松家仁之の作品一覧

「松家仁之」の「新しい須賀敦子」「」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

配信予定・最新刊

作品一覧

  • 泡
    NEW

    5.0
    1巻616円 (税込)
    男子高の二年に上がってまもなく学校に行けなくなった薫は、夏のあいだ、大叔父・兼定のもとで過ごすことに。兼定は復員後、知り合いもいない土地にひとり移り住み、岡田という青年を雇いつつジャズ喫茶を経営していた。薫は店を手伝い、言い知れない「過去」を感じさせる大人たちとともに過ごすうち、一日一日を生きていくための何かを掴みはじめる――。昭和を舞台に描かれる、二度と来ない夏の日々。思春期のままならない身体と心を鮮やかに描きだす、「最初で最後」の青春小説!
  • 天使も踏むを畏れるところ 上
    完結
    4.0
    全2巻2,970円 (税込)
    敗戦から15年、皇居「新宮殿」造営という世紀の難事業に挑む建築家・村井俊輔。彼を支える者、反目する者、立ちはだかる壁……。戦前から戦中、戦後、高度成長期の日本社会と皇室の変遷を辿り、理想の建築をめぐる息詰まる人間ドラマを描き尽くす、かつてない密度とスケールの大長篇。『火山のふもとで』前日譚ついに刊行! 上巻。
  • 火山のふもとで(新潮文庫)
    4.0
    1巻935円 (税込)
    ぼくが入社した村井設計事務所は、ひと夏の間、北浅間の「夏の家」へ事務所を移動する。そこでは稀有な感性をもつ先生のもと、国立現代図書館の設計コンペに向けての作業が行われていた。もの静かだけれど情熱的な先生の下で働く喜びと、胸に秘めた恋。そして大詰めに迫った中で訪れる劇的な結末。ただ夏が過ぎても物語は終わらなかった。かけがえのない記憶と生命の瞬きを綴る鮮烈なデビュー作。
  • 新しい須賀敦子
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    没後17年を過ぎてもなお、多くの読者を魅了し続ける須賀敦子氏の文学。類まれな知性のうつくしさともいうべきその魅力を読み解く。江國香織、松家仁之、湯川豊の三氏の対談、講演、評論を収録。1)須賀敦子の魅力(江國香織×湯川豊):「須賀敦子さんのエッセイはすべて<物語>になってしまう」と語る江國香織と『須賀敦子を読む』で読売文学賞を受賞した湯川豊の興味津々の対談。 2)須賀敦子を読み直す(湯川豊):起伏の多い人生から生まれた洗練された文章と堅牢な文学を読み解き、その物語性を分析する。 3)須賀敦子の手紙(松家仁之):新たに発見された、親友へ宛てた何通もの手紙を紹介。 4)須賀敦子が見ていたもの(松家仁之×湯川豊) 5)「新しい須賀敦子」五つの素描(湯川豊):父と娘、戦時下の青春、留学、イタリアでの新婚生活、信仰、読書体験、文体など多角的分析。他、略年譜も収録。
  • 沈むフランシス(新潮文庫)
    3.8
    1巻605円 (税込)
    都会での仕事を三十五歳で辞め、北海道の小さな村で郵便配達をする女。川のほとりの木造家屋で世界中の「音」を集めながら暮らす男。偶然出会った両者は、急速に惹かれあっていく。からだでふれあうことでしか感じない安息と畏れ、そして不意に湧きあがる不穏な気配。その関係が危機を迎えた嵐の夜、決して若くはないふたりが選択した未来とは。深まりゆく愛と鮮やかな希望の光を描く傑作。(解説・山田真歩)
  • 優雅なのかどうか、わからない
    3.8
    1巻1,324円 (税込)
    Casa BRUTUS連載、待望の単行本化! 48歳にして再び独身になった主人公、匡(ただし)は、吉祥寺にある古い一軒家を老婦人に借り受け、自分好みに改装を始める。気楽な一人暮らしは、順調に滑りだすが、かつての恋人、佳奈とばったり再会。佳奈は、父親とふたりで同じ町に住んでいた……。 「気ままな一人暮らし。うらやましいかぎりだなあ。これを優雅と言わずして、なんと言う」。まわりにそう言われることに違和感を覚えつつ、佳奈との関係を取り戻したいと願う匡だが、彼女の父親は認知症となり、いつしかその介護に巻き込まれていく。自分の家と行ったり来たりの生活は、さらに思わぬ展開となり、どう暮らしたいのか、誰と生きたいのかの選択を否応なく迫ってくる---。 かつて妻や息子と暮らした代々木のマンション、一人になって借り受けた、井の頭公園に接した古い一軒家。吹き抜け、窓、灯り、テラス、暖炉、キッチン……随所にあふれる細かい家の描写が、物語に柔らかな深みを与えている。 流れるような美しい文体で描かれる、松家仁之の、新しい小説世界!
  • 光の犬(新潮文庫)
    3.5
    1巻1,045円 (税込)
    ひとりひとりの人生は奇妙にゆがみ、奇妙に偏っている――。助産婦の祖母、独身の三人のおばたち、会話の少ない父母、のびやかな姉・歩と気難しい弟・始。それぞれの願いと葛藤が溶けあいながら、三世代の時間は進んでゆく。北海道の小さな町を舞台に、失われてゆく一族の姿と、色褪せない人生の瞬間を、記憶をたどるようにして描き出す。読後、静かな余韻に包まれる百年にわたる家族の物語。(解説・江國香織)

