作品一覧

  • ふらっとアフリカ
    -
    1巻1,650円 (税込)
    特派員の肩書きもミッションもなし―― 紙袋ひとつ持って「旧友たち」のもとへ。 今ひとたびの、灼熱大陸清貧一人旅。 コロナに罹患し、やっとのことで退院すると、まっ先に取材ファイルの整理に取りかかった。寝床で「あとはやりたいことだけやろう」と衝動的に決めたからだ。でもやりたいことってなんだ。この先何をしたいのか。はっきりしていたのは、アフリカを再び訪ねることだった――。 四半世紀前、特派員として足を踏み入れたアフリカの地。今回は、特派員の肩書きもミッションもない。「受け身」に徹して見えてきたものとは? 毎日新聞夕刊の人気連載「25年後のアフリカ」、待望の単行本化。 モロッコ、西サハラ、モーリタニア、セネガル、ガンビア、ギニアビザウ、ギニア、シエラレオネ、リベリア、コートジボワール、南アフリカ......23年ぶりに、アフリカに〈とっぷり〉浸かってみた!
  • ギリシャ危機の真実 ルポ「破綻」国家を行く
    4.0
    1巻385円 (税込)
    財政赤字隠しに端を発し、共通通貨ユーロの信用不安を引き起こしたギリシャ。なぜ国家は「破綻」に追い込まれたのか。真相を現地からリポートする。
  • 差別の教室
    4.0
    人の心に貼りつく差別の「種」は、いつ、どこで生まれるのか。 死にかけた人は差別しないか――? 新聞社の特派員としてアフリカ、ヨーロッパ、南米を渡り歩いてきた著者は、差別を乗り越えるために、自身の過去の体験を見つめ、差別とどう関わってきたか振り返ることの重要性を訴える。 本書では、コロナ禍の時期に大学で行われた人気講義をもとに、差別の問題を考え続けるヒントを提示。 熟練のノンフィクション作家が世界を旅して掘り下げる、新しい差別論。 【おもな内容】 はじめに 第1章:死にかけた人は差別をしないか  加藤典洋さんとの共鳴/人間はいつ死ぬかわからない?/人間は有限であると気づくことがもたらす変化/臨死体験がもたらす恥ずかしさ 第2章:アジア人の中にあるアジア人差別  「一般論」の弊害/『マイナー・フィーリングス』との出会い/アイデンティティーにからめとられる/中国でも日本でもどっちでもいいよ 第3章:日系アメリカ人作家の慧眼  ステレオタイプの受け止め方/白人視線の内面化/不朽の名作『ノーノー・ボーイ』 第4章:ジョージ・フロイド事件と奴隷貿易  ジョージ・フロイド事件とロドニー・キング事件/報道する側にある差別/母語を失うということ 第5章:日本にアフリカ人差別はあるか  東京のアフリカ人/マルクス・ガブリエルさんとの対話 第6章:アフリカ――遠望と条件反射  11歳のときに上野で渡された栞/条件反射の根底にあるもの/助けるってどういうことなんだろう 第7章:名誉白人、属性に閉じ込められる不幸  アパルトヘイト撤廃直後の南アフリカで/中国人老女との出会い/「名誉白人」の起源 第8章:心に貼りついたものと差別と  足立区で過ごした時代/もんじゃってなんだ?/『砂の器』とハンセン病 第9章:感受性と属性と――学生の問いに答える  ビリー・アイリッシュは差別的か/若いうちに海外に行くべきか/差別を生む「種」を探る/差別した人に会いに行く おわりに
  • 資本主義の「終わりの始まり」―ギリシャ、イタリアで起きていること―
    4.0
    1巻1,144円 (税込)
    EU金融危機の本質とは、単なる財政破綻問題ではなく、資本主義そのものが変容する前兆ではないか? 我々の意識の底で、成長至上主義が終わろうとしているのではないか? ローマ駐在の新聞記者が、南欧の街頭で市民の話に耳を傾け、歴史や哲学、政治、経済などの碩学の知見も集め、資本主義の「次の形」を探求した刺激的論考。

