用語はなぜイタリア語なの?」など、「気にはなっていたけどそういうものだから」と深く考えず、そのままにしていたことが多い。そんな素朴な疑問を紐解くことができる、音楽を知りたい人に向けた入門書。

    0
    2025年12月15日
  • クラシック音楽の大疑問  角川選書ビギナーズ

    Posted by ブクログ

    思っていた感じとは全く違っていたけれども,これは良書。
    裏表紙に書かれている解説や,「はじめに」の前書きに書いてある著者のコメント内容から,てっきりクラシック音楽について,初心者が抱きがちな質問に答えることで,音楽理論や脳科学的な見地から,クラシック音楽を分析・解説する本なのかと思っていたが,実際は,クラシック音楽がいかに西洋の歴史,つまり世界史(主にヨーロッパ史)と密接に関わっているのかについて,初心者向きな内容なので,ざっくりとではあるが,優しく説明して教えてくれる本だった。

    ただ,そのような感じなので,何を期待してこの本を読み始めたかによって,だいぶ評価や好き嫌いが分かれそうな内容ではある。


    では,何故私がこの本を良い本だと感じたかというと,端的に言って,世界史(ヨーロッパ史)が複雑で内容量も多く,覚えるには難しすぎるからだ。
    そんな難しくて,覚えることも多くて,面倒臭いヨーロッパ史の流れを,この本では大好きな音楽,中でもとりわけ好きなクラシック音楽が歩んできた道のりとともに,おおまかにではあるが,知ることができる。
    これほど私個人に向いている,初心者向けのヨーロッパ史の本は,他になかったのではないだろうかと,そう思わずにはいられない(笑)


    この本に書かれていることで最も重要なことは,「音楽とは,それが生まれた時代における,社会の情勢やありよう,人々の生活様式と,密接に関わったものである」ということだと思う。

    旧来,音楽とは,宗教儀礼的な役割や意味合いが強く,世俗から切り離された,信仰の促進を担うものだった。

    それが宗教改革によって,教会が持っていた権力が薄まり,代わりに王族や貴族たちの力が強まっていく。
    そんな絶対王政の政治形態下で萌芽したのが,王族や貴族が持つ力を,庶民に対して誇示するための道具としての文化であり,宮廷で音楽を演奏することこそが,その最たるものだった。
    これがヴィヴァルディやバッハなどの,バロック音楽の時代。(おおよそ17世紀)

    そこから産業革命が起きて,商人の力が強まっていくとともに,王族や貴族の力が弱まり,やがて各地の市民革命によって,社会の主権が市民へと移行していく。
    この頃がハイドン,モーツァルト,やがてベートーヴェンへと至って,クラシック音楽全盛期への幕を開ける古典派の時代。(おおよそ18世紀)

    その後,近代的な制度が整ったヨーロッパでは,資源が枯渇していくとともに,植民地主義,帝国主義が広がりを見せる。
    これがショパン,シューマン,ワーグナー,ヴェルディ,ブラームス,チャイコフスキーなど,ロマン派以降の時代で,クラシック音楽の黄金期になる。(19世紀以降20世紀初頭まで)


    時代が降るとともに,音楽が享受されていた場所が変化していったことも,非常に重要で,昔は教会でその宗教の信者が聴くものだったところから,王族や貴族などの特権階級しか聴けない宮廷音楽へとなり,産業革命によって工業が発展し,市民革命で自由・平等・友愛が掲げられることにより,人種や身分や立場にかかわらず,誰もが音楽を聴くことができる場所として,大衆向けの大規模建造物,すなわちコンサートホールが誕生したとのことだ。

    さらに言うなら,現代はウォークマンからスマートフォンへと至るにつれて,音楽は,「時間」と「場所」の制限をどんどん排除する方向へと向かい,鑑賞の個人化が進んできているということである。


    また,哲学を学び続けてきた身としては,地政学的な観点によるヨーロッパ思想の特徴という視座を得られたことも,大変興味深かった。

    ヨーロッパ文化の中心であり最高権威,そしてヨーロッパにとっての文化的アイデンティティとは,いくら時代を経ようとも,古代ローマ帝国とルネサンス,つまり古代ギリシャの思想と,キリスト教カトリックの総本山であるヴァチカンにあり,イタリア半島の視覚芸術(絵画や彫刻や建造物)には,西側の諸国は太刀打ちできない。

    中でも,領土的に隣り合っていて,争い続けて仲が悪かったドイツとフランスでは,17世紀にフランスから著名な劇作家が次々と現れることで,演劇が花開いた。
    一方,それにも太刀打ちするのが難しいとなった大国ドイツ(ドイツ語圏の国)では,音楽こそを自国のナショナリズムと結びつけることで,アイデンティティとしていくよりほかなかったのだという説明には,思わず目から鱗が落ちた。
    ドイツこそは,音楽の父バッハが生まれた地で,楽聖ベートーヴェンが生まれた地なのであるぞ!と。

