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Posted by ブクログ
北海道を舞台にした三世代家族小説。
『火山のふもとで』に引き続き、好みだった。。!
時系列というよりは、登場人物たちの記憶のアソートのようなものに感じられた。一つ一つのシーンが繊細かつ濃厚に描かれていて、読み終わった後も断片的な情景がふと思い浮かぶような余韻の長い小説だった。特に、歩と始が幼少期に訪れた冬の教会、歩が授かった終油の秘蹟のシーンが神秘的で頭に残った。
度々北海道の雪景色が描写されていて、冬読むのにぴったりだった。とりわけ私は、自身の故郷なので、共感できる感覚や体験、考え方が多く、身近なものとして読み進められた。一方で、地方小説ではあるが、「誕生」「成長」「老い」「死」など人生の機微がたっぷり詰め込まれていて、だれしもが共感できる部分があるんだろうなと思った。
Posted by ブクログ
私達の生き様は、小説家のような筆力がなくても、物語になる、ということを思わせてくれる作品です。それは何を意味するのか。第三者の共感を呼ぶ、ということでしょうか、どんな人生であっても。
「光る犬」というタイトルは、小説の終盤で、幼い歩が親犬の近くで戯れる子犬達を見ていたところから来ています。でも、なぜこのタイトルにされたのでしょう?
また、始にまとわりつく消失点は必要だったのでしょうか? 滅びゆく家族ということもまた、人口減少のこの国で、共感を呼びうる一要素なのでしょうか。「光る犬」は始まりであり、消失点とは対照的でさえあります。
私には少し疑問が浮かんだままです。
Posted by ブクログ
松家仁之『光の犬』新潮文庫。
デビュー作の『火山のふもとで』を皮切りに『沈むフランシス』、本作『光の犬』と、3ヶ月連続で新潮文庫から刊行。
明確な主人公が不在で次々と語り手の視点が変わることに戸惑うばかりの普通の家族の終焉が描かれる小説で面白味は感じられない。確かに家族と暮らした北海道犬は登場するものの、タイトルの『光の犬』から想像されるような物語ではない。
3ヶ月連続刊行された中では、最初の『火山のふもとで』がしっかしりしたストーリーとメッセージを含んだ小説だったように思う。『沈むフランシス』や本作『光の犬』に至ると凡人の自分にはちんぷんかんぷんといったところだ。
時代が進むにつれ、大家族から核家族へと家族の形は変化し、墓守りや後継者、介護など昔では考えられなかったことが問題になっている。
本作ではそんな家族の形の変化に翻弄されながら、家族の向かうべき道を模索しながらも、結局は終焉を迎える、まるで誕生したばかりの恒星が宇宙という尺度の中で一瞬の如く消滅する姿が描かれるのだ。
北海道東部の小さな町で過ごす添島家。最初に登場するのは故郷に戻る決意をする大学教授の添島始。始が主人公と思われた物語はその父親の眞二郎、姉の歩と次々とその視点を移していく。
そして、いつの間にか祖母の幼少時である明治期から、父母と隣家に暮らす独身の三姉妹、子どもたちの青春、揃って老いてゆく父母と叔母たちの現在までを描いた物語へと変貌する。
本体価格950円
★★★
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小説・文芸
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