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  • ぶらっとヒマラヤ
    3.5
    塩野七生氏推薦! 私の友人の中でも最高にオカシナ男が書いた、フフッとは笑えても実生活にはまったく役に立たない一冊です。それでもよいと思われたら、手に取ってみてください。 記者生活30年。還暦間近の記者が思い立ってヒマラヤに行ってみた――。8000メートルの極限の世界で考えた、老い・恐怖・死、そして生のこと。毎日新聞医療プレミア、毎日新聞夕刊で人気の連載が待望の書籍化! ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 湯川博士、原爆投下を知っていたのですか―“最後の弟子”森一久の被爆と原子力人生―
    4.0
    1巻1,232円 (税込)
    “原子力村のドン”と呼ばれた森は、晩年になって、ひとつの謎に苛まれていた。父母係累を一瞬にして喪い、自身も爆心地で被爆した昭和二十年夏の広島。あの日、あの場所に“特殊爆弾”が落とされることを、恩師の湯川秀樹は知っていたと聞かされたのだ。自分の原子力人生を決定づけた恩師の真意は、いったい何だったのか。
  • 酔いどれクライマー 永田東一郎物語 80年代ある東大生の輝き
    3.9
    東大のスキー山岳部に8年在籍し、カラコルムの難峰K7を初登頂に導いた永田東一郎は、登頂を機に登山の世界から離れてしまう。 建築の道に進んだものの、次第に仕事を減らし、不遇のまま46年の生涯を病いに逝ってしまった。 輝いていた1980年代という時代と下町で地元にこだわり続けた永田東一郎。 圧倒的な存在感を放ちながら、破天荒で自由な生き方に、高校の後輩として永田を見てきた作家の藤原章生氏が迫る。 ■内容 プロローグ 十二年後に知った死 第一章 十七歳の出会い  濃くなっていく永田東一郎の記憶/「田端の壁」初登攀 第二章 強烈な個性  南硫黄島の 「事件」/「くだらないぞ、そんな生き方」/自由すぎる校風 第三章 下町育ちの“講談師”  母仕込みの一人っ子/酒好きの父親/地元好きの「東京土着民」/情けない自慢好き 第四章 東京大学スキー山岳部  試練の夏合宿/「チュザックではさあ」 第五章 生まれもった文才  読み手意識の表現者/中学時代の虚無/ジャーナリストヘの厳しい書評 第六章 強運のクライマー  「ガーディアン・エンジェル」がついていた/歯がたたなかった「青い岩壁」/滑落五〇〇メートル、奇跡の生還 第七章 K7初登頂  「普通の頂上」だった/真摯で緻密な戦略家/消えた山の情熱 第八章 山からの離脱  四つの仮説/表現の舞台消え 第九章 不得意分野は「恋」  十年の片思い/結婚という名のプロジェクト 第十章 迷走する建築家  下積みに耐えられず/脱構築、ポストモダン/建築も人を殺す 第十一章 酒と借金の晩年  人の金で飲み続け/あっけない死 第十二章 時空間を超えた人 過剰なほどの存在感/一九八〇年代、時代の輝き エピローグはじまりの山、おわリの山 ■著者について 藤原章生(ふじわら・あきお) 1961年、福島県いわき市生まれ、東京育ち。 86年、北海道大工学部卒後、住友金属鉱山に入社。89年、毎日新聞社記者に転じる。 ヨハネスブルグ、メキシコシティ、ローマ、郡山駐在を経て、夕刊特集ワイドに執筆。 05年にアフリカを舞台にした短編集『絵はがきにされた少年』で第3回開高健ノンフィクション賞受賞。 主な著書に、 『ガルシア=マルケスに葬られた女』、 『資本主義の「終わりの始まり」』、 『湯川博士、原爆投下を知っていたのですか』、 『ぶらっとヒマラヤ』など。 23年5月、中央大法学部の講義録『死にかけた人は差別をしなくなる』 (仮題)を出版予定。

ユーザーレビュー

  • 差別の教室

    Posted by ブクログ

    差別は主観である、ということを事例を尽くして丁寧に説明してくれている一冊。

    差別をなくすことは難しいかもしれないが、戦争当事者に読んでもらえると世の中が平和に一歩近づくと思います。

    0
    2024年03月24日
  • 酔いどれクライマー 永田東一郎物語 80年代ある東大生の輝き

    Posted by ブクログ

    なんだかわからんけど面白かったし、いろいろ考えさせられた。あとがきに、このノンフィクションの主人公の長男長女に著者が、お父さんはそんじょそこらにゃいない、本当に面白い人だったよ。と捧げる言葉があるが、こーいう人がある一定数いる世の中じゃないとつまらないのは確かだ。メルカリで買おうとしたら、全部売れちゃってて仕方なく定価で買ったが、本当にいい本とはこーいう本じゃないのかなとワシは思うわ。

    0
    2023年06月24日
  • 資本主義の「終わりの始まり」―ギリシャ、イタリアで起きていること―

    Posted by ブクログ

    [震源地から扉は開くか]世界的に注目を集めた欧州経済危機の発端の地となったギリシャと、それに続くと一部から目されてしまったイタリア。その両地を取材する著者が、危機の影響と今後の社会の行く末を、有識者とのインタビューを通じながら論考した作品です。著者は、毎日新聞の記者を務める藤原章生。


    経済危機(そして近接する時期に起きた東日本大震災)からどのような社会的教訓が得られ、どのような未来が描かれるかということを筆者なりの視点でまとめており興味が持てました。資本主義の限界を指摘するその考えに賛同するか否かは別としても、読み手に市場や経済について様々に考える機会を与えてくれる一冊だと思います。


    0
    2015年01月26日
  • ギリシャ危機の真実 ルポ「破綻」国家を行く

    Posted by ブクログ

    ギリシャで起こった経済危機を、現地の人々やヨーロッパの他の国の人々からの聞き取り調査を中心に描く。信用できる情報をもとに書かれているから面白い。

    0
    2013年07月18日
  • 資本主義の「終わりの始まり」―ギリシャ、イタリアで起きていること―

    Posted by ブクログ

    毎日新聞記者として2008年~2012年ローマ支局長を担当された著者。現地にいるからこそ補完する、ニュースで見聞きするギリシア、イタリアの金融危機と、そのさなかにある国民たちの温度差を現実味をもって感じさせる一冊。

    火炎瓶を投げ、警察が放つ催涙弾にくもの子を散らす暴徒たちが、一線を越えないのは、マンマが大切にした家庭の絆という文化があるからという歴史学者デッラ・ロッジャの主張は意外に感じると同時に、腹に落ちた。

    そして福島出身の著者が海外からフクシマを見たとき、歴然と存在し、かつ誇張しない日常が、ニュースとの距離感、温度差の根底にあるという意味で、イタリア、ギリシアと繋がっていくという展開

    0
    2013年05月08日

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