    だからこそ,ドイツのクラシック音楽は他国のものと比べて,権威主義的で,格式高く,形式張っている。
    中でもワーグナーは,それが極限まで煮詰まったものである。


    恐らくだが,ドイツ民族は,なまじ生真面目かつ優秀であるがゆえに,国土的に海洋資源に乏しく,南はアルプス山脈に阻まれて,イタリアのローマ文化とも断絶させられているという,恵まれていない地理条件も重なってか,文化的な後塵を拝してしまったことが,プライドを傷つけられることにも繋がり,結果,選民思想によってアイデンティティを保持する志向へと向かいやすいのだと思う。

    その結果が,20世紀最大の悲劇である,ナチスによるユダヤ人差別へと収束していく…という流れが,恐ろしいほどに理解しやすかった。
    (ナチス・ドイツはワーグナーの音楽を軍隊の士気昂揚に利用している)


    また,カントの哲学や,それ以後のドイツ観念論などでも明らかなように,ドイツ人はとりわけ理性主義思想が強い。
    バッハの音楽も著者曰く,「AIのように」合理性があるし,バッハはバロック時代なので,まだ宗教音楽もつくっていたこともあり,曲の雰囲気も荘厳さに満ちたものが比較的多い。

    このようなドイツにおけるクラシック音楽観,クラシック音楽に対する意識を,日本人は明治維新後の近代化・西洋化の際にモデルとして取り入れて,"音楽の西洋化"は,カント哲学とともにドイツ人から直に学んでいるため,クラシック音楽に対しては,厳格なイメージが付き纏いやすい。

    そもそも日本も,(ドイツとは逆に海に囲まれているせいではあるが)中国や朝鮮半島などから文化を受けるのに後塵を拝してきた国で,中国・ロシアなどの大国と対峙していかなければならないという点で,政治的な立場による近さも重なっているし,生真面目な国民の性質も比較的近しいため,相性が良かったのではないかと思う。


    そして何よりも,これを読んだ時に私は,自分の趣味嗜好がいかに近世から近代にかけての,ヨーロッパ合理主義に毒されているのかを痛感させられて,正直電撃を浴びたかのようにショックだった。

    なにせ,クラシック音楽で好きなのは,バッハとベートーヴェン(共にドイツ人)で,ドイツ製のボードゲーム(カタンやプエルトリコ)が好きで,2002年の日韓ワールドカップの時には,日本以外ではやたらとドイツを贔屓して応援していたし,哲学を学び始める前に通っていた大学でも,選択した第二外国語はドイツ語だった人間が私である(笑)

    これらについて,正直今の今まで,全く意識することなく,単純に自分が好みなものを選んできただけだと思っていたが,明治期の西洋化の影響をもろに浴びて,知らず知らずのうちにそういう人間へと作り上げられて,洗脳されていただけなのではないだろうか?と,自分のことを疑ってしまった。


    だが,実際によいものはよいのだ。
    作者もあとがきで述べているが,私たちは無意識のうちに,西洋の価値観や思想に染め上げられてしまっている。
    そのことに対して,クラシックをはじめとする音楽が与えてきた影響,功罪は,実は私たちが思っている以上に大きいものがあるのだとは思う。

    それでも,西洋の価値観がこれまでに謳い上げ続けてきたヒューマニズム,「人は自由で,平等で,愛と夢と希望を抱きながら,明日を信じて努力しながら生きていくことは素晴らしい」という,今の時代ではもはや冷笑の対象にしかならないかもしれない,そんな夢物語の中には,「本当に人が大事にし続けなければならないものもあるのではないか?」と,私は信じているのだ。

    格差の拡大に伴って,多くの一般市民が,ただ働いて生きるだけの日々を過ごさざるを得ず,クラシックだけに限らず,音楽も,文学も,絵画も,あらゆる芸術・文化が,急速に価値を失いつつあるのが,現在の世の趨勢だと思う。
    それらありとあらゆる芸術が,根底に掲げてきたものこそ,西洋から提示されたヒューマニズムだ。

    AIの進歩,行き過ぎた個人主義による倫理観の喪失と,資本主義や新自由主義経済社会による,格差の拡大から露見した綻びによって,急速にヒューマニズムを信じることができなくなり,その価値が損なわれて,みなが生きる意味を見失い始めている今だからこそ,そして,極端な排外主義者や極右の政権が日本でも支持を集め始めている,まさに今現在だからこそ,私たちは改めて,"間違い"の烙印を押されつつある,西洋のヒューマニズムから,本当に大切で価値があるものを,見つめ直す必要があるのではないか。
    私はそのように思う。

