作品一覧

  • 京都を壊した天皇、護った武士 「一二〇〇年の都」の謎を解く
    4.0
    1巻935円 (税込)
    京都・武士・天皇と聞くと、「武士が、天皇と京都を脅かしてきた」歴史が想像されるかもしれない。しかし、事実はまったく逆だ。京都を危険に晒してきたのは、後鳥羽・後醍醐ら一部の天皇であり、その復興は源頼朝から信長・家康に至る武士がつねに担ってきた。いったいなぜ、武士は京都を護り、維持してきたのか!? 天皇と京都をめぐる一二〇〇年の「神話」を解体し、古都の本質へと迫る意欲作!
  • 「京都」の誕生 武士が造った戦乱の都
    3.7
    1巻950円 (税込)
    平安京=京都ではない! 清水寺、知恩院、三十三間堂、祇園、東山、鴨川……いずれも平安京の外だった。 では、今の「京都」の原型をつくったのは一体誰なのか。 壮絶な権力闘争と土地開発の知られざる物語を気鋭の歴史学者が読み解く。 【これを読めば「京都」通になれる】 ●武装した強盗集団に狙われ続けた平安京 ●平安京には寺を作ってはいけないルールがあった ●廷臣の邸宅を次々と移り住む天皇 ●貴族も庶民も楽しんだ「晒し首」パレード ●勝手に戦争して顰蹙を買った源氏 ●都のど真ん中で起こった殺し合い「保元の乱と平治の乱」 ●京都駅周辺を開発したのは平家だった
  • 室町の覇者 足利義満 ──朝廷と幕府はいかに統一されたか
    4.4
    1巻990円 (税込)
    足利一門大名に丸投げして創立された室町幕府では、南北朝の分断などに後押しされて一門大名の自立心が強すぎ、将軍の権力が確立できなかった。この事態を打開するために、奇策に打って出たのが足利義満である。彼は朝廷儀礼の奥義を極め、恫喝とジョークを駆使して朝廷を支配し、さらには天皇までも翻弄する。朝廷と幕府両方の頂点に立つ「室町殿」という新たな地位を生み出し、中世最大の実権を握った。しかし、常軌を逸した彼の構想は本人の死により道半ばとなり、息子たちが違う形で完成させてゆく。室町幕府の誕生から義満没後の室町殿の完成形までを見通して、足利氏最盛期の核心を描き出す。
  • 武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世
    4.1
    1巻990円 (税込)
    武士はいつ、どこで、生まれたのか? 七世紀ものあいだ日本を統治してきた彼らのはじまりについては、実ははっきりとした答えが出ていない。かつて教科書で教えられた「地方の富裕な農民が成長し、土地を自衛するために一族で武装し、武士となった」という説はでたらめで、都の武官から生まれたという説は確証がなく、学界は「諸説ある」とお茶を濁す。この日本史における長年の疑問を解消するために、古代と中世をまたにかけ、血統・都鄙・思想に着目し、武士の誕生の秘密を明らかにする。
  • 平治の乱の謎を解く 頼朝が暴いた「完全犯罪」
    3.8
    1巻1,200円 (税込)
    源頼朝が「真犯人」を暴いていた! 貴族の世から武士の世へ、大きなターニングポイントとなった平治の乱。 後白河上皇の最側近で天才的な政治家だった信西が死に、源氏が敗れ、少年頼朝が流罪になったことは知られているが、「だれがこの乱を起こしたか」という最大の謎には、実はまだ定説がない。 気鋭の歴史学者である著者は、この乱の実体を暴く言葉を、将軍となった源頼朝が残していたことを発見する――。 「真犯人」、そして関係者たちがおこなった壮大な隠蔽とは? 歴史はミステリより面白い!
  • 平安王朝と源平武士 ――力と血統でつかみ取る適者生存
    3.8
    1巻1,210円 (税込)
    清少納言や和泉式部が仮名文学で雅な貴族の世界を描いていた裏には、暴力が支配する武士の世界があった。それは地方だけでなく、都のすぐ近くでも人が殺されるような状態だった。そして、その雅な世界は武士による収奪によって成り立っていたのだ。この凄惨な時代、拡大・縮小を繰り返しながら、源氏と平氏が武士の代表格として確立してゆく。その背景にある、血の入れ替えと相剋の過程を克明に綴る。
  • 中世武士団 偽りの血脈 名字と系図に秘められた企て
    値引きあり
    4.0
    1巻1,732円 (税込)
    ◆彼らは“貴”たらんとして「源・平・藤原」姓を掠め取った!◆ 平安の世が長く続くとともに疲弊してゆく地方社会、そこで生き抜くために多様な出自の者たちが結託し、 やがて「武士」という集団を形成した。 朝廷から然るべき位置づけを与えられないままの彼らは、やがて自らの正統性を巧みに「創出」し、中世という時代の支配者たるための競争に臨んでいった― 「佐藤」をはじめ現代まで生き残った名字が、中世武士団のアイデンティティ闘争の産物であったという「隠された真相」を徹底的に暴き出す、驚愕の研究成果! 【本書より】 新たな時代を切り拓いた有力武士は、実は貴人でも新興勢力でもなく、時代の終焉とともに主役級の役割を終えさせられた古代卑姓氏族が、全身全霊の努力で生き残りを図り、首尾よく生まれ変わった姿だった。 【主な内容】 プロローグ 改竄された“社会の設計図” 序章 武士の誕生と名乗り──アザナと名字 第一章 「佐藤」名字と佐伯氏──佐伯姓と波多野家 第二章 「首藤」名字と守部氏──美濃と源氏と王臣子孫 第三章 「伊藤」「斎藤」「兵藤」名字と伊香・在原・平氏 第四章 「○藤」名字の源流──官職由来と古代卑姓由来 第五章 「近藤」名字と院政──出自不明の院近臣たち 第六章 奥州藤原氏の創造──秀郷流・坂上氏・五百木部氏の融合 第七章 文筆官僚「斎藤」家の創造──大江氏・葉室家・清原氏との融合 第八章 大規模互助ネットワーク──斎藤・後藤・文徳源氏・宇都宮 第九章 後藤・近藤・武藤家が織り成す大友家の礎──利仁流・秀郷流の融合 第十章 中原親能の正体と大友家の創造──利仁流×秀郷流×中原氏×大江氏 第十一章 中原氏に還流する親能の御家人的性質──田村・水谷・摂津家の成立 エピローグ 最後の謎と次なる"神話"──素性不明の鎌倉幕府 注 参考文献

