【感想・ネタバレ】京都を壊した天皇、護った武士 「一二〇〇年の都」の謎を解くのレビュー

あらすじ

京都・武士・天皇と聞くと、「武士が、天皇と京都を脅かしてきた」歴史が想像されるかもしれない。しかし、事実はまったく逆だ。京都を危険に晒してきたのは、後鳥羽・後醍醐ら一部の天皇であり、その復興は源頼朝から信長・家康に至る武士がつねに担ってきた。いったいなぜ、武士は京都を護り、維持してきたのか!? 天皇と京都をめぐる一二〇〇年の「神話」を解体し、古都の本質へと迫る意欲作!

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Posted by ブクログ

やはり、刺激的な本。後醍醐を怪物と表現するのはさすがだし、それであまりある後醍醐。三種の神器のくだりはもはやコントでは。室町幕府は直義派のものであったという理解。明治維新の評価も面白い。

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2020年11月03日

Posted by ブクログ

前著『「京都」の誕生』に続いて京都の歴史、特に内裏にスポットを当て、今日の京都御所にまで至る史実を解き明かしてくれる。

京都の建造物は、治承・寿永の乱、南北朝の争乱、応仁の乱以降の荒廃や、度重なる地震、大火等により、消失、再建を繰り返してきたといったイメージを持っていて、内裏もそうなのだろうと思っていた。

本書の副題は、"え、どういうこと"と思わせるが、実は武士が京都を守ってきたことを、著者は具体的な史実を基に明らかにしていく。ここでポイントとなるのは、やはりと言おうか、後鳥羽であり、後醍醐である。また、武士が守ったといっても、別に忠義の心からではなく、時の最高権力を握った武家の権威を高めるためであったことも明らかにされる。

前著では、院政や平家政権時代に京都が拡大してきた歴史が描かれたが、本書では、内裏の場所的変遷と京都の変化が描かれる。地図が付されているのだが、京都の地理に詳しくない自分には、今ひとつピンと来ないのが残念であった。是非とも現地を歩いてみたい。

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2020年06月11日

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