    そしてそれこそが,おそらくソクラテスが言うところの「徳」であり,"より善く(よりよく)生きる"ことに繋がるのではないかと,私はそう信じているし,信じたいのである。

    0
    2025年11月28日
  • 西洋音楽史 「クラシック」の黄昏

    Posted by ブクログ

    ホームズと並行して読んでいた一冊。
    実はこのところにわか趣味でクラシックにハマっておりまして、名曲をたくさん聴く中で、これらを体系的に知っておきたい……と手に取ったのが本書です。
    クラシック音楽の知識といえば音楽の授業レベルしかない私ですが、そんな自分でも数百年の西洋音楽史を見通せたような、実にわかりやすい良書でした!

    『グレゴリオ聖歌』から始まる中世音楽はどちらかというと歴史の授業を聞いている感じでしたが、やはりバッハが現れてからは抜群の面白さに。
    「バロック音楽=バッハ」と考えがちですが、彼は当時にしては異質な存在だったこと。さらに、そのバッハがメンデルスゾーンによって「再発見」され、「軽薄なフランス・イタリア音楽」vs.「世界に冠たるドイツ音楽」の錦の御旗として使われたというのも面白い。
    また、ベートーヴェンが残した偉業のあまりの大きさから、それに続いて爆発する百花繚乱の「個性」などなど……何気なく聴いていたクラシック音楽に縦糸が通り、ますますクラシック欲が増しました。
    個人的に疑問だった、「現代に新しいクラシック楽曲は生まれないのか?」についてもなんとなく答えがつかめて納得。18-20世紀にかけて数え切れないほどの名曲が生まれたことに感謝、ですね。

    芸術が生まれる背景には、必ず作者および社会の影響があります。また西洋の場合、背景に宗教があることも忘れてはなりません。
    それらを知ることで鑑賞がますます楽しくなるし、回り回って私の偏愛する海外古典ミステリーの解像度も上がってくるわけですね〜。

    作中にたくさんのCDが紹介されますし、巻末の文献ガイドも興味深い。
    神戸大学で通史の授業をされていた先生による著書なだけあって、私のようなクラシック初心者にも非常にわかりやすく、知的好奇心をくすぐられる一冊でした(*^^*)

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    2025年10月17日
  • ごまかさないクラシック音楽(新潮選書)

    Posted by ブクログ

    バッハからストラビンスキーに至る(諸説あり)クラシック音楽を中心に、音楽と社会の関わり、時代時代で主流となった音楽と社会体制との関連と、その変遷について碩学2人が語り尽くした本。

    改めて提示されてみると、思想同様にいろいろな束縛から自由なはずの音楽が、時々の社会体制と密接に関わっていることに驚かされる。

    バッハが活動したライプツィヒはカソリックと対立したルター派の総本山であり、バッハは神の秩序を自ら音楽に表現しようとしたプロテスタンティズムの象徴。
    貴族に庇護されサロン中心に演奏したヘンデル、ハイドンと異なり、ナポレオンの出現により国民国家が生まれ育つ中で交響曲や協奏曲などの形式を確立し「クラシック音楽株式会社」を創業したベートーベンと、その狭間に位置するモーツァルト。
    ロマン派のありとあらゆる要素を呑み込み総合した、ブラックホールのようなワーグナー。

    ベートーベン、ワーグナーに対抗しようとして力尽きたシューベルト、ブラームス、マーラーなど数多の作曲家と女子供が求める小品に走ったショパン、シューマン。

    ヘンデルはロンドンの印象が強いが、出身はドイツ。
    ガーシュイン、バーンスタインはアメリカと言われるが、出自は東欧のユダヤ人。

    歴史に残る著名な作曲家たちが、歴史の時間軸の上で容赦なく相対化されていく。

    大戦後、西側社会で作られなくなった交響曲が共産圏で作り続けられたのは、自由主義社会への対抗だったか。
    ロシアによるウクライナ侵攻後に出された本書では、偶然か意図的かロシア音楽も詳しく触れられる。

    話題はクラシックから現代音楽を経て、ジャズ、ポップスまで拡がり、ストリーミング再生が主流となった現在に音楽を聴くことの意味も語られる。

    著者の一人は語る。
    「クラシックもポップスも、自分が「音楽」と考えてきたものは18世紀以来の啓蒙思想のツールとしての音楽のことだった」
    「好きな音楽を好きに聴けば良いのだが、音楽の背後の頑強なイデオロギーに対して無自覚でいることは危うい」
    「クラシックを聴くということは、近代世界の欺瞞と矛盾を理解すること」
    「その象徴はベートーベン第九対ショスタコーヴィチ第五」

    0
    2025年07月11日

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