ユーザーレビュー

  • 泡

    Posted by ブクログ

    大げさすぎない淡々とした文章が自分に合っていて心地良かった。それぞれの登場人物のストーリーも全部が白黒つかないいい塩梅。泡ってそのことかい!とはなった。

    0
    2025年11月23日
  • 天使も踏むを畏れるところ 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    昭和を語る上で高成長の東京への波は外せない事例だと感じられる。その波はもちろんお濠の内側にも。
    約半世紀前のことなのに随分と昔のように感じられる。
    と言うか約半世紀前のことなのに、現在も変わらない?

    0
    2025年10月05日
  • 天使も踏むを畏れるところ 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    〘皇室〙の話も、建築家の生い立ちからの仕事の話も、ずっと対岸から見てきた事だけどこうやって上下巻の一冊目を手にしたら、しかも昭和の東京中心部の地図なりストーリーなりにふれてしまったらもう、引き返せないという覚悟で読み始めた。

    もう引き返せない、下巻が楽しみ。

    それにしてもお濠の内に住まう方々はいつの世も普遍的なイメージです。
    こう言うことは不敬罪なのでしょうが。

    0
    2025年09月30日
  • 火山のふもとで(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    建築についてあまり詳しくない自分でもその魅力を感じ取れた。夏の家という避暑地に佇む建築事務所で名建築家の先生と共生する設計者たちの生活を丁寧に描れる。特に事件らしい事件はなく、避けられない運命に至る過程が端正かつ瑞々しいな文章で静かに語られていき、いつしか作品の虜になっている自分に気が付く。浅間山の鳴動する活動を背景に、あるときは不穏にあるときは悠久な様子を見せながら物語は進んでいく。コンペの行く先を最後まで見たかった気もするが、それはそれで別の小説になったのだと思う。後世に遺すべき素晴らしい小説と思う。

    0
    2025年09月29日
  • 火山のふもとで(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    たまたま手にとったこの一冊を、2025の夏休みに読破。贅沢な時間を過ごしました。まるでその場にいて見ていたような設計事務所の細部の描写、夏の家の様子、風景などにすっかり魅せられました。小説と同じ時代にほんの少し建築に関わった自身の思い出が、今、全く違う仕事をしていて思い出すこともなかったのに、数十年ぶりに押し寄せてきました。先生が主人公に伝えたこと、その言葉が染み入りました。

    0
    2025年08月30日

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