ユーザーレビュー

  • 武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    近年では最高の歴史本、ついに「武士」がいつ、どこで、どうして生まれたのかが判明したのです
    武士は889年「物部氏永の乱」勃発を契機に、天皇が我が身の危険に対応する目的で、宇多天皇が890年に「滝口武士」として設置した「朝廷組織外で官職を持たない」弓馬の達者な「武士」と儒学の発想と元正天皇の詔の先例から名付けられた
    奈良時代より弓馬の道(日々鍛錬を要する非生産部門)を義務付けられていたが、平安時代より富の集中と格差がもたらす「群盗」の存在が、武勇に堪能する人材を地方に、地方の調停者として「王臣子孫」という存在を核に化学反応により生まれた「武士」、平将門の乱により段違いの武勇を得た兵士は、藤原純友

    0
    2024年06月07日
  • 武士の起源を解きあかす ──混血する古代、創発される中世

    Posted by ブクログ

    武士の起源は何だろう?そんな疑問に正面からぶつかっている意欲作です。僕が学生の頃「生産力の向上で富の余剰が蓄積されると、その奪い合いの争いが起こる。その中で地方の富裕な農民、中でも年貢の納入を請け負う名主が荘園の中で成長し、土地や財産を自衛するために一族で武装し、武士になった。彼らは律令国家の諸矛盾の中で草深い田舎に生まれ腐敗した中央の貴族政治を克服して中央社会を切り拓いた」こう習いました。しかし、ここに書いてあることのほぼ全てが嘘だと著者は述べています。その時点で本に引き込まれました。またある学者は「都の衛府から生まれた」と言いますがそれも違うと論じてます。では武士の起源はどこにあるのか。そ

    0
    2023年12月22日
  • 「京都」の誕生 武士が造った戦乱の都

    Posted by ブクログ

    平安京のことや子供と中世への変化を考えていく上で、疑問に思ったり、「なんだか荒いな」と思っていたことが全て書いてあって面白かった。
    平安京=京都ではない、武士の論理、古代から中世へと変化していく上での産みの苦しみ。
    天皇と院政、平清盛の太政大臣就任と、激動の時代について面白おかしく読める。
    終わりかたがすごく気になる。一読して、損はないと思う。

    0
    2021年01月24日
  • 京都を壊した天皇、護った武士 「一二〇〇年の都」の謎を解く

    Posted by ブクログ

    やはり、刺激的な本。後醍醐を怪物と表現するのはさすがだし、それであまりある後醍醐。三種の神器のくだりはもはやコントでは。室町幕府は直義派のものであったという理解。明治維新の評価も面白い。

    1
    2020年11月03日
  • 室町の覇者 足利義満 ──朝廷と幕府はいかに統一されたか

    Posted by ブクログ

     足利義満とは「強きを助け、弱きを挫く」男という説を何度か読んだことがあったが、表現としては面白いが曖昧な印象しか残らなかった。本書はその曖昧な部分に光を通して、そのような説が生まれた背景を解き明かしてくれる。
     論旨が明快で文に勢いがあるのは、著者の頭脳と行動力の産物であろう。若さみなぎるエネルギーが痛快である。

    0
    2020年10月09日

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