【感想・ネタバレ】室町の覇者 足利義満 ──朝廷と幕府はいかに統一されたかのレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年02月02日

謎多き室町時代の本質を描いた名著。なぜ京都に幕府があったのか、なぜ義満が絶対権力者になったのか、といった問いに明快に解答を与えてくれる。そして、その後なぜ戦国時代が始まったのか、という問いに対しても、本書で示唆を与えつつ、次の著書で明確な答えを示してくれることを大いに期待させる。

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Posted by ブクログ 2020年01月14日

「武士の起源をときあかす」の桃崎有一郎氏の新著。内容が足利義満だけにかつての「室町の王権」から中公の「足利義満」を経てどういう話にアップデートされているか強い興味を持って読んだ。

いつもながら多量の史料収集と卓越した筆致、軽妙な?ツッコミでぐいぐい読ませてくるのには感心しかない。これまたいつもどお...続きを読むり、核心的な主張については必ずしもピースが揃っていない部分も感じられるが、それを差し引いても「義満以前」の尊氏・義詮から「義満以後」の義持・義教を含めて足利義満とはなんだったのかを描き出している。

紙の新書だと妙に分厚く仕上がっているが、これは論を進めるにあたっての前提、例えば「室町殿」「北山殿」を説明するために鎌倉殿までさかのぼって説明することもあったりするためで、無駄な部分ではなかったと思う。

著者の次作が今から楽しみである。

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Posted by ブクログ 2020年05月29日

「室町の王権」で義満の天皇位簒奪計画説を読んだときはショックを感じたが、現在はこの説はほぼ否定されている。ただ、近年、義満や室町幕府に関して興味深い著作が多く出ており、本書もその一冊である。
本書は、義満の作り上げた室町殿について、1 京都との関係、2天皇との関係、3将軍と大名との関係に焦点を当てて...続きを読む、その魅力を教えてくれる。

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Posted by ブクログ 2020年01月25日

<目次>
プロローグ 規格外の男・足利義満
第1章   室町幕府を創った男の誤算~足利直義と観応の擾乱
第2章   足利義満の右大将拝賀~新時代の告知イベント
第3章   室町第<花御所>と右大将拝賀~恐怖の廷臣総動員
第4章   <力は正義>の廷臣支配~昇進と所領を与奪する力
第5章   皇位を決...続きを読む定する義満と壊れる後円融天皇
第6章   「室町殿」称号の独占と定義~「公方様」という解答
第7章   「北山殿」というゴール~「室町殿」さえ超越する権力
第8章   虚構世界「北山」と狂言~仮想現実で造る並行世界
第9章   「太上天皇」義満と義嗣「親王」~北山殿と皇位継承
第10章   義持の「室町殿」再構成~調整役に徹する最高権威
第11章   狂暴化する絶対正義・義教~形は義持、心は義満
第12章   育成する義教と学ぶ後花園天皇~二人三脚の朝廷再建
エピローグ  室町殿から卒業する天皇、転落する室町殿

<内容>
340ページ余りの大作。足利義満が題だが、初代尊氏・直義から6代義教までが結構詳細される。そして斬新な解釈で面白い。というか、、室町時代面白い。近年のベストセラー『応仁の乱』(呉座勇一)から始まり、この時代の混沌とその中で生きた人の発想の仕方が面白い。桃崎さんはその応仁の乱も書きたいそうなので、待っていたいね。しかし、かつての今谷明の『室町の王権』は全否定されているらしいが、この本は発想的には似ている(本人は全面的に違うと言っているが)。

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